リアル水彩を使用した暖かみのあるイラストの描き方

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kawashita(あめ)

kawashita(あめ)

リアル水彩を使用した暖かい雰囲気のイラストの描き方を説明していきます。

全体図↓

1.ラフ

まずラフを描きます。丸ペンを使用しました。

ここで大まかな構図を決めます。

小さめに描くと体のバランスが取りやすいです。

どんな雰囲気にするかどんな小物を描くか軽くメモも書いておきます。

色もさっくりでいいので塗っておくとイメージがつかみやすいです。

これでラフは終了です。

2.下絵

小さいサイズのまま下絵に入ります。丸ペン使用。

ラフのレイヤー不透明度を20%位に下げてペン入れしていきます。

ラフは水色、下絵は紫で描いていますが、自分の好みの色で大丈夫です。

顔と体のレイヤーを分けておくと後から調整する時に楽です。

後で拡大するため線は細めに描くと良いです。

これで下絵は終了です。

3.線画

小さいサイズの下絵を拡大して線画を描いていきます。

今回は水彩ブラシで塗るので丸ペンなどの固いブラシではなく

少し柔らかい印象になるシャーペンを使用しました。

全体の線画が終わった後に影部分に斜線を入れました。

線だけよりも暖かみのある印象になると思います。

線画色はオレンジ〜黄色系の茶色にしました。

黒よりもほんわかした雰囲気になります。

これで線画は終了です。

4.レイヤー分け

肌、髪、服などパーツごとにレイヤーを分けておきます。

目立つ色で塗ってから色調補正で全て白にします。

(わかりやすくするため画像はバックを青で塗ってあります。)

これでレイヤー分けは終了です。

 

5.人物塗り

主にリアル水彩丸筆を使用して塗っていきます。

暖かみのある雰囲気にしたいので赤やオレンジなどの暖色メインの色使いにしていきます。

 

リアル水彩丸筆で下塗りをしていきます。

パーツ分けをしたレイヤーにクリッピングして塗っていきます。

ブラシサイズを大きめにしてひと筆で塗るとムラができにくいと思います。

これで下塗りは終了です。

肌を塗ります。

暖かみのある雰囲気にしたいので黄色〜オレンジ系の肌の色にします。

頬や肘のグラデは明るい色、落ち影は暗い色ではっきりめにつけました。

グラデ部分は筆で塗った後なじませます。

イラストの雰囲気に合わせて影の彩度は高すぎないように注意します。

これで肌の塗りは終了です。

目を塗ります。

白目が真っ白すぎると浮いてしまうのでオレンジがかった白で塗ります。

白目の影は茶色ではっきりめにつけます。

上まつげ部分はほんのり茶色で塗ってあります。

瞳は上部を暗い色、下部を明るい色で塗ります。

(瞳下部の黄色い部分は荒い水彩を使用してます)

瞳は彩度が高くなりすぎないように、明暗差がつきすぎないようにします。

ハイライトは線画レイヤーよりも上のレイヤーに描きます。

これで目の塗りは終了です。

髪を塗ります。

髪の影をつけるコツは影の形が細くなる方向を意識してみましょう。

上に向かって細くなる影、下に向かって細くなる影の2つがあると考えます。

その2つを組み合わせて影をつけていきます。

奥の髪は思い切って全て影にしてしまうとメリハリがつきます。

これだけだと少し寂しいので遊びとして花模様を描いてみました。

これで髪の塗りは終了です。

服を塗ります。

まずチェック柄を描いていきます。

ムラができないように1本の線はひと筆で描きます。

縦と横の線のレイヤーを分けておくと良いです。

服が盛り上がっている部分は少し段差をつけると立体感が出ます。

場所ごとにレイヤーを細かく分けておくと作業が楽になります。

オレンジのチェックを描いた後細い茶色の線を間隔を開けて描きます。

そうするとチェックらしさがプラスされます。

チェック柄を目立たせるために影の量は少なめにしました。

襟とスカート、リボンはグラデ+影でさらっと仕上げました。

襟の模様は入り抜き補正をかけて描きます。

簡単にとんがった葉っぱのような模様が描けます。

これで服の塗りは終了です。

6.背景塗り

人物と同じように白レイヤーにクリッピングして描いていきます。

ここでもリアル水彩丸筆を主に使用します。

まずバックをオレンジがかった白で塗ります。

ベースの背景を描きます。

暗めの紫を塗ります。キャンバスより少し小さめの四角を描きます。

後から削るので少しいびつでも問題ありません。

色に広がりを出すために上部に濃い青、下部にマゼンタ寄りのピンクを塗りました。塗ったら水彩筆でなじませます。

筆の動かし方や筆の入りの場所によってなじみ方が変わっていくのでそれを考えながらなじませていきます。

 

下の画像は

左側→赤から黄色へ筆を左右に動かしながらなじませた場合

右側→黄色から赤へ筆を左右に動かしながらなじませた場合

の比較です。

色が塗れたら周りを削ります。

そうすることで質感が出ます。

直線定規を作成し、それにスナップさせて消します。

定規は角度の刻み90°にしてチェックを入れます。

すると簡単に縦横まっすぐの定規が作れます。

水彩筆を使用し透明色で消しました。

これでベースは終了です。

 

刺繍のような枠線を描きます。

こちらも定規にスナップさせて描画します。

線を描いた後間隔をあけながら消します。

色をなじませるため赤っぽい茶色から黄色っぽい茶色に変更し、不透明度を少し下げました。

これで枠線は終了です。

星を描きます。

白で描いた後消しゴムで整えます。

大小の星をいくつか描いてからレイヤー複製と反転などで星を増やします。

白が薄かったのでレイヤー複製で濃くしました。

クリッピングで色をつけます。

ピンク、黄色、水色をざっと塗った後筆でなじませます。

濃いめの色で塗った後不透明度を少し下げます。

これで大きい星は終了です。

画面が寂しいので小さい星をトーン削りエアブラシで散らしてみました。

粒子サイズは0.01と0.2で描きました。

キラキラした印象になったと思います。

画面左上のレースを描きます。

線画と同じシャーペンで描きました。

あまり形が整っていませんが「綺麗すぎない形」も暖かみを出すのに有効だと思います。

これで完成です!

↓(下の画像は大きいサイズです)

7.まとめ

最後に今回のメイキングのポイントをまとめてみました。

線画

・柔らかめのブラシを使用する。

・線画色は茶色にする。

・影に斜線を入れて暖かみを出す。

人物塗り

・パーツごとに分けた白レイヤーにクリッピングをして塗る。

・下塗りは一筆で塗るとムラができにくい。

・肌と服はほんわかグラデ+はっきり影で塗る。

・影色は彩度と明暗差が大きくなりすぎないように注意する。

・髪の影は影が細くなる方向を考える。

・チェック柄はレイヤーを細かく分ける。

背景塗り

・水彩で塗った後に周りを削ると質感が出る。

・色をなじませるときは筆の動かす向きを意識する。

・綺麗すぎない形で暖かみを出す。

これで今回のメイキングは終了です。

ここまで読んでくださりありがとうございました!

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