3Dドールに何を描けばいいの?【Ver4.0】

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CHYEE

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3Dドールには何を描けばいいの?》

今回のテーマは「3Dグラフィック活用のコツ」です。

 

CLIP STUDIO PAINT Ver.4.0 アップデート以降、3Dスケッチフィギュアと3D基本図形**に自由に描画できるようになり、3Dモデルに合わせて角度も変化します!

 

今回は、キャラクターイラストでよく使われるものの、初心者には使いこなすのが難しい「3Dスケッチドール」に描画できるオブジェクトに焦点を当て、角度の目安を簡単に得られるように解説します。

 

この記事の内容:

1️⃣前半では、3Dモデルの使い方、描画方法、操作方法などを簡単に紹介します。

2️⃣後半では、3Dドールにペイントする際の注意点を紹介します。

3️⃣最後は、3Dドールへの描画機能を使って簡単に参照できるオブジェクトを紹介します。

 

それでは始めましょう!


1️⃣【3Dモデルの使い方紹介】

▶キャンバスに3Dモデルを追加する:

 

オブジェクトパネルで3Dモデルを選択し、キャンバスにドラッグします。


▶3Dモデルの形状調整:

 

必要に応じて、以下の場所でモデルの形状を調整してください。

[設定] → [構成] → 「固定比率」のロックを解除 → XとYの値を調整

 

六角柱を三角柱などに調整することもできます。


▶3Dモデルへのペイント:

 

  • Ver.4.0時点では、ベーシックな3Dモデルとドールにのみペイントが可能です。
  • [オブジェクト]ツールで3Dモデルを選択後、[ブラシ]に切り替えて直接描画できます。

 

  • ペイントには様々なブラシから選択できます。ライブラリからダウンロードしてユーザーが共有している装飾用ブラシも効果的に使用できます。

 

  • ただし、ブラシに特殊な色の変更やブレンド効果の設定が含まれている場合は、正しく表示されません。
  • ペイント中にカメラアングルを調整する必要がある場合があります。完成後、構図を参考に、必要なアングルに調整してください。

▶定規とプリセットレンズを使用して描画する:

 

  • 必要に応じて、描画を支援する定規(対称定規など)を追加します。

  • ただし、新しく追加した定規は3Dモデルの角度を変更しても変化しません

  • 定規を追加した後、[オブジェクト]ツールを使用して、元の3Dモデルに付属するパース定規を選択し、無効にする必要があります。これにより、描画時に対称定規のみに位置合わせできるようになります。

また、対称定規を追加する前に、必要に応じてプリセット ショットを使用して、人形が完全に前面/背面になっていることを確認します。


▶(重要)カメラ切り替え機能の使い方:

 

まず、構図に合った角度にパペットを調整し、[カメラ] の [使用中のカメラをコピー] をクリックします。

 

パペットにペイントする際には頻繁に角度を変える必要があるため、この方法を使えば、再調整に時間を費やす必要がありません。

2️⃣【3Dドールモデルに塗装する際の注意点】

▶3D人形モデルへのペイント

  • 体型を調整すると描くパターンに影響が出るため、描く前に体型を調整する必要があります。

 

  • 全身に適用する必要がある場合は、カメラアングルとパペットの動きを調整して、その部分(脇の下など)を描写する必要があります。

 

  • 通常、人体の衣服(靴下など)を描く際は、人体の立体感を強調するために、靴下の縁に曲線を使います。しかし、3Dパペットモデルにペイントする場合は、パペット上の参照線が正しい曲率であり、立体感を強調するために曲率を追加する必要はありません。

 

  • カメラアングルの調整やパペットの動きの変更により対称定規を使用できない場合は、パペット上の参照線を参考に、おおよそ対称な形状を描くこともできます。

▶3D人形の体型や姿勢を調整

設定を使って、3Dドールの身長、頭身、ボリュームなどを調整できます。こちらの公式チュートリアルをご覧ください。

 

ポーズの変更については、こちらの公式チュートリアルをご覧ください。

[カメラ]のパースパラメータを変更することで、オブジェクトの変形を調整できます。

値が大きいほど、変形が大きくなります。


▶描くものの立体感に注目

ドールに絵を描く際は、3Dオブジェクトに何を描きたいかによって異なります。タトゥーのようにボディにぴったりとフィットする模様でない限り、注意すべき点を覚えておいてください。

 

  • オブジェクトの厚みを描く

  • 物体に押されたときの皮膚の挙動

  • オブジェクトがボディによって持ち上げられるかどうかを考慮する


3️⃣【3Dパペット作画参考資料の有効活用】

次は、実際に3Dフィギュアにペイントしていきます!

 

これは参考用に描いたものなので、厳密に人形に描くわけではありません。

イラストの正式な描画を補助するために、カメラアングルやパースを変えた上で人形にペイントすることで、正しい形に近づけることがポイントです。


💡 頭

▶ヘアライン(髪を梳かした髪型)

これは初心者が見落としやすく、描く際にミスをしやすいポイントの一つです。

特に髪を後ろに梳かしている場合は、垂れ下がった髪が様々な角度から描く際の判断を妨げやすくなります。そんな時は、3Dドールに描いておくと、簡単に参考にすることができます。

▶帽子の裾

帽子の裾のベースラインを3Dフィギュアに直接描くことで、キャラクターに帽子を「かぶせる」(帽子の位置と角度を調整する)作業時間を短縮できます。実際に塗る際は、帽子と髪の毛の間に隙間がないように注意してください。

ただし、これは帽子の構造をある程度理解しているペインターに適しており、初心者は追加の参考資料を探す必要があるかもしれません。そのため、帽子と人形を親子関係に設定することに時間をかけることもできます。こうすることで、3D人形の頭のポーズを変更しても、帽子を再調整する必要がなくなります。

3Dモデルとの親子関係の設定方法については、こちらの公式講座を参照してください。

▶メイド服のヘッドドレス、カチューシャなど

もう一つの参考になるのがカチューシャです。

描く際に注意すべき点は、耳の位置です。アニメ風のキャラクターは耳が少し前に出ている(あるいは後頭部が大きくなっている)場合が多いので、耳の位置やカチューシャの位置は作風に合わせて決めると良いでしょう。

▶アイマスク

カチューシャと同様に、耳の位置にも気を付けて描いてください。


💡 上半身

▶服の肩紐、首に巻く細い紐など

下の写真は、服の肩紐を首の後ろで結ぶデザインです。

アニメ風のキャラクター(特に女性)は、実在の人物よりも首が細い場合があるので、作画スタイルによっては、この点を考慮して描いたり、首の太さを調整してから描いたりする必要があるかもしれません。

 

人物をフォーマルに描く際は、肩紐の太さ、胸の前で生地が押し上げられること、そして胸を締め付ける効果に注目してください。

さらに、ファンタジー スタイルのイラストによくある複雑な衣服ストラップのデザインにも役立ちます。

▶ホルスター、ベルトなど

上記の服の細いストラップと同様に、体に装着するベルトの装飾も、角度の参考に3Dドールモデルに直接描くことができます。

 

描き始める際は、硬いもの(フープなど)から描き始め、人体に合わせて完全に変形しないように注意してください。その後、鉄製のリングの位置に合わせてベルトの残りの部分を描きます。

▶バストのあるフィギュアに服を着せる方法

初心者の方は、ローカットの女性用服(バニーガールや水着など)の形状に慣れていない場合があります。この時点で、3Dパペットモデルにペイントすることで簡単に参考になります。

 

まず、フィギュアのボディをよりふっくらとした形に調整します。

正式なデッサンを行う際には、衣服の素材の硬さやカットを考慮する必要があります。これらは胸元の見え方に影響するからです。

 

また、3Dの人物像では、人が前かがみになったり横になったりした際の重力による胸部への影響をうまく表現できないことに注意してください。そのため、この参照法を用いるかどうかは、描く姿勢によって決まります。


💡下半身

▶ブリーフ/パンツ

フォーマルな作画では、ヒップの伸縮性にも注意が必要です。

▶プリントソックス/ストッキング

ソックスやストッキングには可愛いデザインがプリントされているものもあり、新機能を使えば簡単に描けるようになりました。


💡全身

▶タトゥー、ボディマーク、傷跡など

この使い方は非常に分かりやすいので、これ以上の説明は不要だと思います。

よく使うキャラクターの設定であれば、一度描いて素材として登録しておくと、繰り返し使えるのでおすすめです。

 

>素材の登録方法:公式ヘルプの最後の部分をご参照ください。

また、デコレーションブラシを使ってタトゥーの模様を描くこともできます。

ただし、フィギュアのポーズを変えたり、カメラの角度を変えたりすると、描けない部分が現れる場合があります。例えば、肩より上の例では、模様が崩れているだけでなく、変形も見られます。

 

3Dモデルでは模様が変形するのは当然ですが、実際にタトゥーを入れる際、タトゥーアーティストは正面から体の側面にタトゥーを入れることはないと考えてください。そのため、肩より上のような部分は特に注意が必要で、適切な角度に回転させて描く必要があります。

▶筋肉の位置

マテリアルライブラリでは、人間の筋肉の位置がマークされた参考用3Dドールがユーザーから共有されています!

「筋肉」または「解剖学」で検索して、お好きなマテリアルをお選びください。

作画補助資料を使用する場合、3Dフィギュアでは動きの異なる筋肉の層を正確に表現できない場合があることにご注意ください。また、肘や肩甲骨などの骨の描写にも注意が必要です。

 

ただし、「人間を襲う、異様な姿と発達した筋肉を持つ巨人」など、あまり描かれない題材の場合は、作画時間が大幅に短縮される可能性があります。


💡その他

**▶キャラクターマーク*

CSPは、調整したボディ形状を素材ライブラリに登録し、いつでも使えるようにすることができます。

しかし、素材ライブラリで欲しい3Dスケッチドールのボディ形状が一目で見つからない場合もあります。そんな時は、その部分にはっきりとしたマークを付けてすぐに識別できるようにしましょう!さらに、キャンバス上に複数の3Dフィギュアがある場合も、この方法で区別することができます。

 

このちょっとしたコツを軽視しないでください。これらはすべて、ペイント作業をよりスムーズにするためのちょっとしたコツです!


🎁【おまけ】——3Dモデル上のパターンをドットマトリックスレイヤーに抽出します(単色パターンに限る)

Ver4.0では、残念ながら3Dモデル上のパターンを直接書き出すことはできません。また、モデルに描かれたパターンは鮮明度をコントロールするのが難しく、ぼやけやすいという問題があります。そのため、上記の推奨用途はすべて「参考」を前提としています。

 

しかしながら、どうしてもパターンを抽出する必要がある場合、何もしないよりはましな方法があります。

なお、この方法ではモノクロパターンまたはグレースケールパターンしか抽出できません。グレースケールパターンを抽出した場合は、グラデーションマップを使用して、後から色を塗りつぶすことができます

 

 


🔧 手順

 

1. 3Dパペットを追加します。

 

2. 白を使って人形のベースカラーを塗りつぶします。

塗りつぶしツールは使用できないため、Gペンや平筆など、不透明度100%のブラシを使用して塗りつぶしてください。

 

3. 黒(またはその他のグレースケールカラー)を使って、希望するパターンを描きます。

4. 人形を適切な角度と姿勢に調整します。

 

5. [3D設定] → アウトライン、光源、影をオフにします。

6. レイヤーを右クリック → [レイヤーをラスタライズ] を選択します。

 

7. 編集 → [明るさを透明度に変更] を選択します。

 

💡 グレースケールパターンの場合 、半透明部分を単色に調整する必要があります。

レイヤーの下に別のレイヤーを追加 →

パペットの範囲を選択(ショートカット:Ctrl キーを押しながらパペットレイヤーを左クリック) →

新しいレイヤーを白で塗りつぶす →

2つのレイヤーを結合します。

 

完了!

ただし、この方法では人形の基準線を使って立体感を確かめることができません。

そのため、使用する必要があるかどうかを判断する必要があります。


結論

ここまで読んでいただきありがとうございます!

 

この記事は3Dパペットモデルに焦点を当てていますが、他の基本的な3Dモデルにペイントするのも非常に興味深い実験になるでしょう!

 

この記事についてどう思われますか?

これらはCLIP STUDIO PAINTの新機能なので、実際に試してみたいと思っています。より便利な方法や使い方があれば、ぜひメッセージをお寄せください!この記事がお役に立てば幸いです。

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