レイヤー合成を用いたキャラクター表情差分マップの作成 [EX 3.0]
「レイヤー合成を使ったキャラクター表情差分マップの作成」
多くのインスタントメッセージアプリでは、テキストではなく、様々なステッカーを作成して相手に直接送信できるようになりました。
ご自身やオリジナルキャラクターのステッカーを描いて作ってみたいと思ったことはありませんか?
しかし、たくさんの表情を描くとなると、どうしても作業が退屈になり、時間がかかってしまいます。そこで、非常に便利なレイヤー管理機能「レイヤー構成」をご紹介します。この機能はCSP EXバージョン3.0以上でご利用いただけます。大量の差分画像を処理する際に大変役立ちます!
この機能は、シーン内の光と影の違い(朝、夕暮れ、夕方など)、キャラクターの表情の違いなど、イラストの異なるバージョンに適用できるだけでなく、複数ページのコミックを管理し、異なる言語バージョンに素早く切り替えることもできます。
さらに、イラストを描く際にバージョン選択に困った際に、比較用のクイック切り替えバージョンとしても機能し、非常に便利です!
この記事では、以下の内容について説明します。
1️⃣パート1 - レイヤー合成機能の簡単な紹介。
2️⃣パート2 - キャラクターの表情差分マップの作成、レイヤー合成管理の使い方のデモンストレーション、そして制作時に注意すべき点の紹介。
それでは、始めましょう✨
1️⃣【レイヤー構成——使い方の紹介】
✧ レイヤー構成パネルの紹介
まず、レイヤー構成パネルを表示します。
場所:[ウィンドウ] → [レイヤー構成]
表示するレイヤーを決定したら、[レイヤー構成を追加] をクリックして新しいレイヤー構成を作成します。
作成中に構成に名前を付けることができます。
目のアイコン:現在表示されているレイヤー構成を示します(※一度に表示されるのは1つの構成のみです)
チェックアイコン:レイヤー構成を操作する必要があるときに、構成を選択します(※複数選択可能)
右下のアイコン:上下に動かして表示されている構成を切り替えます
その他のオプション操作
操作するレイヤー構成を選択した後、以下の操作を実行できます。
構成を上書き
構成を削除
レイヤー構成の順序を変更する必要がある場合は、パネル上で構成をドラッグするだけです。
✧ 使用方法のデモンストレーション
以下のデモでは、最初はレイヤー A、B、C の 3 つがあります。
レイヤー構成の追加 は非常に簡単です。レイヤー A と C を表示し、レイヤー B を非表示にした後、追加アイコンをクリックしてレイヤー名を A+C に変更するだけです。
このとき、レイヤーBをクリックして表示すると、レイヤー合成パネルの目のアイコンが「最後のレイヤー表示状態」に戻ります。
このとき表示されている状態は「A+C」ではなくなるためです。
パネル上では「A+C」にチェックマークが表示されますが、レイヤー合成に関する操作を行わない場合は、チェックアイコンは無視して構いません。
「A+C」の目のアイコンを再度クリックすると、そのレイヤーの表示記録にすぐに戻ります。
【新規レイヤーを追加】
この時、レイヤーDを追加すると、目のアイコンは再び「最後のレイヤーが表示された状態」に戻ります。
なぜなら、この時は「A+C」の状態ではなく、A、C、Dが同時に表示されている状態だからです。
新しいレイヤーを追加した後、必要に応じて上記と同じ方法で別のレイヤー構成を追加できます。
A+Cを置き換えたい場合は、上書き機能を利用できます。
デモでは「★」レイヤーを追加しました。
この時、目のアイコンは「最後のレイヤー表示状態」に戻りますが、次のステップは「操作」なので、「表示」部分は無視して構いません。
次に、「A+C」にチェックを入れ、「レイヤー構成を上書き」をクリックします。
この時、「A+C」が上書きされ、現在の表示状態である「A+C+★」に設定されているため、目のアイコンは「A+C」に戻ります。次に、必要に応じてレイヤー構成の名前を変更するかどうかを決定します。
レイヤー構成の名前を変更するには、名前の位置をダブルクリックします。
すべてのバージョンで共有されるレイヤーを追加する場合(つまり、レイヤーを追加すると、すべてのレイヤー構成に表示される)、レイヤーを追加する前に「すべての構成で追加レイヤーを表示する」をクリックしてオンにする必要があります。
レイヤーを削除
レイヤーを削除しても、レイヤー構成の表示状態は変わりません。
例えば、「A+C」と「A+C+D」という2つのレイヤー構成があるとします。
レイヤーDを削除しても、表示状態(目のアイコン)は変わりません。
実際には、「A+C+D」の表示内容は「A+C」と同じになりますが、レイヤー構成自体は消えません。
【レイヤーの順番を変える】
レイヤーの順序を変更しても、レイヤーの構成には影響しません。
レイヤーを結合する
✧ ケース 1
元のレイヤー構成は「A+C+ ★」です。
レイヤー「C」と「★」を1つのレイヤー「C ★」に統合すると、
表示内容は変わりませんが、レイヤー構成には実際には2つの表示レイヤー「A+C ★」のみが含まれます。
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✧ ケース 2
元のレイヤー構成は「A+C+ ★」と「A+C+D」です。
レイヤー「C」と「★」を1つのレイヤー「C ★」に統合すると、
「A+C+D」のレイヤー構成には「★」、つまり「A+C ★ +D」が含まれます。
「A+C+ ★」のレイヤー構成の表示内容は変わりませんが、レイヤー構成には実際には2つの表示レイヤー「A+C ★」のみが含まれます。
そして、「A+C+ ★」と「A+C+D」の表示内容は一致するようになります。
【新規レイヤーフォルダの追加】
元の「A+C」レイヤー構成。
新しいレイヤーフォルダを追加し、その中に「C」を配置すると、
レイヤーフォルダは非表示になります。
表示される内容は「A」のみになり、「C」は非表示になります。
表示内容をAとCのままにしたい場合は、レイヤーフォルダの表示をオンにして、元のレイヤー構成に上書きする必要があります。
【レイヤー変換】
元のレイヤーを保持せずにレイヤーを変換(例:ベクターレイヤーをドットマトリックスレイヤーに変換)した場合、レイヤー構成は影響を受けません。
ただし、元のレイヤーを保持することを選択した場合、元のドットマトリックスレイヤーと新しいベクターレイヤーが存在するため、「新しいレイヤーの追加」とみなされ、既存のレイヤー構成設定と一致しなくなり、目のアイコンが「最後のレイヤー表示状態」に戻ります。
レイヤーの不透明度を変更する
レイヤーの不透明度を変更しても、レイヤー構成には影響しません。
レイヤー構成ではレイヤーの不透明度は記録されません。
レイヤーの名前を変更
レイヤー名を変更しても、レイヤー構成には影響しません。
ただし、新しい名前に合わせてレイヤー構成の名前も変更する必要があるかどうか注意してください。
2️⃣【実践――キャラクター表情差分マップの作成】
✏️描き始めましょう
まずはキャラクターの下絵を描きます。注意点をいくつかご紹介します。
① コミュニケーションアプリのスタンプとして使用する場合は、キャラクターが切れてしまわないように、上下左右に余裕を持たせることをおすすめします。
② サイズ:コミュニケーションアプリで必要なサイズに注意してください。必ずしも正方形ではなく、正方形に近い長方形になる場合もあります。最初は同じ比率で大きめのサイズで描いても構いませんが、描く際には細部まで表示できるか確認するため、縮小して描く必要があります。
③ 解像度:将来印刷する予定がある場合は、300dpi以上に設定する必要があります。
Web公開のみの場合は、72dpiでも十分です。
④ レイヤー構成について:
個々のオブジェクトごとにレイヤーを分けることをおすすめします。
口、目、眉毛など、表情に関わるオブジェクトは、レイヤーフォルダに整理して配置することをおすすめします。
体や顔などのパーツも1つのレイヤーに統合できます。
口
目
眉毛
髪
メイク
顔
体
髪(下)
これらのレイヤーには、以下の特徴があります。
髪は、下レイヤー(顔と体の下)と上レイヤー(顔の上)に分かれています。
メイクレイヤーとは、実際のメイクアップではなく、表情によって位置が変化するチークなどの顔色の総称です。デモ画像では、チーク、二重まぶた、アイシャドウをそれぞれ3つのレイヤーで描画しています。
眉毛レイヤーは、目とは別のフォルダーにしておくことをお勧めします。
髪と目のレイヤーの順序はお好みで決めてください。[髪(上)> 目 > 髪(中)] の順序で描くこともできます。(つまり、下の髪を含めると、髪のレイヤーは合計3つになります。)
ここでは口のレイヤーに鼻を描きましたが、お好みに合わせて新規レイヤーを開いても構いません。
💡 必要に応じて、下部に背景色のレイヤーを追加することもできます。
特にコミュニケーションアプリのステッカーなどでは、白い枠線を追加するのが一般的です。
💡 また、透明な背景を出力したい場合は、コンポジションにレイヤーを追加する際に「紙」を非表示にしておく必要があります。
⑤ 画像が完成しているか確認します。
特にステッカーの場合、画像の中央に透明な穴があると、使用時に非常に目立つことがあります。
ここでは、すべてのレイヤーの下に明るいレイヤーを追加し、拡大表示して塗り直しが必要かどうかを確認します。
確認が完了したら、レイヤーを削除します。
🧾レイヤー合成機能を使う
まず、表情に関わるレイヤーを非表示にします。以下のレイヤーが含まれます。
目
眉毛
メイク(チーク、二重まぶた、アイシャドウなど)
鼻と口
「レイヤーフォルダー」ではなく「レイヤー」を非表示にしてください。
次に、ペイントのベースとなる新しいレイヤーコンポジションを追加し、名前を付けます。
この絵はデモ絵なので、基本的な笑顔の表情はすでに描いてあります。
そこで、関連するレイヤーを直接表示し、さらにレイヤー構成を追加します。
以下のセクションでは、私が個人的に使用している命名ルールを説明します。
【レイヤー構成】
笑顔 1+1+1
意味:表情の説明、眉毛 1、目の形 1、口の形 1。
番号の順序は好みに合わせて変更できます。
【レイヤー命名】
1 - 通常
2 - 閉じた状態
意味:番号、説明。
さらに、作業を容易にするために、よく使用する表情に関連するレイヤーフォルダを色分けして区別します。
例えば、次の表情で冷たい顔を描きたい場合、次のレイヤー構成の名前は、使用するレイヤーに応じて次のようにします。
無表情 1+1+3
実は、「無表情」の目と眉毛は「笑顔」の目と眉毛と同じなので、数字はどちらも「1+1」で始まり、3番目の数字だけが異なります。
「メイク」の部分については、普段はあまり変化がないので、レイヤー構成名には入れません。
その代わりに、メイクのレイヤー名には、表情の違いに合わせて名前を付けます。
この部分については後ほど説明します。
📰 レイヤー複製機能を使用する
表情を変える際は、新規レイヤーを追加して描き直すよりも、既存のレイヤーをコピーして少し修正する方が早く完成します!
例えば、目を細めた笑顔の表情を追加したいとします。
そのため、目の形のオプションで目を細めた形を追加する必要があります。
【🔨 方法】
1 元の(1 - 通常)目のレイヤーをコピーします。
方法は、レイヤーを「新規ドットレイヤー」アイコンにドラッグするか、レイヤーを右クリックして[レイヤーをコピー]を選択します。
2 目玉の部分を消去し、レイヤーを少し下に移動します。
必要に応じて、傾斜機能(ゆがみ)やその他の変形機能を使用してトリミングします。
★ 完成後、レイヤー名を正しい表情に変更することを忘れないでください。
3 新しい目の位置に合わせて、レイヤーをコピーしたのと同じ方法でまぶたの位置を調整します。
実際には、元のまぶたのレイヤーをコピーし、少し下に移動して、新しいレイヤーに「まぶた - 細め」という名前を付けました。
その後、この新しい表情をベースに、新しいレイヤーコンポジションを追加できます。
このようにして、素早く調整できる3つの表情が既に用意されています!
さらに、新しいレイヤーコンポジションを追加する前に、チークハイライトの位置を調整することもできます。
これは簡単なデモンストレーションなので、繰り返し部分は省略しています。
「メイク」レイヤーに番号をつけない理由は、チークなどのパーツの調整はあまり行わないからです。
また、レイヤー構成の名前に番号をつけると、レイヤー構成全体が長くなりすぎて、構成が読みにくくなってしまいます。
もちろん、これは個人の好みです。「メイク」レイヤーに別の番号をつけたい場合は、そうしても構いません。
次に表情を描く必要があり、元の表情レイヤーを全く使用しない場合は、レイヤー構成パネルで顔のパーツがない状態(つまり、最初に保存した「顔なしベース」)をクリックして元の状態に戻すことができます。
こうすることで、既存のレイヤーを非表示にする手間が省けます!
📁 必要なレイヤーを整理する
たくさんの表情を描く必要がある場合は、各レイヤーのスタイルを整理するためにテーブルを使うことを検討してください。
以下は簡単な例です。必要に応じて、No.4、No.5などのスタイルを追加できます。
📄 新しいキャラクター設定画像を追加しました
この時点で共有オブジェクトを追加する必要がある場合も、非常に簡単です。
例えば、キャラクターにヘアアクセサリーを追加したいとします。
髪のレイヤーに直接描画することもできますが、後で生気のない表情を描きたい場合、ヘアアクセサリーがだらしなくなってしまうことを考えると、別のレイヤーに描画する方がよいでしょう。
【🔨 方法】
1 レイヤー構成パネルで、「すべての構成に追加レイヤーを表示」をクリックしてオンにします。
2 ヘアアクセサリー描画用のレイヤーを追加します。
3 通常通りに描画します。
4 もう一度クリックして、「すべての構成に追加レイヤーを表示」をオフにします。
これで、すべてのレイヤー構成にヘアアクセサリーが表示されます!
新しく追加した共有オブジェクトのペイントを完了した後、「すべてのコンポジションに追加レイヤーを表示」をクリックし忘れた場合は、以下の手順に従ってすべてのレイヤーコンポジションを素早く更新することもできます。
【🔨手順】
1 (新しく追加した共有オブジェクトのペイントを完了)
2 レイヤーコンポジションパネルで、「すべてのコンポジションに追加レイヤーを表示」をクリックします。
3 対象のレイヤーを複製します。
4 もう一度クリックし、「すべてのコンポジションに追加レイヤーを表示」をオフにします。
このヘアアクセサリーのような追加の装飾を施さずに、顔のないベースだけを残したい場合は、以下の手順を参考にしてください。
1. 顔のないベースレイヤーのコンポジションを選択します。
2. ヘアアクセサリーレイヤーを非表示にします。
3. レイヤーコンポジションパネルで「オーバーレイ」をクリックします。
4. 完了!
📝 キャラクター設定画像の変更
既存の画像を簡単に修正したい場合、例えば目の色を素早く変更したい場合は、以下の方法を参考にしてください。
1. [新規トーン補正レイヤー] → [グラデーションマッチング] (最初に[OK]を押します)
2. トーン補正レイヤーを目全体のレイヤーフォルダにクリップします。
3. トーン補正レイヤーをダブルクリックします。
4. グラデーションの色を調整して完了です!
【グラデーションカラーの調整方法について】
① カラーバーの下の位置をクリックして、アンカーポイントを追加します。
② 「色を指定」をダブルクリックして、アンカーポイントの色を変更します。
③ 同じ色のアンカーポイントを2つ追加し、異なる色のアンカーポイントを近づけることでグラデーション部分を縮小し、異なる位置の色を指定できるようにします。
💡 目の各部分(アイライナー、瞳孔など)の明暗のコントラストが大きいほど、グラデーションを使って色調を調整しやすくなります。
目の色や眉毛の色などを変えることで、さまざまなキャラクターに表情をつけることができるので、表情テンプレートを作成することができ、とても便利です!
📤 出力画像
表情を描き終えたら、画像ファイルを書き出しましょう!
【🔨方法】
① 透明な背景を書き出したいのに、準備時に「紙」レイヤーを非表示にしていなかった場合は、この時に「紙」レイヤーを直接削除しても構いません。
② [ファイル] → [その他書き出し] → [レイヤー構成書き出し] を選択します。
③ 画像ファイルの保存場所や名前などを設定します。透明な背景が必要な場合は、PNG ファイルを選択する必要があります。
エクスポート設定では、ファイルサイズをさらに調整できます。
コミュニケーションアプリ用のステッカーを小さいサイズで作成する必要があり、スムーズに描画できない場合は、新規ファイル作成時に大きめのサイズに設定し、後でサイズを縮小することができます!
💡 JPGエクスポート設定では画質パラメータを調整できますが、画像を縮小する際に画質を圧縮したくない場合は、PNGファイルとしてエクスポートすることもできます。
仕上げる!
各表現の差別化が完了したら、さらにテキストをステッカーとして追加できます。
ワープロ方法については、次の公式の指導を参照してください。
結論
ご覧いただきありがとうございました!
デモ画像ではレイヤー合成を使って3つの表情を管理する方法をご紹介しましたが、実際にはより多くの差分ファイルを管理するのに非常に便利な機能です!
特に、異なる表情バージョンの一括出力は、作業時間を大幅に短縮してくれる頼もしい機能です!
さらに、上記の方法はテクスチャ作成だけでなく、キャラクターの表情設定データベースや、ゲーム内のセリフに登場するキャラクターの表情差分CGなどの作成にも応用できます!
この共有についてどう思われますか?
ぜひメッセージをお寄せください!これらの内容がお役に立てば幸いです。
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