スモールエス「CLIP STUDIO PAINT」をはじめよう!第1回

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ClipStudioOfficial

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デジタルイラストを描く『スモールエス』投稿者さんに聞く、デジタルイラストの便利さ・楽しさ

このシリーズでは、まだ本格的にパソコンなどで絵を描いていない人に向けて、デジタルイラストの便利さ、楽しさを紹介していきます。


絵を描き始めの段階は、使い慣れている紙に鉛筆で描くことが多いと思いますが、デジタルに興味を持っている人も多いことでしょう。

ただ、機械を使うとき、操作が難しいのでは…という心配もあるものです。


そこで初心者でも使いやすく、難しい機能を覚えなくても、便利に楽しく絵が描けるように、パソコン用イラストソフト「CLIP STUDIO PAINT」の基本を紹介します。

「CLIP STUDIO PAINT」は、今号の表紙を飾ったVOFANさんも使っていて、「SS」の投稿者さんやプロのイラストレーターさんもよく使っているソフト。

実際に使ってみると、アナログで難しいと思っていた作業が簡単にできるという利点もあり、知っておくと便利なことがたくさんあります。


これから数回にわたって、デジタル初心者の方にも参加してもらいながら、デジタルイラストを楽しみながら描けるコツをご紹介します!


第1回目ナビゲーター[河馬子さん&あさまねさん]

河馬子(かばこ)/CLIP STUDIO PAINTを使って作品を制作。ソーシャルゲームや「季刊エス」「娘TYPE」などにも登場。

https://twitter.com/petty_lily_xxx
https://www.pixiv.net/member.php?id=5514401

あさまね/普段は水彩やコピックでカラーを描き、モノクロはつけペンも使う中学生。 デジタルはスマホでibisPAINTは使ったことがある。



デジタルイラストは始めたばかりというあさまねさんと、CLIP STUDIO PAINTをつかって、イラストの仕事をされている河馬子さんの二人がナビゲーター。


実際に、はじめてCLIP STUDIO PAINTをつかうあさまねさんの作業を見ながら、使い始めで気付くポイントに注目します。

そして難しい点をサポートしてくれるのは河馬子さん。

河馬子さんはデジタルイラストの描き方をアドバイスしてくれると同時に、普段通りの自分の描き方も披露してくれます。


二人のメイキングを見ながら、CLIP STUDIO PAINTを学んでいきましょう。


「CLIP STUDIO PAINT」ってどんなことができるの?

こちらがCLIP STUDIO PAINTを表示した画面です。ラフからペン入れ、彩色、色変更、仕上げの加工まで、すべてこの中でできる幅広い機能が魅力です。


まずは使ってみましょう

①あさまねさんはCLIP STUDIO PAINTをはじめて使うので、まずは描き慣れたアナログ線画に少しだけ線を加えたり、不要な線を消すところからスタート。

②右足の足先が紙の中に入らなかったので、描き足す。ブラシのサイズをアナログの線画の太さと合わせて引けば、自然な仕上りに。

③髪の長さをアナログ原画よりも長くした。


河馬子/長い線を引くときは、思い切りシュッとペンを動かすと綺麗に引けます。



■つながってない線を描き足そう


線画が出来たらパーツごとにベタ塗りする。このときに、線がつながっていないと、色がはみ出してしまう。赤線で示したように線を描き足せばOK。

【POINT:アナログで描いた線画もパソコン上で修正できる】

あさまねさんは、アナログの線画で足先を描いてなかったのですが、CLIP STUDIO PAINT上で線画を描き足せます。色と太さを合わせるのも難しくないので、スムーズに線画の修正ができます。


河馬子さんの描き方を見てみましょう

河馬子さんは、最初の段階からCLIP STUDIO PAINTを使います。大まかなイメージラフ、それをつめたラフ、線画の清書と、塗りに至る前もCLIP STUDIO PAINTで仕上げるのです。


①大ラフを青で表示させて下絵を作っていきます。

②大きな丸が頭のサイズ。その内側に顔の輪郭を描きます。

③目を描きます。消しても紙を傷めないデジタルだと、何度も描き直せます。

④前髪を描き入れます。目の周りから描き進められています。


⑤そのまま左右の髪を描きます。つむじの位置から流れを描いています。

⑥獣耳を描きます。頭の弧のラインに沿って左右対象に配しています。

⑦口を描きます。キュッと小さめのサイズで可愛らしい印象。

⑧身体を描いていきます。脚は形を探りつつ、ラフに線を引きます。


⑨袖口を描きます。青にしたラフが見えているので形を取りやすいです。

⑩指を重ねた手を描きます。大事なポイントはラフでも細かめに。

⑪髪飾りのリボンとプリーツスカートのラインを描き入れました。

⑫しっぽとクッション、ハートマークを足して、下絵ができました。


【POINT:絵を描き進めるとき、レイヤー別に描いていけば変更・修正がしやすい】

河馬子さんは、線画を描くときも、少しずつレイヤーを分けながら描いています。

例えば髪を描く場合も、「前髪」「頭頂部」「下に垂れる長い箇所」などをそれぞれ違うレイヤーに描いているのです。


この場合、たとえば前髪はそのままで、横の長さは「首元くらいでウェーブ」、あるいは「まっすぐのロング」という2パターンも別レイヤーで描けば、両方を見比べながら、選ぶことも出来ます。


ショートカットからロングヘアーに変更したいと思った場合も、髪を全て描き直す必要はなく、該当するレイヤーだけ使わないようにすればいいだけ。

迷ったときの変更もしやすく、修正もおこないやすいのです。


▼このように、ラフ線画の工程でも、いくつものレイヤーに分けて描いてあります。

河馬子さんはレイヤー名を書き換えていませんが、それぞれのレイヤーには名前を付けられます。

自分が何の作業をしているのかを確認出来るので便利な機能です。

なお、レイヤー数の上限が少ないデジタルソフトもありますが、CLIP STUDIO PAINTは、非常にたくさんのレイヤーを作れます。


下絵をペン入れする

①線画のレイヤーを選んで、「レイヤーカラー」項目を表示し、水色の四角アイコンを押すと、黒で描いていた線画が水色に変わります。

②水色の下絵を敷いてペン入れ。清書は線の強弱が細かいです。

③水色で下絵を敷くと、黒いペン入れの線が混ざらず見やすい。

④下絵をうまくガイドにして、線画のペン入れが完成しました。


【POINT:描いたラフ線画の色を一気に変えられる!】

アナログでラフ線画を清書したい場合は、トレーサーで透かしてトレスするなどの方法が必要です。ただ、なかなかトレーサーも高価なもの…。


CLIP STUDIO PAINTでは、ラフ線画の色を水色などに変更できるので、その上から清書の線を引くことができます。

水色の線をガイドにすると、線の色が違うため、くっきり見分けることができて便利。

水色にした線画の色の濃度も変えられるので、薄くして清書の線を入れることも可能です。


あさまねさんが、まずは人物の肌を塗ってみます

①河馬子/パーツごとにレイヤーを作って、それぞれの下地を塗ります。今回は7つ。塗りつぶしツールでベタ塗りします。


②河馬子/カゲをつけていきます。手間ですがパーツごとに色分けしたのは、はみ出さずに塗るためなので、活かされます。


【POINT:はみ出さずに塗ることができる!】

河馬子さんも使用している、レイヤー機能「透明ピクセルをロック」。

クリックするだけなので、難しい設定などは不要です。

▲[透明ピクセルをロック]することで、すでに色を塗っている部分からはみ出さずに塗れるようになります。


③あさまね/立体感を出したいと思って、胸の形に沿って「エアブラシ」でカゲを入れてみました。でも難しいです…。

※画材を変えるようにブラシを変更しました。[エアブラシ]ツールの[柔らか]を使用しています。柔らかい輪郭の塗りになります!

④河馬子/立体感を際立たせるために、パキッとさせる場所も作ってみましょう。まず、ふわっと薄い影の色を広めに置きます。はみでてもOKです。次に、影以外を消しゴムで削ります。

⑤あさまね/挑戦してみます…。胸の立体に沿って色を削るのも難しいですが、先程よりは良い感じがします。

※[筆]→[水彩]→[濃い水彩]に変更して、うっすら塗りました。


⑥あさまね/塗っていて違和感があったので、線画のレイヤーから胸の下の主線を消しました。塗りだけにした方が、立体的に見えるなと思いました。簡単に消す事ができました。

⑦河馬子/お腹のラインで個人的に好きなのは、へその立体感です。タテにスッを引くとくぼみが綺麗に出ます。また、リボンのカゲをクッキリさせると、塗りにメリハリがつきますね。

⑧あさまね/お尻のキワは少し明るく塗りました。立体的な絵はキワが光っているので。あと、ツルッとさせたかったので、真ん中に白でスッと線を引きました。とても綺麗に塗れました!


⑨河馬子/私は、頬はやわらかい「エアブラシ」、カゲは適度に塗りの形が残る「濃い水彩」を使っています。また、線画の色も変えられるので、部分的に変えて立体感を出したり、特徴づけられます。

あさまね/教えていただいた「濃い水彩」で塗った首のカゲは、綺麗に塗れたような気がします。



■あさまねさんの肌の塗り


あさまねさんは、約4時間ほどで、肌の半分くらいまで塗り進めました。

塗っていく中で、慣れるまで意識しなくてはならないと感じたのは、レイヤー作りです。


アナログは1枚の中で線も塗りも完結させるので、レイヤーの考え方がありません。どこで新規レイヤーを作るかは新しく学ぶ点です。

今回は、手前の手と体が別のレイヤーでした。これにより、色がお互いにはみ出さず、思い切り塗ることが出来るのです。


あさまね/知らないことばかりで新鮮でした。ずっと塗れるくらい、楽しかったです。


あさまねさんの線画を、河馬子さんが塗ってみました

①あさまねさんは、やわらかく濃淡を入れましたが、河馬子さんはパキッとしたカゲを大きく入れました。

②頬にオレンジを入れてからピンクを入れると、肌の透明感が出るとのこと。可愛らしい雰囲気になりました。

③紫系の髪色とのバランスを見てカゲを紫に。デジタルの場合、使用色と同じ色を選べて、薄くも出来るので、便利です。


④前髪の毛先を一段明るくします。肌色のグラデを使うと、透明感が出ます。デジタルならではの発光感。前髪に軽さも出ます。

⑤髪のカゲも大胆につけました。デザイン的にパキッとシャープに濃い色を入れて、画面にメリハリを出しています。

⑥前髪にカゲを加えました。毛束ごとに凹凸をつけます。肌色を前髪に入れているので、毛先が明るく、肌馴染みも良いです。


最後に、河馬子さんの線画の肌の彩色を見てみましょう

①河馬子/肌は色を重ねるので下地の色は 「少し薄いな」と思うくらいで良いです。前髪にもふわっと肌色を乗せます。

②前髪のカゲを入れる。濃い色でラフに塗ってもデジタルは綺麗に上塗りが出来ます。後で髪を塗るときに馴染みます。

③頬にピンクを重ねると透明感が増します。下の色が透ける「乗算モード」で斜線のタッチをつけて、肌と馴染ませます。


④指はカゲと塗りで立体感をつけます。拳の凹凸はシュッとした塗りで表現。指先のカゲはパキッとさせた。

⑤重なった指はカゲをつけることで、前後関係が分かりやすくなり、立体感が出ます。手前の指先に濃いカゲを入れました。

⑥奥の手のひらに一番濃いカゲを紫色で入れます。カゲ色とベース色のメリハリがあると、色白な肌もより明るく見えます。



■河馬子さんの肌の塗りの完成


河馬子さんは、顔周りは透明感のある、ふわっとした自然な赤みで塗っています。

一方で首の下やスカート、前髪などのカゲ色は濃いめにパキッと塗っていました。

前髪に肌色を入れたのは印象深いですが、次回の髪の塗りで細かく解説していただきます。


次回は髪と服の塗りを紹介します! お楽しみに!


SS スモールエスとは

2005年に創刊されたイラスト雑誌。「メイキング&投稿マガジン」というキャッチコピーの通り、イラストの描き方の取材記事と、投稿イラストの掲載によって誌面がつくられている。デジタルとアナログの両方のイラストが楽しめる内容。Webから作品が投稿できる。

https://www.s-ss-s.com/

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