11.クオリティを上げる

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[1]ディテールを足す1(色のライン)

だいたい完成と言いましたが、もう少し時間をいただけたので、ディテールを足してクオリティを上げていきます。

合成モード[乗算]のレイヤーを作って建物に軽く色を入れ、そこにラインを入れたりしてディテールにしていきます。

 

全体的に入れます。

 

あまりキッチリやる必要もないですが、遠くになるほど色を少しずつ薄くしてあります。

さほど違いは出ませんが…。

 

[2]ディテールを足す2(文字)

文字を入れます。

フォントには小塚明朝を使用していますが、フォントはそれぞれ使用許諾が決まっているので、よく調べて商用利用可な条件を満たしていることを確認しておきます。

「祭嵐」(MATURI-ARASI、又は、SAI-RAN、どっちでもよい)という造語を入れてみました。

 

[テキスト]ツールで文字を入力後に、レイヤーを右クリックして表示されるメニューから[ラスタライズ]を選択して、テキストレイヤーをラスタライズ(ラスターレイヤーに変換)します。

 

その後、[編集]メニュー→[変形]→[自由変形]などで建物の面やパースに合った形に調整しました。

 

活動的で旺然たる人々が都市を造り上げ、そして暮らしているというイメージを表現するつもりで作った単語ですが、嵐のように炎上する祭りが大好きな日本人のことをポジティブに皮肉っているようにもみえるあたり、この2字の組み合わせが醸しだすニュアンスはけっこう気に入っています。

日本語を使うと日本人の建物であることが一発で印象付けられます。

 

[3]ディテールを足す3(ドラゴンの模様)

ドラゴンの表皮に模様を入れます。

 

ほんの少しだけ皮膚の色を濃くしました。

 

[4]ディテールを足す4(飛行機のライン)

特に追加する必要も感じなかったのですが、街にもドラゴンにも追加したので、飛行機にも色のラインを追加することにしました。

といっても羽に2ラインを入れただけですが…。

 

これで本当に完成です。

最後の最後に微妙なことをするのもイラストならではで感慨深いですね。

最後まで見ていただいてありがとうございます。

 

 

 

ここまで見ていただけたところで、ちゃぶ台をひっくり返すのもなんですが、最後に、ツールの使い方を含め、技術を得ることに対しての考え方、という点から少し語らせていただきます。

 

おおよそ絵に関わらず、すべてに対して言えることですが、描きたいものもないのに技術を得ようとしても無駄です。

描きたいものがあって、その描きたいものの中に描きたくないものがあって、それを描き続けていくことで技術は自然と身につくのです。

 

それでも、願わくば、技術があれば上手い絵が描けるだなんてくだらない幻想を賞賛するより、絵に込めていく考えや伝えたい想いの方に目を向けて欲しいです。

どんな絵描きだろうと、技術の為に絵を描いている訳ではないはずです。

描きたい物に対して、より多くの考え方をとらえ、考察し、押し広げて、自分の「考え方」のレベルを上げることの方がはるかに重要です。

 

その土台に立って初めて、伝えるために、表現するために、技術が必要なのです。

その為の継続と努力は必ず実を結びます。

 

ただし、考え方を知らないまま行う努力は徒労に終わります。

なので、SFや背景や建物が好きで、そこに広がる世界を自分の中に持っていて、それを描いたのにうまくいかないときにこそ、このページを見にきてください。

きっと文章では語れない部分が目に映るでしょう。

それ以外の絵が描きたい方は…、それを成している方をぜひ参考にしてください。

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