簡易スケールとパース定規から描く階段と空間
画像素材化した簡易スケールと、パース定規で簡単に階段を描き、階段の周囲の空間までを描いていきます。
まずは練習。
身長160センチ位の女の子が、現在立っている場所から降りるための階段を描いていきます。
目測で降りたい段差は訳90センチメール。一般的な日本の家屋の階段は、一段の高さが20−22cmですので、大体四段あればちょうど良さそうです。
※通常4段程度の階段ならば対角線を使った分割で描いても早そうですが、ここでは便宜上簡単な作図から行っていきます。
①階段を書くための簡易スケールを作ります。新規レイヤーにグリッド表示し、グリッドにスナップして4分割された直線を描きます。等間隔でさえあれば、目盛りの大きさは適当で大丈夫です。描いた目盛りをレイヤーの変換→画像素材レイヤーで素材化します。
素材化した目盛りは、自由に大きさを変えて、画面上の好きな位置に配置出来ます。
②階段を描きたい画面に合わせてパース定規を作ります。今回は二点透視です。
階段を降りさせたい人物の立っている場所から、ざっくり描く階段が収まるだけの箱を描きます。大体目測で大丈夫です。
③一旦パース定規のスナップを切り、描いたボックスの側面に、直線ツールで対角線を描きます。
④①で作ったスケールの大きさを合わせて、図の位置に合わせます。(わかりやすくレイヤーカラーを赤に変更しています)
⑤再びパース定規にスナップ。スケールを目安に箱の側面に線を引きます。
⑥また一旦パース定規のスナップを切って、反対側の側面にも対角線を引きます。
パース定規にスナップして、先に分割した面の、対角線と分割線の各交点から、反対側の対角線まで線を引きます。
一旦線を整理。
言葉で説明するとなんだかややこしいですが、こういう等高線の入った坂道が出来ていたら、ここまで成功。
⑦後はスロープの線を参考に、パース定規でザクザク段差を描いていきます。ベクターレイヤーと、交点まで消しゴムを利用すればこの段階は早いです。
余計な線消せば自然な階段の出来上がり。同じ手法で一点透視の階段も描くことができます。
一連の手順に慣れて仕舞えば、任意の段数の階段を描くのはとても簡単になると思います。ここではとりあえず四段の階段を描きましたが、スケールを作って仕舞えば好きな段数の階段を描くことができるので、分割で割り出すにはやや面倒な、大階段や、途中で向きの変わる階段などにも応用できます。
一点透視、二点透視の空間内の階段ならば、ほぼ自由に描けます。人物から直感的に必要な階段を描くのに向いた方法なので、段数を変えたり、等身長の人物を空間内に配置してみたり、練習してみてください。
先程描いた、階段を降りようとしているメイドさんから、同じパース定規を使用して、周辺の空間を含めたラフを描いてみました。空間の感覚が掴めてくると、この位までザクザクと描けるようになって来ます。
応用篇で、少し複雑な空間を考えてみます。
空間内の人物の身長は訳160センチ、2階の床面までは約3メートル、と設定してみます。階段の一段が20センチメートルとして、2階まで登るのには十五段必要ですので、15分割されたスケールを作り、画像素材にします。
画面に配置し、パース定規を作ってアタリを取っていきます。部屋の壁に沿って、踊り場で一旦向きを変える階段のある空間です。
アタリを参考にしつつ、パース定規でざくざくと描いた、図書館の一角、のラフです。
スケールを作ってから、慣れてくるとこの位まで1時間弱位でしょうか。
人物に対して程よい階段が描けると『出来た!』感もあり、背景を描くのがぐっと楽しくなってくると思います。頑張ろう!
↑人物から適切なパース定規を設定する方法はこちらにまとめましたので併せて参考にしてください。
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