トーン
選択範囲
選択範囲とトーンは密接な関係
トーンを貼るときに選択範囲は必須と言っても過言ではありません。選択範囲の作り方を把握してください
クイックマスク
線画に合わせてトーンを貼るときはクイックマスクを利用するとあらかじめトーンを貼る領域を確認できてとても便利です。
[選択範囲]メニューから[クイックマスク]を選びます。レイヤーパレットに[レイヤーマスク]が表示されます
メニュー[塗りつぶし]→[他レイヤーを参照]で必要な部分を塗りつぶします。塗られた部分は赤で表示されます
線が途切れているような場合はペンツールで線を補完します。消しゴムなども利用できます
[POINT]クイックマスクレイヤー上の色は[レイヤーカラー]をクリックして変更可能です
[選択範囲]メニュー→[クイックマスク]をもう一度実行すると、赤く塗られていた箇所が選択範囲化できます
アンチエイリアス線画の塗りつぶし
アンチエリアスのかかった線画で描いている場合は線画の周囲に塗り残しが発生してしまう場合があります
[ツールプロパティ]の[領域拡縮]で数値を+に、[拡張方法]は[最も濃いピクセルまで拡張]に設定します
わずかに塗りつぶす領域を拡げて、塗り残し部分が解消されます
[POINT]
[塗りつぶし]ツールの[隙間閉じ]オプションをONしておくと線と線のわずかな隙間を無視して塗りつぶしを行います。「わずかな隙間」で利用するものなので大きな隙間では使えません。お守り程度の気持ちで使ってください
クイックマスクを選択範囲化
トーンを貼りたい領域を塗りつぶしたら、最後にメニュー[選択範囲]→[クイックマスク]を再度実行して…
選択範囲化されます。次のトーンを貼る手続きに進みます
再度[クイックマスク]を実行すると選択範囲部分は赤く塗りつぶした状態に戻ります
トーン
クリスタのトーン
クリスタ上で描画されている画像はすべてレイヤープロパティで[トーン]をONにすると網点化(スクリー ニング)されトーンとして扱えます。写真はもちろん、自分で水彩ブラシなどで描画したものもそのまま トーン化できます
[POINT]
クリスタのトーンはどのような画像やレイヤーであっても[レイヤープロパティ]の[効果]-[トーン]で設定しています
トーンレイヤーを作ってトーンを貼る(簡易トーン設定)
選択範囲を作成したときに表示される選択範囲ランチャーかの[新規トーン]ボタンをクリックします
メニュー[レイヤー]->[新規レイヤー]->[トーン]を実行しても同様です
表示された[簡易トーン設定]ダイアログで
線数(トーンの60線65線といった網の細かさ)
- 濃度(5%10%15%20%といったグレーの濃さ)
種類(網点トーンなら[円],万線トーンなら[線],砂目ノイズトーンの場合は[ノイズ])
角度(特に意図がない限り45度が一般的と言われています)
サイズ(ノイズトーンの場合、ノイズの大きさを設定)
係数(ノイズトーンの場合、ノイズの長さを設定)
[POINT]
[同じ設定のトーンがあるときはこの一つにまとめる]ONでは同じ設定のトーンが1枚にまとめられます
素材パレットからトーンを貼る
素材パレットの素材をレイヤーリスト上にドラッグ&ドロップして素材を貼り付けます
素材がトーン対応であればそのままトーンとして利用できます。網点化されない場合はレイヤープロパティで[トーン]をONにしてトーン化します
トーンの加工
トーンレイヤーの確認
簡易トーン設定で[OK]をクリックすると[トーン]がONに設定された「べた塗り」レイヤーが作成されます
レイヤーリスト上のアイコンの役割は以下の通り
①ベタ塗りレイヤーアイコン
②レイヤーマスク
③トーン線数と濃度
…が表示されています
トーン削り/塗り足し
[ベタ塗り]レイヤーをトーン化している場合、トーン削り/塗り足しは[レイヤーマスク]を選択した状態で行います
- トーン削り
→消しゴムツールやブラシツールなどのカラーを[透明]にして描画
- トーンを貼り足し
[カラー]を[黒]に設定してブラシツールで描画
トーンぼかし削り(アナログ風)
[デコレーション]のサブツール[カケアミ・砂目]→[カケアミ(トーン削り用)]や[砂目(トーン削り用]がぼかし削りの表現で利用できます
トーンの濃度が濃すぎる(40%以上)とブラシの形が目立つので注意が必要です
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=2000177
より自然にぼかし削りできるツールがASSETSなどで公開されています
トーンぼかし削り(デジタル風)
[消しゴム]の[軟らかめ]サブツールで滑らかにトーンを削る方法を紹介します
[レイヤープロパティ]で以下の設定を済ませておきます
効果範囲[マスクした画像]を選択
マスクの表現[階調]を[あり]に
トーンのグラデーションが不透明度ではなく、ドットの大きさで滑らかに変化している様子が確認できます。モノクロ漫画原稿の場合は[効果範囲]-[マスクした画像]の設定にしておくと印刷時のトラブルを避けやすくなります
網トーンのずらし貼り
同じ線数のトーンを2枚重ねてドットをずらす「ずらし貼り」は[レイヤー移動]-[トーン柄移動]サブツールを利用します
キャンバス上でドラッグすると網点の位置のみ移動します。トーンの領域(レイヤーマスク)の位置は変わりません
[POINT]
[トーン柄移動]のサブツールは[レイヤー移動]ツールのツールプロパティで[移動対象]を[トーンの網点]の設定しているものです
トーンの設定一覧
グラデツールでふんわり消したい
マスクそのものに階調を持たせると、グラデーションを表現しやすくなります
→[マスクの表現]-[階調]→[あり] に設定してマスクの階調を有効にします
トーンの濃さを%で指定したい
「60線10%」のように濃度を%指定したい場合
->[濃度]-[指定の濃度を使用]→数値%で設定 (べた塗りレイヤー)
[レイヤーの不透明度]をトーンに反映したい
例えば真っ黒に塗ったレイヤー不透明度を10%や20%に設定して、トーン化することも可能です
->[レイヤー不透明度を反映]をONに設定
トーンの作成例
トーンレイヤー(ベタ塗りレイヤー)の特徴
- メリット
[簡易トーン設定] で作るトーン(グラデーション)レイヤーはトーンごとに設定を調整できるので陰影の様子や濃度の変更が容易です
- デメリット
トーンの種類分だけレイヤーも増えるので管理や設定が煩雑になります
グレースケールレイヤー の特徴
- メリット
[ラスターレイヤー(表現色[グレー])上に描画ツールで描画するため。より複雑な陰影の表現が可能です。グラデーションのパターンが増えても1枚のレイヤー上で表現できます
- デメリット
トーンの種類ごとに個別の設定はできないので、修正/変更が煩雑になります
[POINT]
複数のレイヤー上で合成モードを利用した効果などを用いる場合は、レイヤーをまとめたフォルダーを選択した状態で[レイヤープロパティ]→[効果]→[トーン]効果をONに設定します
効果例(夜の描画)
全体的にトーンが暗い表現を行う場合、構図全体に1種類のグラデーションを使ってより単純化すると”暗さ”の雰囲気が出しやすくなります
この作例では左側の窓に暗いアクセントと、右側の窓から差し込んだ月明かりをトーンを削除して表現しています
規則的に並んだ窓の形状は[整列]機能を使うと便利です
差し込んだ光が床を照らし、平面的な窓の形を[自由変形]でパースをつけています
塗り残し用ショートカットの例
塗り残しに素早く対応する
[塗りつぶし]ツールを選択した状態で[ファイル(またはCLIP STUDIO)]メニューから[修飾キー設定]→[Cmd/ctrl]の内容を変更してみましょう
塗りつぶしツールを素早く切り替えて細かな塗り残し部分を素早く塗りつぶせるように設定します
塗りのこし部分に塗る
→[ツールを一時変更]-[塗りのこし部分に塗る]
モノクロ線画なら[塗りのこし部分に塗る]の方が効率的です。アンチエイリアスONの線画では塗り残し部分を充分に塗り切れない場合があります
投げなわ塗り
→[ツールを一時変更]-投げ縄塗りサブツール
アンチエイリアスONの線画にも対応しやすいツールです
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