アナログとデジタルを行ったり来たりして最終的に紙っぽくイラストを仕上げる

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エキストリーム納豆

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アナログとデジタルのいいとこどりを可能な限り行い、

最終的にはデジタルイラストなのに紙っぽい質感で仕上げるという

そんなやり方を本TIPSでは解説していきます。

手順① いきなりデジタル

なんだか最初の一手からアナログからデジタル化というマンスリーテーマとは矛盾しているかのように見えますが、私のTIPSでは可能な限りアナログとデジタルのいいとこどりを裏テーマとしています。

破綻せずにラフを書くのにはいちいちライトボックス(トレース台)の上で紙をめくらなくてもボタン一発で左右反転できるデジタルの方が便利なんです。

というわけで。

画面上にコピー用紙を置いてあたりを取っていきます。

私の場合は液タブですが、スマホやタブレットPCでも可能です。

ただ光量を強くできるデバイスが適してるのと、画面に傷がつかないように透明なタイプの下敷きなんかは欲しい所です。

 

なお当然ながらこの手順①はすっとばして、普通にノートやメモ帳などに気軽に落書きしたのでも問題ありません。

手順② あたりをとった紙にシャーペン・鉛筆などで描く

ここで書いた線はデジタルに取り込んだ際に思った以上に薄くなるので、それを見越して太く強い実線を心掛けましょう。

それでも薄くなりますので。

手順③ スキャンまたは写真撮影でデバイスに取り込む

私の場合はスキャナがあるので使っていますが、スマホで撮影とかでも問題ないです。

むしろ紙の質感が欲しいので、写真撮影の方が都合がいいです。

スキャナで文書を読み取るモード等だと紙の質感を消してしまいますので。

 

撮影によるゆがみを補正するプラグインはEXなら無料で提供されているものが使用可能なので、EXユーザーで写真の場合は使うとよいでしょう。

 

あとスキャナの場合は意外と原稿台に髪の毛とかゴミとかが挟まってるのにスキャンするまで気づかないので、まず最初に布巾などで拭くとよいです。

私と同じ轍は踏まないように。

手順④ スキャンした線画をクリスタで編集

まずスキャンした画像を複製します。

片方は線画用、片方は質感用です。

 

まず質感用は放っておきまして線画用。

「明るさ・コントラスト」の色調補正にてコントラストを上げつつわずかに明るさを下げますと、線画が濃く紙部分が白くなります。

 

そこで「輝度を透明度に変換」。

この状態で「境界効果/フチ」を白以外の色でオンにしますと

このように消すべきゴミがよく見えるようになります。

ここでは赤で行っています。

 

この手法は通常のデジタルイラスト制作でも便利なので覚えておきましょう。

 

ここで出来上がった線画がまだ薄い、という場合は

出来上がった線画レイヤーを複製、のち2枚になった線画レイヤーを結合すれば倍の濃さになります。

手順⑤ 普通にデジタルイラストを作る

線画からお好きな手法、やり方でデジタルイラストを塗っていきます。

これはいつもあなたが行っている塗りで構いません。

 

ただし、ここでは可能な限り線画自体に修正の手を入れるのは控えましょう。

理由は後述。

 

私の場合は自作のオートアクションで、アセットにも公開している

厚塗りっぽい作業用フォルダセット

を活用しています。

厚塗りじゃない方法にも使えると思います。

手順⑥ 質感レイヤー

さて、ここでクリスタ上で最初に複製して放っておいた質感用のレイヤーの出番です。

この質感レイヤーをそのまま乗算モードにして一番上に置いても紙っぽくはなりますが、これだと黒なので色がくすみすぎて汚い印象になります。

 

というわけでまずは

線画レイヤーから選択範囲を作り、その選択範囲で質感レイヤーに消去を適用。

こういう感じになります。

 

そしてこの状態でコントラストを強めます。

線画抽出の時とは違い、紙の質感がより目立つよう暗めに調整します。

記事の画像上ではわかりにくいかもしれませんが。

そして出来上がった質感レイヤーの「輝度を透明度に変換」。

一旦非表示にします。

 

そこで、質感以外の仕上がりに出るレイヤーを全部表示した状態で「表示レイヤーのコピーを結合」。

出来上がったレイヤーをこのように「色調補正→レベル補正」。

ガウスぼかしをかけ、質感レイヤーの上に置き「下のレイヤーでクリッピング」を行うとこのようになります。

色トレスをされた、くすんでいない質感レイヤーです。

これを合成モード:通常ですでにある絵の上に表示しますと完成です。

完成

以上の手順で完成したイラストがこちら。

環境によってはサムネでは分かりにくいかもしれませんが、クリックすれば強く紙の質感が感じられることと思われます。

 

いかがでしたでしょうか。

紙でもありデジタルでもある、そんな不思議な仕上がりの一枚になったのではないでしょうか。

 

さて今回のやり方、一つ大きな注意点がありまして

デジタルイラストはこのように変形ツールでの修正が非常に便利なわけですが、

この記事でのやり方だとあまり適していません。

 

というのも変形ツールを活用した修正は消しゴムや強引な加筆がセットなので

質感レイヤー分離前だと紙の質感が潰れてしまうし、

分離後だとやればやるほど統一感が出にくくなっていくんですよね。

 

だから今回最初のラフはデジタルだったんです。この時点で後々大幅な修正が要らなくなる程度には形を決めたかったので。

 

というわけで興味が湧いた方、ぜひお試しあれ。

おまけ 加算のような発光エフェクトとの相性は?

このような感じになりますね。

面白い効果は得られるのではないでしょうか。

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