3Dモデルを活用して時短 & 難しい構図でキャラクターを描く
はじめに
普段はPCでEX版を使っているのですが、タブレットでCLIP STUDIO PAINT PROを触ってみてPC版との違いやEX版との違いが結構あるなと感じたので、今回はガッツリ制作する人も気楽にに制作する人も参考にできるようにiPad Air(第6世代)とCLIP STUDIO PAINT PROを使った解説をしていきます。
CLIP STUDIOを使うからには、便利な機能を活用したいと思う方向けの解説です。
「こんなポーズを描きたいけど、一から描くのは難しい」とか「締め切りが迫っていて少しでも時短作業がしたい」という方におすすめの機能を紹介します。デジタルでの作画を始めたばかりの方やCLIP STUDIOを導入したばかりの方の参考になれば嬉しいです。
とりあえず触ってみる
基本の操作
素材ウィンドウから3Dのポーズ人形をドラッグ&ドロップします。目印はフォルダのようなアイコンです。
素材ウィンドウが表示されていない場合は、メニューバーの「ウィンドウ」から「素材」を選んで表示できます。
モデルの性別や体型を変えたい場合は、ツールプロパティ(この画像では画面左)やサブツール詳細パレット(ツールプロパティの右下にあるスパナマーク、または下部バーの一番右)から変更できます。
こちらも表示されていない場合は、「ウィンドウ」メニューから表示させることができます。
ポーズをつける
3D人形をタップすると、青い球とカラフルな線が表示されます。
青い球をドラッグして大まかにポーズを付けた後、カラフルな線をなぞる様に角度を微調整すると、より簡単にポーズを設定できます。
更に簡単にポーズをつける
もっと楽にポーズを付けたい場合、ASSETSでダウンロードしたポーズ素材や元から入っているポーズ素材を3Dモデルに向けてドラッグ&ドロップする方法と、3Dモデルを操作する時に出てくるバーからポーズを設定する方法もあります。
印をつけたアイコンの左側をタップすると、ダウンロードしたASSETSのポーズ素材の選択を簡単にできます。
右側の三角形を上下に重ねたようなアイコンをタップすると、様々な方法でポーズを読み込むことができます。
POSEMANIACSの使用
上記より3Dポーズ(POSEMANIACS)を選択し、POSEMANIACSのサイトに飛びます。
ポーズのテーマごとに検索できるので「キャラクター絵を描きたいけどポーズやテーマが決まらない!」という時にも便利です。
好きなポーズを選択し、左下にあるCLIPSTUDIOのアイコン(開く)をタップします。
もう一度同じマークが出てくるのでそれを選択し、CLIP STUDIOに戻ると3Dモデルに適用されます。
POSEMANIACSでモデルのカメラワークなどを動かすと、その変更も適用されてしまうため、タブレットのCLIP STUDIOでPOSEMANIACSを使用する場合は、先にPOSEMANIACSでポーズ選択を行い、その後CLIP STUDIOで微調整すると使いやすくなります。
たくさん並べてこんな遊びもできます
スキャナー(カメラ・画像データ)の使用
フォトライブラリーと画像には主に画像の保存場所で選択が異なるだけで大きな違いはありません。
自分でざっくりシルエットを描いて読み込んだ場合でも、多少は3Dモデルに反映されます。
カメラを使用する場合、いつも通りに写真を撮ると、その写真がそのまま3Dモデルに反映されます。
ハンドスキャナーはリアルタイムで3Dモデルに反映されるため、手のポーズを確認しながら「OK」を押してください。前面カメラは内カメラ、背面カメラは外カメラとなっています。
操作がしづらい場合は、「左右反転」を選ぶと使いやすくなります。
実際に絵の下描きとして使ってみる
それでは「とりあえず触ってみる」の応用として、本題の「3Dモデルを活用して時短&難しい構図でキャラクターを描く」を始めましょう。
ラフでイメージを固める
ざっくりラフを描きます。
3Dモデルを下描きに使うので細かく描き込なくても、後で見た時にどういうものが描きたいのかが分かればOKです!
私の場合は絵だけではなくメモも加えています。
ラフを参考にポーズをつける
今回は「ポーズをつける」の方法で自分で調整しました。
カメラのパースとマンガパースの数値をいじり、奥行きを強調した構図にしてみました。
3Dモデルをぐるぐる回すだけで好みの構図を探せるので気軽に構図を変えていきましょう!
このままだと自分の線が見えにくいので、レイヤーウィンドウからレイヤーカラーを変更します。色を選択して変更してください。
デフォルトのカラーでは見えにくい場合、アイコンの右側にある上下の矢印のようなマークを選ぶと好きな色に変更できます。くすみカラーにすると、線が見えやすくなります。
あとは描くだけ
ここまでやってしまえば、下描きはほとんど終わりです。
下の画像では追加のラフも描いていますが、漫画のモブを描く時などはいきなり線画に進むことの方が多いです。
調整→ラフ加筆→仕上げとなっています。
そのまま全部なぞると違和感が出るので、自分の絵柄に合わせて肩幅を調整したり、パースが強すぎて体が大きくなりすぎてしまった部分を削ったりする調整と、ラフなしでは難しいと感じた装飾等の箇所はラフを描きます。
陰影をつけると一気に引き締まりますが、陰影をあまりつけない場合は、線を描くときに体を少し細めにすると良いかもしれません。
まとめ
3Dモデルの活用は違和感が出る部分の修正は必要ですが、見えない場所やパースのアタリを描かなくて済み、かなりの時間短縮ができるので是非ご活用して頂きたい機能です。
EX版では更にできることが増えてくるので機会があれば中級者向けにも記事を書けたら良いなと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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