パースの違和感を取り除く方法1
こちらはパースの違和感を取り除く方法で、背景の直接的な描き方講座ではありません。
キャラがパースや背景に乗ってない気がするというときの確認方法です。
この知識があれば、もともとある背景や3D背景に対し、バストアップやミドルサイズのキャラを置くのがベストなのか割り出しもできるようになります。
一点透視と、クリスタのパース定規の使い方を知っている前提で書いております。一点透視はいろんな方が解説しておりますのでそちらをご覧ください。パース定規の使い方はクリスタのマニュアル等をご覧ください。
①どういう構図にしたいかさらっと書き出す
こういう構図にしたいなというふわっとしたものでいいです。今回はマンションの廊下を描こうと思い描きました。
これがおかしな構図なのか確かめます。
②アイレベルを引く
廊下からパース定規を使い、アイレベルと消失点を導き出し床の高さとアイレベルから壁際に立ったキャラを置いてみます。
アイレベルには床が平らならキャラの同じ個所がきます。今回の場合は首です。
③頭の高さからドアの前のキャラの高さを導き出す
床の線と奥の壁の床の線の境目から、左壁の境目を引きます(赤の縦線)。
そこへ奥のキャラの頭から真横に線を引き、奥の左の壁の境目からパース定規で頭の高さを導きだします(紫の線)。
キャラの身長が170㎝。ドアの高さを200㎝としたらドアが極端に高いのが分かります。
(寸法はお好みで調整してください)
④ドアを調整
ドアを調整するとこうなります。
今回マンションの廊下を描こうと思ったのですが、廊下がかなり広く、天井も高いと感じたので狭めたいと思います。
⑤全体調整
まずは廊下を狭めます(暗い緑の線)
①左のドアの高さをパースで奥の壁まで引き、奥の壁にドアがあった場合の高さを描きます。「③頭の高さからドアの前のキャラの高さを導き出す」でやったことの逆算です。そこから新しく決めた壁の所へドアの高さを書き写します。(赤い線)
②左のドアの四つ角から真横に線を引き、新しい壁のドアのサイズを割り出します。(左のオレンジの線)
③天井が高いので天井の高さ(230㎝位)を調整しました(紫の線)
④奥の右側の通路を新しい壁に引き写します(右のオレンジの線)
⑤通路の幅がドアに対して広く感じたので狭めました(黄緑の線)
⑥絵を整えます
線をまとめるとこうなります。
廊下の幅はもうちょっと広くても良かった気もしますが、気になる方は同じ要領で、さらに調整してみてください。
マンションなのでドアを描き足したいと思います。
⑦ドアをの高さを導き出す
①左のドアの高さはパースをつなげたら分かります。
②のドアを描き足します
③右のドアの高さがこのままだと分からないので、左のドアの高さと、床から横に線を伸ばし、床と右の壁の境目から真上に線を伸ばします。ドアの高さの線と交わった個所が、右のドアの高さになります。
⑧右のドアを描く
右のドアの高さの位置にパース線を引き、ドアを描き足しました。
⑨パース完成
いらないものは消して完成です。
今の状態ですと、右にドアを描き足したことでキャラが小さく見えます。これはキャラの肘がドアの手前の線にかぶることにより立ち位置が、ドアの手前側に居るように見えるからです。
現状のキャラとドアの対比から考えるとドアの前に居るのが妥当な位置です。
キャラが描き終わってからドアとかぶらない位置に微調整、又はドアの位置を微調整すれば違和感はなくなります。
ゲームの様な背景とキャラ別配置なものでしたらこのままでも可だと思います。
これがパースの違和感をなくすパースの決め方になります。
あとはパースに合わせて細部を書き込み色を塗れば完成です。
これに合わせて3Dを置いて完成させてもいいと思います。
参考になれば幸いです。
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