自動彩色を活用した着色
皆さん、こんにちは。
このチュートリアルでは、CLIP STUDIO PAINTの機能の一つである自動彩色機能を使ってイラストを制作する方法について紹介します。
【自動彩色機能とは】
AIが自動的にイラストの線画を識別して色を塗ってくれる便利な機能です。
調整を加えることによって、より的確な色の指定が可能なので、まずは色々試してみましょう。
①線画を用意する
自動彩色をするために、まずは線画の準備をしましょう。
今回は、作例としてCLIP STUDIO ASSETSの3Dキャラクターを使用してます。
モデルを読み込んだ状態(A)から線画(D)にする方法を説明します。
モデルレイヤーをLT変換します。
・レイヤー▶【レイヤーのLT変換】を選択
OKをクリックします。
輪郭線(=線画)とトーン化された部分に分かれたフォルダができます。
線画に使用する輪郭線以外は非表示にして、
輪郭線レイヤーを統合すれば線画レイヤーの出来上がりです。
②自動彩色を使用する
自動彩色を使う上でのポイントは2つあります。
・線画レイヤーは一つのみ
・インターネットと繋がっていること
それでは用意した線画を元に自動彩色を使ってみましょう。
メニューの編集▶自動彩色(先行プレビュー)を確認してみてください。
自動彩色には3種類の彩色方法があります。
次からはこの3つの彩色方法の違いを紹介します。
自動彩色その1「全自動彩色」の使い方
線画レイヤーを選択し、
編集(E)▶自動彩色(先行プレビュー)(P)▶全自動彩色(F)をクリックします。
自動彩色のされたデータのレイヤーが追加されます。(合成モード「乗算」)
肌や髪、瞳の色はかなり認識されています。
アイコン等のイラストであれば、十分機能を発揮すると思われます。
自動彩色その2「ヒント画像を使って彩色」の使い方
線画レイヤーの他に、「希望する配色を指定したレイヤー(ヒント画像)」を準備することによって、より理想に近い自動彩色が可能な彩色方法です。
まずは線画レイヤーの下に、ヒント画像レイヤーを作成します。
指定したい部分に色をのせます。
線画レイヤーを参照レイヤーに設定します。
設定方法:赤丸で記した「参照レイヤーに設定アイコン」をクリック。
ヒント画像のレイヤーをアクティブ(選択された状態)にします。
編集▶自動彩色(先行プレビュー)▶ヒント画像を使って彩色をクリックします。
ヒントに基づいた自動彩色が実行された為、先ほどよりバランスの良い彩色に感じられます。
自動彩色その3「高度な彩色」の使い方
「高度な彩色」は、「ヒント画像を使って彩色」を更に色を細かく調節することができる自動彩色です。
「ヒント画像を使って彩色」と同様の準備した上で、
編集▶自動彩色(先行プレビュー)▶より高度な設定を使用をクリックします。
すると、設定画面が表示されます。
「色分解して彩色する」にチェックを入れると、ヒント画像で塗った色ごとにグラフを動かすことで色の出力を細かく変更できます。
「ヒントの無い領域も彩色する」にチェックを入れると、全自動彩色を実行したときと同じ効果も表示されます。
調整した画像がこちらです。ひとつひとつの色をはっきりさせることができたように感じます。
小技
自動彩色では、対象物の周りにぼかし効果がかかり、色が線からはみ出してしまうことがあります。
はみ出さずに彩色するためのヒントは、彩色したい部分のみを選択した上で、自動彩色(先行プレビュー)を実行することです。
キャラクター部分を自動選択▶自動彩色(先行プレビュー)
このようにキャラクターだけが彩色されます。
これらの自動彩色を元に、手を加えることによってイラストを完成させてみました。
主線の色の変更と、顔と髪の描きこみを加えました。
また、LT変換した際のトーン画像をアクセントに加えました。
衣服は影と光のみです。
特に衣服は自動彩色によっての時短効果が得られたと感じました。
最後までご覧いただき ありがとうございます。
自動彩色機能が、皆さんのイラスト制作時間の節約のヒントとして役に立つことを願っています。
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