アナログ水彩風の塗り
個人的にやっている、スタジオモードでの水彩風塗りのご紹介です。
未熟ですが、これをきっかけにアナログ風に親しんでいただけると幸いです。
使うイラスト
完成品
こういうイラストができます。
下絵
こちらが下絵になります。
リアルな水彩で彩色
はじめに、リアルでこれを水彩で彩色したイラストがこちらです。
ここに、「水彩っぽさ」とは何か? を書き込んでみました。
「紙の質感」(オレンジ)「水彩境界」(赤)
「はみ出し・塗り残し」(緑)「ぼかし(顔料の粒子)」(青)です。
これを踏まえて、クリスタで水彩塗りをしていきます。
メインで使う素材
塗りの基本はこちらに収録の
「△Watercolor1/水分自在水彩」「▲Drawing3/繊細面相筆」
「△Watercolor3/染み出し水彩」「△Watercolor6/質感水彩馴染ませ」を使います。
※数が多い素材なので、フォルダ分けor使うものだけ登録するのがおすすめです。
※線画のほか、使えるブラシがたくさん入っています。
これ以外にも多くの素材を使いますが、数が多いので最後にまとめて紹介します。
クリスタ:準備
紙の質感を出す
紙のテクスチャをすべてのレイヤーの一番上に置き、
レイヤープロパティの「質感合成」をオンにします。
今回は「あったかアナログ画材」収録の「ホワイトワトソン紙」を使いました。
デフォルトでも画用紙など入っていますので、いろいろ試してみてください。
濃度は40~60%程度にしていますが、自由に変更してかまいません。
線画を描く
本物の水彩の線画は、自分は色付きのミリペンを使っていますが、鉛筆や色鉛筆を使う人、つけペンで耐水性のインクなど、水に溶けない画材なら何でもいいです。
クリスタでよりアナログ感を出すには、「鉛筆」ツールなどを使うとよいです。
今回は普段私がマンガに使っている「漫画描くのが楽しいペン」を使いました。
この時点でテクスチャがあるので、紙に描いたような線になっています。
彩色の基本
アナログ感を出すために、「水彩境界」のあるブラシを使っていきます。
デフォルトでも「水彩丸筆」などがそうですが、多くの素材があります。
ただし、クリスタで水彩を塗り重ねていると、
このように、境界線がいらないところにも出ます。
そこで、色を塗った後でぼかしツールでなじませていきます。
「水彩ぼかし」や、素材に収録の「質感水彩馴染ませ」などです。
色を重ねなくとも、色と色を隣に並べるだけでぼかしても大丈夫です。
基本はこの繰り返しです!
レイヤーについて
これは好みですが、私はパーツごとに大雑把なレイヤー分けをして、乗算で重ねるのを基本にしています。
はみ出しを気にせずに塗って、後から消します。
消しゴムツールはあえて色の残る「練り消しゴム」(デフォルト)などがよいです。
肌の塗り
肌はピンク〜オレンジ系の濃い色を乗せて、薄い黄色でぼかします。
不要な境界線はぼかしで消しておきます。
この繰り返しで、全体を塗ります。
全体を塗りました。
明るくしたいところには色を乗せずにあけておきます。
はみ出しは線画から選択範囲をつくって消すか、消しゴムで消します。
(消しゴムで丁寧に消すほうが、アナログらしくなります…)(面倒ですが…)
髪の塗り
まず、濃い色を使い、細く濃いブラシで髪の毛のハイライトの外側を塗ります。
ここでは「繊細面相筆」を使いました。
次に、薄い色を使い、太いブラシで伸ばします。
ここで使ったのは「水分自在水彩」です。
「水彩ぼかし」(デフォルトぼかしツール)と、「質感水彩馴染ませ」で、
境界線などをなじませます。
色に変化を出すため、ピンクやグリーンを薄く塗り重ね、ぼかしておきます。
いらないところを消して、髪は完成です。
小物の塗り
ピアス、カップ、髪の濃い色など、小さいところを塗ります。
私は1枚のレイヤーでやってしまっています。
カップとピアスのところに、使った色を置いてみました。
「濃い色を薄い色で伸ばす」基本のやりかたです。
ピアスは葉っぱらしくするため、境界線をあまりぼかさないでおいています。
遊色風:シャツ
「遊色」といって、「見た目と全然違う色が分離する絵の具」があります。
インクやコピックでも起こる現象で、万年筆などで見たことがあるかもしれません。
↓こういうものです。
で、この遊色風のブラシを作っている方がおられるので、使ってみました。
こちらの、「sb_インク風ペン_ふわ_自動A」「sb_インク風ペン_ふわ_自動B」を使っています。
紺色を選択するだけで、グリーンも出てきました。
この色をベースに整えていきます。
明るい色が分離してきた風に見せるため、「染み出し水彩」で色のふちをなぞっていきます。このブラシは絵の具の粒子のような質感があります。
さらに「繊維ぼかし」(デフォルト)で色をなじませます。
「分離する色」なので、混ぜすぎないように気をつけます……
……が、正直ここは私も試行錯誤中です。
いらないところを消して、ひとまず完成です。
仕上げ
ほかと同じ方法で、瞳と背景を塗りました。
色の調整
気に入らない色になってしまったパーツは、クリスタの機能で補正します。
レイヤー→色調補正レイヤー→グラデーションマップレイヤーで
適用したいレイヤーの上に出し、下のレイヤーにクリッピング
……して、そこだけに影響させます。
今回は服の色を調整しました。
「色彩調和フィルター」の「シトラス」を重ねています。
ハイライト
デジタル風に加算レイヤーにしても、通常レイヤーで白を塗ってもかまいません。
今回は「覆い焼き(加算)」レイヤーを使いました。
瞳など細い線は「繊細面相筆」
散らしてある白い点々は「何でも使えるアナログ白しぶき」
シャツの明るいところは「染み出し水彩」
……を使っています。
全体の影
ハイライトのすぐ下に乗算レイヤーを作り、薄い紫で全体の影を入れます。
アナログの水彩では塗る前に下塗りとしてやることが多いのですが、デジタルなので最後に様子をみて入れられます。
また色味も、紫が肌になじみやすい、というだけなので、いろいろな色を試してみてください。
完成!
完成です!
使用素材
下絵
手を描くのが苦手なのでこういう素材にお世話になっています…
線画
普段漫画に使っているペンです。いつもより細めの線にしています。
塗り
カラーパレット
グラデーションマップ
ハイライト
ありがとうございました!!
さいごに:タイムラプス
タイムラプスはTwitter(X):@sabastyに公開しています。
あわせて参考にしていただければと思います。
質問や改善案などありましたら、コメントや上記SNSにぜひお知らせください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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