パターンブラシとクロスハッチング(カケアミ)を合体!デュアルブラシを使った漫画背景の描き方
はじめに
クリップスタジオに新しくデュアルブラシの機能が追加されました。
デュアルブラシとは二種類のブラシを組み合わせて描く事が出来る機能です。
僕はこの機能を使ってみて、漫画を描く時に使うクロスハッチングを、自然物などのパターンブラシに組み合わせるアイデアを思いついたので、実験的に試してみましたが、今まで出来なかった多くのことが出来るようになっていました。
このTIPSでは、そのブラシを作るコツとブラシで描いた絵を紹介してみます。
作ったブラシは全て公開してるので、良かったら使ってみてください。
また、日本の漫画ではクロスハッチングのことを、カケアミ[KAKEAMI]といいます。
ハッチング入りパターンブラシを作るコツ
(1)第一のパターンブラシの素材とハッチング素材はモノクロの黒で作る。
(2)デュアルブラシとして、ハッチング素材を適用し、適用方法は焼き込みリニアにする!
(3)デュアルブラシの散布効果を有効にする。
(4)デュアルブラシの散布効果の粒子サイズは1のブラシと同じかそれより大きくする。
(5)ストロークとハッチングの向きを同期させたい時は、デュアルブラシの散布効果の粒子の向きの影響元を[線の方向]に変更し、粒子のハッチングの向きが真横になるように調整する。
以上を守れば、だいたいのパターンブラシをハッチング付きにすることが出来ます。
特に(4)の粒子サイズが重要で、だいたい400~700px必要なので注意してください。
デュアルブラシで立ち木を描く
葉っぱのハッチングブラシを作ったので、ブラシを公開します。
良かったら使ってみてください。
ハッチング付き葉っぱブラシで、立ち木を描いてみます。
陽の光の印象を与えたかったので、ハッチングの向きを斜めに固定したブラシを使っています。
ストロークでは無く、ペン先でトントンと叩くように描いています。
こうすることで葉っぱの塊を表現しやすいです。
ハッチング付き木の皮のブラシも作ってみました。
黒で幹を描いてから、透明色で木の皮のタッチを描いています。
今度はストロークの向きでハッチングの向きが変わるブラシを作りました。
これはデュアルブラシのアップデートが無ければ作ることが出来ませんでした。
このようにひとつのパターンブラシから、複数のブラシを作ることが出来るのが、
デュアルブラシの良いところです。
これは風でなびく木の葉を表現したり、柔らかな陰影をつけるのに使います。
10分ほどで完成です。素早く手描きで描いたような絵を描くことが出来ました。
デュアルブラシで夕焼け空を描く
雲のハッチングブラシを作ったので、ブラシを公開します。
良かったら使ってみてください。
筆圧で遠近感を出せるようになっています。
1-ブラシ、2-ブラシそれぞれの[ブラシサイズ][粒子サイズ][粒子密度][間隔]を個別に筆圧で調整しています。複数のパラメータを調整するとこのようなブラシを作ることが出来ます。
ひとつひとつを紹介するのは大変なので、ここでは割愛します。
ブラシをダウンロードしてみて、パラメータを確認して、オリジナルのブラシを作る為の参考にしてください。
雲が描けたら、夕日のトーンを貼って完成です。
これも10分くらいで描けました。
デュアルブラシで岩壁を描く。
岩肌のハッチングブラシを作ったので、ブラシを公開します。
良かったら使ってみてください。
適当にブラシでストロークした後に、普通のペンで描き足すといい感じの使い心地です。
選択範囲などと合わせて狙いを絞って描くと良い感じに描けます。
こちらも10分ほどで完成です。
オリジナルのハッチング付きデュアルブラシをつくろう
やはりブラシは自分で作ったものの方が、自分の絵によく馴染みます。
もしここで配布したブラシが、自分の絵に合わないと感じたら、
配布したブラシの先端画像やハッチング素材を、自分で描いたものに差し替えてみてください。
デュアルブラシを作るのは少し大変ですが、この方法なら僕のブラシ設定を流用できるので、比較的簡単かと思います。
おそらくそれでも、ブラシの設定の調整には時間がかかると思います。
僕は試行錯誤しながらこのブラシを作るのに一週間ほどかかりました。
根気よく色々試してみてください。
配布もOKなので、たくさん作って、たくさん配布してください。
出典としてこのTIPSをどこかで紹介してもらえると助かります。
自分のブラシを作りたい人の為が困らないようにです。
またなるべく無料で配布してほしいです。このブラシは漫画を描く多くの人々に普及することを目的に配布しています。
強制することは規約上出来ませんので、あくまでお願いになりますが、よろしくお願いします。
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