Webtoon漫画制作のチュートリアル
今回は、WEBに特化した漫画形態「Webtoon(ウェブトゥーン)」の紹介をします。
Webtoon(ウェブトゥーン)とは?
簡潔に言えば「縦読みマンガ」です。
Webtoonは、デジタルコミックの形式です。
Web+Cartoon(漫画)の造語としてWebtoon(ウェブトゥーン)と呼ばれています。
【特徴】
・縦スクロール形式(タテ読みスタイル)
・フルカラー
スマートフォンやPCでの読みやすさが重視されてます。
印刷や製本をしない前提のため、漫画原稿特有の規定がありません。
例)◎内枠や断ち切り線なし
◎ページ自由
◎キャンバスサイズ自由
◎解像度自由
また、画像のデータ量も小さくて済むので、モバイルでの制作にも向いています。
初めてマンガを描いてみよう、という人にも取り組みやすい形式なのでお薦めです。
それでは、CLIPSTUDIO PAINTの機能を使って、早速描いてみましょう!
ステップ1: Webtoon用キャンバスの準備
CLIPSTUDIO PAINTにはWebtoon用の設定があります。
新規作成(Ctrl+N)
作品の用途:イラスト
プリセット(S):「comico(690×20000px)」を選択しOKをクリックします。
※「comico」は日本のWebtoonポータルの名称です。
こちらへの投稿用にカスタマイズされたWebtoon用の設定です。
このような細長いキャンバスが新規作成されます。
ステップ2:扉絵を描く
---------------------------------------------------------------------------------------【グリッド線の表示・設定】
メニューバーから[表示(V)]→[グリッド(G)]にチェックを入れ、次に
[グリッド・ルーラーの設定(N)]ウィンドウ開きます。
初期の設定ではこのようなラインが引かれているのでグリッド設定を変更します。
初期設定
間隔(D):100px毎に太い線(グリッド線)が引かれます。
分割数(I):グリッド線とグリッド線の間を4等分します。
----------------------------------------------------------------------------------------【変更する】
キャンバスを本と仮想した場合、国際規格サイズのA版やB版の縦横比率は、短辺を1としたときに、長辺は√2となります。
このキャンバスは横が690pxなので、縦のサイズは
690×√2=975.807... なのでグリッド線の間隔に976と入力します。
分割数は自由ですがわかりやすいように10にしました。
縦線のバランスが少し気になったので間隔数を少し上げてみます。
(実際は製本しないので数値は感覚的にとらえられていれば問題ないと思います)
ここでは985pxにしました。決まったらOKをクリックします。
一定の間隔でグリッド線(太い線)が表示されました。
この線は等間隔で下までずっと続いています。
線まで(=色表示部分)を仮に1ページだと思うと描きやすくなると思います。
タイトルや作者名を表記したり、扉絵を描く時にもわかりやすいかなと思います!
ステップ3:本文・マンガを描く
次はマンガを描きましょう。
ここでもグリッド線が確認できると便利です。
Webtoonは、この仮想1ページの中に1~3コマ位が読みやすい範囲だと思います。
漫画の部分はとにかく自由です。
Webでの読みやすさを考えると、漫画(MANGA)のコマ割りよりは、アニメーションのワンカットを描くような感覚が近いと思います。
実際にWebtoon作品の中にはマンガの一部がアニメーションになっていたり、音声が流れるといった表現もあります。
ステップ3:台詞の文字の大きさ
テキスト入力の文字の大きさは「pt(ポイント)」という単位で表記されます。
Webtoonはキャンバスサイズに自由がある分、フォントのサイズも調整が必要です。
参照:テキスト入力[サブツール詳細]
---------------------------------------------------------------------------------・余談ですが、製本される漫画の場合はフォントサイズにおおよその規定があります。
例)モノクロ原稿・製本サイズB5(雑誌)
キャンバス:4299×6071px /解像度600dpiの場合:フォントは11ptが基準
↓web上で表示すると一文字がこれくらいの大きさです。
解像度は印刷の際に必要な数値なので、web上でのみ閲覧する画像では数値を大きくする必要があまりありません。
そのため、Webtoonでは72dpiに設定することが多いです。
ですが、解像度が変わると同じ11ptでも表示がかわります。
このように、とても小さくなってしまいます。
同じptでも表示が変わることを覚えておいて、セリフのサイズには注意しましょう。
今回のキャンバス(横幅690px/72dpi)では30ptに設定してみました。
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実際のキャンバスサイズではこれ位の大きさで表示されます。
PCだと少し大きく感じるのですが、小さくて読めないよりは有効なので、デバイスの大きさによっては読みやすくなってるといいなと思います。
これが読みやすいと感じたら、
キャンバス幅690pxで72dpiなら30ptを基準と覚えておくと作業が楽になります。
以上で、絵や文字のサイズの感覚の基本が掴めたと思います。
あとは自由に描き出して素敵な作品作りにチャレンジしてみてください!
小技1:ストーリーエディターを使って台詞をコピー&ペースト!
※「ストーリーエディター」はCLIP STUDIO PAINT【EX】専用の機能です。
!セリフを一括で入力できます!
[ページ管理(P)]→[テキスト編集(Z)]→[ストーリーエディターを開く(O)]をクリック
「ストーリーエディター」ウィンドウが開きます。
①テキストエディター(メモ帳)などで入力したセリフをコピーする。
②「ストーリーエディター」に貼り付ける。
改行ごとに独立した台詞として一括入力されます。
そして、キャンバスにも台詞がそれぞれ表示されます。
台詞の位置は自由に動かせます。
《テキストの修正方法》
テキストツールのツールプロパティで変更後、ストーリーエディターのテキストボックスをShift+クリックで選択。
ページ管理⇒テキスト編集⇒テキストにツールプロパティを適用で変更できます。
小技2:全体の確認
縦長の原稿はキャンバス全体の確認が難しくなります。
そこで、新規ウィンドウを利用して、キャンバスを複数のウィンドウで表示することで確認する方法を紹介します。
メニューバーから[ウィンドウ(W)]→[キャンバス(V)]→[新規ウィンドウ(V)]を選択。
同じキャンバスを複数のウィンドウで表示できます。
片方を別窓に表示しておけば、描きながら全体を確認することが可能です。
最後までご覧いただき ありがとうございました。
このチュートリアルが皆さんのマンガ制作の役に立つことを願っています。
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