2.スキャンした線画の補正・抽出

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[1]角度の調整

スキャンする際に、読み込んだ画像が少し斜めになってしまったため、絵が水平になるように調整します。

 

[編集]メニュー→[変形]→[拡大・縮小・回転]を選択すると、画像の四隅にハンドルが表示されます。

ハンドルをドラッグするか、または[ツールプロパティ]パレットに表示されている[回転角]に数値を入力し、水平垂直のバランスを見ながら、画面を回転させます。

 

【POINT】

画像を回転する際に、キャンバスの上左にある[ルーラー](目盛り部分)をドラッグして水平方向のガイド線を作成しておくと、水平・垂直の目安を取りやすくなります。

 

[2]トリミング

画像をトリミングしてキャンバスサイズを整えます。

 

(1)[選択範囲]ツール→[長方形選択]を選び、[Shift]キーを押しながら正方形の状態で線画を囲みます。

※[Shift]キーを押しながらドラッグすると縦横比1:1の正方形の選択範囲が作成できます。

 

(2)[編集]メニュー→[キャンバスサイズを選択範囲に合わせる]を選択し、キャンバスサイズを選択範囲のサイズに変更します。

 

[3]画像の色調補正

スキャンしたままでは、紙の質感やスキャンする際の影が残っていて線を抽出しにくいため画像を色調補正します。

 

(1)[編集]メニュー→[色調補正]→[レベル補正]で線画と白い部分の差をクッキリと強めにつけます。

 

(2)さらに、[編集]メニュー→[色調補正]→[2値化]を選択して、アンチエイリアス(グレー部分)のない白と黒だけの2値の状態にします。

 

線の出方を見ながら[閾値(しきいち)]のスライダーを調節します。

 

[4]ゴミ取り

ゴミや無駄な線を取るために、[ペン]ツール→[マーカー]グループ→[べた塗りペン]( [アンチエイリアス]の設定は[無し])で白を塗って修正していきます。

※[ツールプロパティ]パレットの[アンチエイリアス]のアイコンが一番左に設定されていれば[アンチエイリアス]の無い状態になっています。

 

【POINT】

ゴミ取りをする際は、[線修正]ツールの[ゴミ取り]ツールも便利です。

白地に線が描いてある場合は、[ツールプロパティ]のモードを[白地の中の点を消す]に設定して使用します。

 

[5]線に色を付ける

(1)線画に色を付けたいので、[レイヤープロパティ]パレットで[表現色]が[カラー]になっているのを確認します。

 

(2)[自動選択]ツールで線画の部分をクリックして選択します。

※線が2値化されているため、[ツールプロパティ]パレットの[隣接ピクセルをたどる]のチェックを外しておくと、線画部分すべてをきれいに選択できます。

 

(3)[カラーセット]パレットから紺色を選択し、[編集]メニュー→[塗りつぶし]で選択範囲に色を付けます。

 

この色は後で調整して変えていくので、仮の色で付けています。この後の塗りの工程にも共通しますが、最初にこの色と決めずに、カラー系パレットなどを使って、ひとまず仮で同系色を付けてしまうことが多いです。

その後に、先ほどの手順で選択範囲を作成し、色調補正をかけて、バランスに合う色や好みの色合いに調整します。

 

(4)線画は塗りの上に透けて乗っている状態にしたいので、レイヤーの合成モードを[乗算]にしておきます。

 

【POINT】

スキャンした画像から線を抽出して色を付ける場合、[レイヤープロパティ]の設定で調整することもできます。

 

[レイヤープロパティ]の[レイヤーカラー]ボタンをクリックすると、黒で描画されている部分を任意の色に変更できます。

また、[表現色]の横にある黒い四角形のボタンをクリックすると、表現色の設定を変更できます。黒ボタンだけがオンになることで白地部分が非表示になるため、線画部分のみ抽出して表示させることができます。

 

次回は色塗りの工程を解説します。

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