1.写真撮影・下書き・ペン入れ・スキャン
▼こちらが完成イラストです。
・作者プロフィール:つちもちしんじ
東京都在住。古典的マンガ、浮世絵、絵画、ポップアート、ポップソングなどから刺激を受けて、 漫画やイラストに勤しんでいます。 「東京下町百景-つちもちしんじ作品集」発売中
[1]画像の読み込み
街を散策して撮ってきた写真から、描きたい場所をピックアップして、描きたいサイズにトリミングします。
奥行きがあるなど、手前と奥がはっきり分かれている写真は濃淡を付けられるので絵にしやすいです。
写真に写っている状況にこだわらず、朝、昼、夜、また四季や天候など色んなシチュエーションに置き換えて描くことを意識します。
そうすると練習にもなるし、飽きずに楽しく描けます。
さらに僕の場合は、街を歩いて感じた事や最近聴いている曲のイメージを投影するなど、その時に興味のある事柄からキャラクターやアイデアを遊びとして加えています。
[2]写真を元にスケッチする
写真を元にしてコピー用紙にスケッチします。
今回は、旅行でやってきた大阪という街の異世界感やフグの飾りがあった事から、スペーシーな龍宮城のようなイメージを重ねてみる事にしました。
<使用画材>
ステッドラー鉛筆HB、練り消し
イラストの形を正方形(17cm×17cm)にしているのは、レコードやCDのジャケットみたいでかわいいという理由が一番にありますが、何となくトリミングしやすいというのもあります。
タテ構図・ヨコ構図という概念がないのが感覚的で良いのかもしれません。
スケッチする際は画面を4分割してある程度の形の整合性を取りつつ、トレースでないフリーハンドで描く自由さや緊張感を大事にしています。
そのときにしか出せない自分の手癖のようなものを残しておきたいと思っています。
[3]トレース台で清書する(ペン入れ)
トレース台で下描きのコピー用紙の上に画用紙を重ねて清書していきます。
トレース台を使ってペン入れするのは、下描きの段階で画用紙が痛んだり、ペン入れの後に消しゴムで消す事でペン入れの線が薄れたりするのを避けるためです。
さらに、失敗した時に描き直しができることと、途中でライトを消したときに、どのようにペン入れしてあるかハッキリと分かるという利点があります。
キャラクターを先に描き、後から背景に手を入れていきます。修正液を使いながら、何度でも気に入った形に描き直しながら進めます。
<使用画材>
画用紙→マルマンスケッチブック 図案スケッチパッド B4 S251
ペン→パイロット水性ドローイングペン3 S-15DRN3-B ブラック
修正ペン→ぺんてる修正ペン スリム<ケセケセ> XZL7F1C
<ペンで清書するときに気をつけていること>
筆圧に強弱をかける他にも、画用紙の凸凹で線をブレさせたり、ペンをゆっくり描いたりすると線が紙に染みて太くなったりするのをいかしたりするなど、一本のペンで色んなタイプの線が出るように心がけています。
[4]ペン画をスキャンする
完成したら、スキャナーでペン画を取り込みます。スキャンする際の設定は、[グレースケール]で[400dpi]に設定しています。
※スキャンの方法や設定はご使用になっているスキャナによって異なるためここでは解説を省略します。
スキャンした画像をCLIP STUDIO PAINTの画面にドラッグ&ドロップして読み込みました。
次回は読み込んだ画像の補正を行います。
【POINT】
本講座ではあらかじめスキャンしておいた画像をCLIP STUDIO PAINTに読み込んでいますが、CLIP STUDIO PAINTからスキャナで読み込むこともできます。
アナログ原稿をスキャンする方法は、こちらの講座で詳しく解説していますので参考にしてください。
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