冊子印刷・デジタル入稿までのワークフロー

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皆さん、こんにちは。

このチュートリアルでは、Clip Studio Paint EXの機能を使って冊子印刷の為の原稿を作成・デジタル入稿するまでの手順を紹介します。

 

使用ソフト:Clip Studio Paint EX

1_制作する冊子の計画を立てる

まずは、どのような冊子を作るか、考えましょう!

【計画】

冊子のサイズ:B5

冊子のページ数:12ページ(※ページ数は必ず4の倍数です)

冊子の表紙:フルカラー

冊子の本文:モノクロ

 

読む方向:右から左へ(=右綴じ)

 

【紙の種類】

表紙:ミラーコート135㎏(0.150㎜)

本文:上質紙70kg(0.095mm)

2_新規作成【設定】同人誌入稿

計画を立てたら、原稿を作っていきましょう。

 

・まずは、原稿データを保存するフォルダを用意します。

(例:フォルダ名「comic」)

・次にClip Studio Paint EXを起動します。

ファイル→新規作成にて「作品の用途」の【同人誌入稿】を選択します。

ファイル名は先ほど用意した「comic」フォルダを指定します。

それでは、計画に合わせて、各項目を入力しましょう。

 

①【漫画原稿設定】

本文ページの設定です。

 

製本サイズ→「B5」

裁ち落とし幅→5mm

(※製本サイズの周りの余白領域を指定するためのものです。3mm〜5mmが一般的)

解像度→600dpi

基本表現色→モノクロ

基本線数→60.0

 

ページ数→12ページ

綴じる位置→右綴じをチェック

 

※同人誌用設定(各印刷会社さんの指定を反映してくれる機能)は日本語版のみの設定なので省略します。

②表紙

解像度→350dpi

基本表現色→カラー

 

用紙色→白(表紙/裏表紙/表紙(裏)/裏表紙(裏)に同じ色を指定できます)

 

表紙の構成→左をチェック

(※右は表紙と裏表紙がくっついてない、いわゆるカレンダーのようなリングノート型の作品作りによく使われてます)

 

背幅指定→0.57

【参考】

背幅=(本文ページ数 ÷ 2 ) × (本文の紙の厚さ)として、(12ページ÷ 2)×上質紙70kg(0.095mm)=0.57

 

各印刷会社さんのHPでは、自動計算シュミレータが用意されているところもありますので参考にしてみて下さい。

 

 

作品情報

作品名と作者名を入力すると原稿用紙の印刷範囲外に表示されます。

必要なければ未入力でOKです。

 

ノンブル(ページ番号)

※ノンブルとは本のページを表す数字のことです。

隠しノンブルは原稿用紙の印刷範囲外(綴じ側)に表示されます。

 

 

設定が完了したら「OK」を押します。

するとこのように、各ページの原稿用紙が自動作成されます。

基本の設定はメニュー[ページ管理]→[作品基本設定を変更]から変更する事ができます。

3_原稿を描く

準備が出来ましたので、原稿を描いていきましょう。

描きたいページをダブルクリックすると、そのページが右に表示され編集できるようになります。

保存するとファイルはこのように表示されます。

ページ管理のファイル×1と各ページのファイル×11です。

(※表紙と裏表紙はつながった1枚の絵として制作する為、page0001は2ページ分になっています)

3-1.表紙を描く

表紙・裏表紙・表紙(裏)・裏表紙(裏)の制作です。

今回は表紙(裏)・裏表紙(裏)への描き込みはしないのでこの2つのファイルは変更不要です。

表紙・裏表紙のファイルをダブルクリックします。

表紙と裏表紙の編集ウィンドウが開きます。

 

【CMYK表示にする】

印刷所では、カラー印刷はCMYK方式が多いです。CMYK表示にして作業に入りましょう。

 

①メニュー[表示]→[カラープロファイル]→[プレビューの設定]を選択します。

②[プレビューするプロファイル]からCMYK表示のものを選択してください。

 (ここでは[CMYK:Japan Color 2001 Coated]を選択しました。)

設定が完了したら、早速描いていきましょう。

完成したら保存して、次の制作に移ります。

3-2.本文を描く

本文も表紙と同様に制作します。

原稿用紙の枠の説明をします。

A:セリフはこの枠内にいれる。

B:製本された時に印刷される範囲、いわゆる本のサイズです。

C:作画はここまできっちり描く。

 

以上を理解し、綺麗な出来上がりになるように制作してゆきましょう。

全てのページを制作し、このように完成しました。

あとは、製本への作業を残すのみです。

4_製本3Dプレビュー

Clip Studioには、製本した状態を3Dで確認できる便利な機能があります。

 

・メニュー[ファイル]→[複数ページ書き出し]→[製本3Dプレビュー]を選択します。

すると[製本3Dプレビュー]ウィンドウに本の形で表示されます。

下のバーでページをめくったり、画面内でカーソルを押しながらドラッグすれば好きな方向から本を見る事ができます。

立体で確認する事で、見逃していた失敗が発見できる事もあるのでオススメの機能です。

(私は以前、表紙と裏表紙を逆に制作していた事があり、3Dで見て初めて気付いて修正した事があります)

5_データを出力する

確認が出来たらデータ出力を行いましょう。

メニュー[ファイル]→[複数ページ書き出し]→[同人誌印刷用データ出力]を選択

[OK]をクリックします。

[製本3Dプレビュー]の確認のポップアップがでますが今回は先に確認したので飛ばします。

完了しました。

「出力済みデータを確認」をクリックするとCLIP STUDIOが起動します。

6_CLIP STUDIOで出力したデータを確認する

出力されたデータが確認できます。

右隣の緑色の部分の[>出力したデータ]をクリックしてみましょう。

このようにpsdファイルに変換されたデータが出来ています。

(02.psdは作画しなかった表紙(裏)・裏表紙(裏)なので抜けています)

 

入稿データの出来上がりです!

データファイルの保存場所を確認し、いつでも添付できるようにしておきましょう。

(例)pixivFACTORYに入稿する

CLIP STUDIOの「pixivFACTORYで同人誌をつくる」を利用した場合、このように用意した入稿データをドラッグ&ドロップし、入稿するボタンを押せば、入稿が完了します。

ここまでが、デジタル入稿までのワークフローです。

最後までご覧いただき ありがとうございました。

このチュートリアルが皆さんのお役に立つことを願っています。

 

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