3Dモデルで絵の困りごとを解決する方法
絵を描きたいけどポーズや構図が思い付かない。
顔のバランスを取るのが難しい。手を描くのが難しい。
小物や背景が描けない。
そんな悩みは3Dで解決できます!
動画もご用意しましたので、日本語がわかる方はこちらもご覧ください。
ポーズや構図
ポーズや構図が思い付かない…。
そんな時はポーズ素材を探しましょう。
CLIP STUDIO ASSETSで「ポーズ」のボタンをクリックすると、
3Dのポーズ素材がたくさん出てきます。
検索結果を眺めながら、描いてみたいポーズを探してみましょう
この「女の子運ぶポーズ集1」を見て、
「アメリカンダイナーで食べ物を運ぶ女の子」の
イラストを描いてみたくなりました。
このポーズ素材をダウンロードしましょう。
ダウンロードした素材は[素材]パレットから使用できます。
ポーズ素材をキャンバスにドラッグ&ドロップすると、
ポーズを取った男性の3Dデッサン人形が表示されました。
オブジェクトツールを選択した状態で、
[サブツール詳細]パレットから
デッサン人形の性別や身長・体系など変更できます。
追加されるデッサン人形の体型や性別については
[環境設定]ダイアログの『3D』で設定できます。
よく描くキャラクターの性別に設定すると便利でしょう。
CLIP STUDIO PAINTユーザーガイドより引用
「3Dデッサン人形や3Dキャラクター素材にポーズを付ける」
自分で3Dデッサン人形の設定をするのが難しい、
よくわからないという方は素材を探してみましょう。
CLIP STUDIO ASSETSの検索欄右横にある詳細ボタンをクリックし、
出てきたウインドウから「体型」ボタンをクリック。
様々な体型の素材があるので、お好みのものをダウンロードしましょう。
今回は自分で調整した155cm・6頭身の
女性モデルを使用します。
この3D素材にポーズ素材をドラッグ&ドロップしても、ポーズを読み込めます。
トレイを運ぶ女の子のポーズになりました。
顔・手
顔のバランスを取るのが難しい…そんな時も3D素材に頼りましょう。
CLIP STUDIO ASSETSで「顔」「3D」を検索し、顔のモデルを探します。
今回はこちらのモデルをお借りします。
有償GOLD素材ですがクオリティが高くてオススメです!
素材をキャンバスに読み込み、
パースがきついと感じたので[サブツール詳細]パレットで
パースの数値を低くします。
360度どこから見ても可愛いお顔です。
こちらのモデルは目つきも変更できます。
こちらは胸から上のモデルですが、ポーズ素材も適用できます。
先ほどと同じポーズを取らせましょう。
このモデルは目も動かせるので、
オブジェクトツールで動かして目線をこちらに向けます。
これらのモデルを使って下描き・ペン入れしていきましょう。
出来上がったものがこちらになります。
手や食べ物が描かれていない?
これも3Dモデルに頼って制作していきます。
3Dのハンドモデルもたくさんあります。
「手」「3D」で検索し、好きなものをダウンロードしましょう。
今回使用する素材はこちら。
2次元の女の子にピッタリな可愛らしい手です!
こちらのハンドモデルはポーズ素材に対応しているので、
先ほどと同じようにポーズ素材をモデルにドラッグ&ドロップすると
ポーズを取ってくれます。
3Dデッサン人形と向きや大きさを揃えました。
この手をそのままペン入れしましょう。
キャラクターにペン入れしたものがこちらです。
次は食べ物を描いていきます。
小物
食べ物の3Dモデルを探そう
ダイナーにはどんなものが置いてあるでしょうか?
ハンバーガー?ドーナツ?可愛いドリンク?
今回はハンバーガーを描くことにしました。
ドーナツプレートとトレイセットも使うのでダウンロードします。
3D素材の配置・編集
3D素材を直感的に配置するには、
移動マニピュレータやルートマニピュレータが便利です。
今回は簡易的にご紹介します。詳しく知りたい方はマニュアルをご覧ください。
①赤い枠で囲まれているものが移動マニピュレータ
②青い枠で囲まれているものがルートマニピュレーター
こちらはオブジェクトツールで操作できます。
オブジェクトツールで3D素材を選択すると、
ルートマニピュレータが表示されます。
緑の矢印をドラッグすると上下に、赤の矢印をドラッグすると左右に、
青の矢印をドラッグすると前後に移動します。
外側の灰色の円をドラッグすると、
3D素材の大きさを変更することができます。
またパーツが分かれている3D素材であれば、
任意のパーツだけ移動・編集することが可能です。
こちらの素材はバンズやチーズ、トマトなどパーツが分かれています。
ルートマニピュレーターの赤のリングをドラッグすると前後に、
緑のリングをドラッグすると横に、
青のリングをドラッグすると左右に回転します。
食べ物の素材をモデルに合わせていきます。
素材をモデルにドラッグ&ドロップし、
オブジェクトツールで位置や大きさを調整しましょう。
3Dを色んな角度から見たい時には、四面図ウィンドウが便利です。
[ウィンドウ]メニュー→[四面図]で表示できます。
これを見ながら配置していきましょう。
3D素材は色々な方が制作しており、
素材同士の大きさが合わないことも多々あるため
こちらで大きさを調整する必要がある場合も多いです。
トレイ・プレート・ハンバーガーの配置が完了した図がこちらです。
バンズをずらしたり不要な素材を極力非表示にした状態がこちら。
こちらをもとに絵を作っていきましょう。
仕上げたものがこちらです。
食べ物はそのままLT変換で線画にすると
固い印象になってしまうので、自分でペン入れしたり
レタスは資料を参考に自分で描いたりしてます。
それでも下描きの工程をほぼ飛ばせるし
3D素材をラスタライズして絵に使える場合もあるので、
素材に大変助けられております。
今回の場合、トマトはそのまま使ってますね。
帽子も立体感が難しいですが、
3D素材でどんな角度でも描けますね。
背景
キャラだけだと淋しいから背景を描きたいけど、描けない…。
そんな時も3Dに頼ります。
こちらの3Dレストランを使って、
アメリカンダイナーっぽい背景を作りましょう。
移動マニピュレータの使い方
移動マニピュレータの機能を簡易的に説明します。
一番左のアイコンをドラッグするとカメラの回転、
左から二番目のアイコンをドラッグするとカメラの平行移動、
左から三番目のアイコンをドラッグするとカメラの前後移動ができます。
また影が不要な時は[サブツール詳細]パレットの
[陰影]で「光源の影響を受ける」のチェックを外すと、
3Dモデルの明暗がなくなります。
3D素材の背景をキャラクターに合わせよう
素材をキャンバスにドラッグ&ドロップして、絵に合わせていきましょう。
オブジェクトツールで不要な壁を非表示にしたり、
移動マニピュレータでカメラを動かします。
このままだと素材感が強く残っているので、加工していきます。
素材の加工
アメリカンダイナーはボーダーの壁という
イメージがあるので、ボーダー素材を適用しましょう。
3D素材のパース定規を利用して自分で描いてもいいですが、
今回はここも3D素材に頼っていきます。
ボーダーのレイヤーを作成し、
素材パレットにドラッグ&ドロップして素材として登録します。
3Dレストランのレイヤーを選択した状態で
このボーダー画像素材をキャンバスにドラッグ&ドロップすると、
3Dレストランと同じ空間に表示できました。
この画像素材を3D空間の中で移動・回転させることができます。
この画像を壁の柄として合わせます。
合わせたものがこちらです。
[レイヤー]メニュー→[LT変換]でレストランを線画化し、
3D素材の上に配置すると線画と色が作れました。
このままだと色が馴染まないので、
[レイヤー]メニュー→[新規色調補正レイヤー]より
グラデーションマップレイヤーを作成。
ピンク基調に変更しました。
グラデーションマップだと全体の印象を
簡単に変えることができます。
窓部分にブラシ素材で空と木を配置し、
[フィルター]メニュー→[ぼかし]より[ガウスぼかし]を選択。
スクリーンレイヤーにエアブラシで軽く光を入れ、
上下に白い枠を付けたら完成です!
自力で描いてないけどそれっぽい絵を仕上げることができました。
まとめ
人物背景問わず、プロの現場でも
3Dを導入しているところは増えています。
今回のようにそのまま使ったり、
アタリや下描きなど幅広く利用できます。
アマチュア目線だと「3Dはまず0の部分を減らす」
ことができるツールである、と感じています。
ここから60点を目指したり、背景や小物を描かずにすんだ時間を
キャラに回してキャラのクオリティをどんどん高めていくなど、
自分の目的に合わせた使い方ができます。
「描けないけど描いてみたい」そんな不可能を可能にできるツールです。
素材をステップアップに、自分で描ける部分を
少しずつ増やしていければと思います。
3D素材をぜひ「選択肢」に追加してください。
描けないものを描かなければならない時、時間がない時など
あなたが困った時の助けになるかもしれません。
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