CMYKデータの作り方 ― カラープロファイルプレビュー -Ver.4.2-
RGBとCMYKのちがい
デジタルで画像を表示するモニタでは赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3色(RGB)の光を重ねあわせて色を表現するため、コンピュータで表示されるカラー画像はすべてRGB形式の色データを持っています。
一方、印刷所や出力センターで商業誌や同人誌、ポストカードなどのフルカラー印刷に使用する印刷機は、一般的に藍色(Cyan)、深紅色(Magenta)、黄色(Yellow)、黒(Keyplate)の4色(CMYK)のインクを微細な網点で印刷し、各色の網点を重ね合わせることで、さまざまな色を表現します。
このため、印刷機用のデータはCMYKで表せる色データを持っている必要があります。
RGBのデータはCMYKのデータにカラー変換することができますが、CMYKはインクで色を表すため、光で色を表すRGBに比べて表現できる色の範囲(色域、もしくは色空間と言います)が狭いです。
CMYKで表現できない色は似たような色に置き換えて変換されるため、RGBで作られたデータをCMYKにカラー変換する時は色味が変化してしまいます。
CLIP STUDIO PAINTでは、編集中のデータは常にRGBで保持されており、汎用画像形式への書き出しの際にRGBからCMYKに変換してCMYKデータを作成できます。
CMYKカラープロファイルを設定する
新しいキャンバスを作成するときに、[新規] ダイアログ内にある、[カラープロファイル]で、以下の2種類のカラープロファイルを指定します。
[表示用プロファイル](旧[プレビューするプロファイル]):
キャンバスのプレビュー表示や汎用画像形式の書き出しで埋め込むカラープロファイルです。印刷所の入稿ガイドなどで指定されているCMYKのカラープロファイル(ICCプロファイル)を設定してください。
[キャンバスのプロファイル]:
キャンバスに埋め込まれるRGBカラープロファイルです。[表示用プロファイル]にCMYKプロファイルを設定すると[キャンバスのプロファイル]に任意のRGBプロファイルを指定できます。
使用している環境(ディスプレイ)のプロファイルがデフォルトで設定されているため、そのまま使用できます。
Note:
日本では一般的に、「Japan Color 2001 Coated」が多く使用されています。
また、韓国や台湾では「Japan Color 2001 Coated」、北米では「Coated GRACoL 2006 (ISO 12647-2:2004)」、ヨーロッパやその他地域では「Coated FOGRA39 (ISO 12647-2:2004)」がよく使用されています。印刷所の指定がない場合は、いずれかを参考に設定すると良いでしょう。
※CLIP STUDIO PAINT Ver.4.2未満では、キャンバス作成後に[表示]メニュー→[カラープロファイル]→[カラープロファイル設定] で設定します。
あとからカラープロファイルを設定する/変更する
キャンバスを作成したあとにカラープロファイルを設定したいとき、または設定した内容を変更したいときは、次の操作で設定できます。
・単一のキャンバスの場合:[編集]メニュー→[キャンバス基本設定を変更]
・複数ページ作品(EX)の場合:[ページ管理]メニュー→[ページ基本設定を変更]/[作品基本設定を変更]
カラープロファイルプレビューでCMYKの見え方を確認する
新規作成時にカラープロファイルを設定すると、自動で設定したカラープロファイルに合わせてプレビュー表示されます。
プレビュー表示とは、RGBで作業中のデータを、印刷時のCMYKの見え方に近い状態で画面に表示する機能です。編集中のRGBデータが実際にカラー変換、補正されているわけではないので注意してください。
プレビュー表示は、[表示]メニュー→[カラープロファイル]→[プレビュー]を選択してオン/オフを切り替えられます。
また、[表示] → [カラープロファイル] → [プレビューの設定] では、[プレビューするカラープロファイル]のほか、細かい調整ができるようになっています。
[カラープロファイルプレビュー]ダイアログの設定内容
①キャンバスのプロファイル:
キャンバス(clipファイル)に埋め込まれているカラープロファイルが表示されます。[キャンバスのプロファイル]はここでは変更できません。[編集]メニュー→[キャンバス基本設定を変更]で変更してください。
②表示用プロファイル:
プレビュー表示や汎用画像形式で書き出す際に適用するカラープロファイルを指定できます。
③レンダリングインテント:
カラー変換する時に、CMYK色域外の色をどのように変換するかの方法を指定します。
[知覚的]・[彩度]・[相対的な色域を保持]・[絶対的な色域を保持]の4種類から選択できます。
知覚的
階調のある色の再現を重視して画像全体のバランスをとって変換します。
カラー変換時の色補正で元の色に近づけやすくなります。
彩度
カラー変換前後の画像の最も明るい部分の差を比較して、明るさを保ちます。色の正確さよりも色の鮮やかさを重視した変換方法です。
一般的に、作品制作時のカラー変換では使用しません。
相対的な色域を保持
元の白点(明るさの基準)を基準にして、近い色味に変換します。自然な再現を重視する場合によく使われます。
絶対的な色域を保持
プリンターなどでオフセット印刷機をシミュレートして色校正をする、「ハードプルーフ」時などに選択します。
一般的に、作品制作時のカラー変換では使用しません。
④使用ライブラリ:
Windows環境のみ選択できます。カラー変換に使用するライブラリを選択します。
CMYKに対応したアプリケーションと画像をやり取りする場合は、どちらのアプリケーションでも同一のライブラリを使用しないと色味が変わる可能性があります。
やり取りするアプリケーションがPhotoshopの場合は、Photoshopが「MicrosoftICM」を使用できるため、CLIP STUDIO PAINTでは「MicrosoftICM」を使用し、Photoshopも同様に設定することをおすすめします。
⑤色調補正:
オンにすると、CMYKにカラー変換する時の色調補正を設定することができます。
「プレビューするプロファイル」で、頭に「CMYK:」とついているプロファイルを選択している場合のみ選択できます。
補正の方法は、「トーンカーブ」「レベル補正」の2つです。
設定方法は、[編集]メニュー→[色調補正]の各項目と同様です。
詳しくは、CLIP STUDIO PAINT ユーザーガイドの[トーンカーブ][レベル補正]を参照してください。
⑥設定の適用範囲:
プレビュー設定で変更した内容の適用範囲を指定します。
キャンバスに保存する
同じファイルを複数のウィンドウで開いていた場合は、すべてのウィンドウに設定内容が適用されます。
また、ファイルを保存するときに設定した内容も保存され、保存後に再度ファイルを開いた場合、設定内容は保持されています。
このウィンドウのみに設定する
設定変更は現在アクティブにしているウィンドウにのみ適用されます。
カラー変換や調整のプレビュー結果を見比べたい時はこちらを選択してください。
また、ファイルを保存する時には変更した設定内容は埋め込まれません。
Note:
カラー変換前後の画像を見比べたいときは、[ナビゲーター]パレットを表示するか、 [ウィンドウ]メニュー→[キャンバス]→[新規キャンバス]で、同一のファイルを新しいウィンドウで開いてください。
CMYKで書き出す
[ファイル]メニュー→[画像を統合して書き出し]や、複数ページ作品(EX)の場合は、[複数ページ書き出し]→[一括書き出し]から[.jpg(JPEG)][.tif(TIFF)][.psb(Photoshopビッグドキュメント)][.psd(Photoshopドキュメント)]いずれかの形式を選択し、[書き出し設定]ダイアログを表示します。
ダイアログの[表現色]を[CMYKカラー]にしてから[ICCプロファイルの埋め込み]にチェックをつけて保存してください。
キャンバスの新規作成時や[カラープロファイルプレビュー]でCMYKのプロファイルを指定した場合はそのプロファイルが埋め込まれます。
指定していない場合は、[ファイル]メニュー(Windows以外は[CLIP STUDIO PAINT]メニュー)→[環境設定]→[カラー変換]→[CMYKプロファイル]で指定したプロファイルが埋め込まれます。
プロファイルを埋め込まずにCMYK形式で保存すると、印刷時や他のアプリケーションで開くと色味が変わる可能性があります。
[書き出し設定]ダイアログのよく使う設定は、プリセットに登録しておくと便利です。登録方法については、設定をプリセットに登録を参照してください。
CMYKデータを扱う際の注意点
作品の編集や修正は、必ず元のRGBデータ(.clipファイル)で行いましょう。
一度CMYKとして書き出した画像(.jpgや.psdなど)を再度CLIP STUDIO PAINTで開いて編集・保存すると、内部で色の変換が再度行われ、意図せず色がくすんでしまう(劣化する)可能性があります。
色の調整や修正は必ず元のRGBデータ(.clipファイル)で行い、CMYKへの書き出しは「入稿する最後の1回だけ」にするのが、色の劣化を防ぐ最も安全な方法です。
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