VRM形式の3Dキャラクターを表情豊かに使おう-Ver3.2-
CLIP STUDIO PAINT Ver.2.2以降では、VRM形式のファイルを読み込めます。
また、Ver.3.2以降では表情シェイプキーを使用して表情を付けられます。
「VRM」は、VR(仮想現実)で使用される3Dアバター(キャラクター)に特化したファイル形式です。
VRMファイルの読み込み
VRM形式のファイルは、3Dキャラクターとして読み込めます。さらに、手足を動かして自由にポーズを付けられるほか、ポーズ素材を適用することもできます。
ポーズ素材の読み込みや表情シェイプキー機能についてはこの記事の中で紹介しています。
[ファイル]メニュー→[読み込み]→[3Dデータ]でファイルを指定するか、VRMファイルを直接キャンバスへドラッグ&ドロップすることで読み込めます。
VRM形式のファイルを読み込むと、[VRM情報]ダイアログが表示され、ファイルの使用範囲を確認できます。VRM形式のファイルを編集する前に必ず確認してください。
表情シェイプキー機能で表情を作る(Ver.3.2以降)
Ver3.2以降では、VRMファイルの表情シェイプキー機能(モーフ表情機能)に対応し、表情を細かく変更・調整することができます。
シェイプキーとは3Dモデルの形状を変化(モーフィング)させる機能です。
キャラクターの顔や体型など、複雑な形を滑らかに変形させたいときに使われます。
表情シェイプキーの操作は[ツールプロパティ]パレット→[表情シェイプ]→[表情シェイプキーの操作]から行います。
[サブツール詳細]→[キャラクター]→[表情シェイプ]→[表情シェイプキーの操作]からも同様に操作ができます。
表情シェイプキーは、口の形や感情にひもづいた表情ごとにパラメーターが設定されています。パラメーターは0から100までスライダーで自由に設定することができます。
実装されているシェイプキーは3Dキャラクターによってそれぞれ異なります。
異なったパラメーターをいくつも自由に組み合わせることで、さらに細やかで生き生きとした表情を作ることができます。
操作をしているときに、3Dキャラクターの表情が破綻してしまった場合は、[リセット]を押すと、シェイプキーのスライダーを操作する前の初期設定の表情に戻せます。
ポーズ素材には表情のデータは含まれず、素材登録することはできませんが、このあと紹介する3D画像素材では、3Dモデルの配置やポーズ、表情を3Dレイヤーとして素材登録することが可能です。
3D素材の基本的な使い方について、詳しい説明は以下の記事をご覧ください。
ポーズをつける
CLIP STUDIO PAINTでは、モデルを細かく調整して自由なポーズをつけることができます。
ポーズの付け方について詳しくは、こちらの3Dデッサン人形のポーズを調整する記事をご覧ください。3Dキャラクターも同じように操作できます。
ポーズの調整には少しコツが必要なため、はじめはポーズ素材を適用してから調整してみましょう。
[素材]パレット→[3D]→[ポーズ]の中に、[全身]と[手]のポーズが初期素材として登録されています。
全身
全身のポーズ素材を選んで、モデルにドラッグ&ドロップをすると適用できます。
手
手のポーズ素材も全身と同様に、ドラッグ&ドロップで適用できます。
他にも、[ハンドセットアップ]や、[ハンドスキャナー]を使用すると、ポーズ素材にはない手のポーズも自由につけることができます。
[ハンドセットアップ]と[ハンドスキャナー]は、[ツールプロパティ]パレットや[サブツール詳細]パレットの[ハンドポーズ]から使用できます。
ハンドセットアップ
中央の三角形の領域内で、[+]マークの[ハンドコントローラ]をドラッグすることで、指を開いたり閉じたりできます。
ハンドスキャナー
手の動きをカメラで撮影しながら、3Dモデルの手に同じポーズをつけられます。
3Dモデルの手のポーズの設定について、詳しい説明は以下の記事をご覧ください。
3Dモデルの見え方を調整する
VRM形式の3Dキャラクターを読み込んだあと、イメージした見た目ではないときは以下のように光源と影の調整を行います。
陰を表示する
読み込んだVRMファイルは、初期設定では光源の影響を受けないようになっています。
モデルの陰を表示したい場合は、[ツールプロパティ]パレットもしくは[サブツール詳細]パレットの[光源]にある[このモデルは光源の影響を受ける]をオンにします。
[このモデルは光源の影響を受ける]
左:オフ 右:オン
影を床面や他のモデルに落とす
影を投影する対象として[床面]と[3Dモデル]の組み合わせを選べます。
[このモデルの影を落とす]をオンにすると[床面]や[3Dモデル]に影が落ちます。
左上:投影しない 右上:床面のみに投影する
左下:3Dモデルのみに投影する 右下:床面とモデルに投影する
さらに細かく3Dモデルの影の形や色を調整したいときは、以下の記事をご覧ください。
表示・操作が重いときは
頂点数の多いVRMファイルなどを使用する際は、モデルの表示や操作が重くなる場合があります。
VRMを出力する際にできるだけ頂点数を減らすか、以下で紹介する内容を試してみましょう。
[編集表示設定]を[高速]に変更する
VRM形式のファイルの表示が重い場合は、[ツールプロパティ]パレットや[サブツール詳細]パレットの[編集表示設定]を[高速]にすると、改善される場合があります。
[物理シミュレーション]をオフにする
既存の3DレイヤーにVRMファイルを読み込んだとき、[物理シミュレーション]がオンの状態で読み込まれます。
操作が重い場合はモデルの下部に表示されているランチャーにある[物理シミュレーション]をオフにすると、改善される場合があります。
3D画像素材に登録する
ポーズと表情をつけたVRM形式のモデルは3Dレイヤーをまるごと3D画像素材として登録できます。気に入ったポーズや表情、3Dファイルの配置があったら素材登録してみましょう。
登録したい3Dレイヤーを選択して、[編集]メニュー→[素材登録]→[画像]から[素材のプロパティ]ダイアログを開きます。
[素材名]と[素材保存先]を決めて[OK]をタップすると、3Dキャラクターが含まれたレイヤーが3D画像素材として保存されます。
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