魚眼定規の設定方法について

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ユキノコ(Yukinoco)

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0.はじめに

クリップスタジオのバージョン2.0で魚眼パース機能が追加されました。

これはとても便利な機能ですが、少し設置などが難しいです。

今回のTIPSは小難しい事は抜きにして、よく使われている魚眼構図とそれに対応する定規の設置法を紹介していきます。

 

動画を視聴する際は、各言語の字幕を有効にしてください。

魚眼定規の設置方法

魚眼定規はまず普通のパース定規を設置してから、オブジェクトツールで定規に触って、ツールプロパティの[魚眼パース]をONにすると作れます。

 

魚眼定規の視野円

魚眼定規の外周は円になっていて、この円は視円錐の底部分で、眼球から広がる視界の範囲を表しています。

この円錐の角度はゲームでは視野角と呼ばれているものです。画角も言われています。

魚眼定規の設置は、この視界の円の中のどこにキャンバスを入れるか、魚眼のどの部分を絵に使うのか選ぶ感じで設定します。

魚眼でよく使われる構図

魚眼でよく使われるメジャーな構図は大きく分けるとこの3つです。

魚眼の上半分を使う構図、魚眼の真ん中を使う構図、魚眼の下半分を使う構図です。

 

 

この3つから自分の描きたい絵に近い構図を選べばよいでしょう。

 

それでは魚眼定規の操作の説明をしながら、それぞれの構図の定規の設置方法を紹介していきます。

魚眼定規の消失点

魚眼定規の消失点の置き方は、円の中どこかに置くか、円周上に置くかの二つがあります。

 

円の中に消失点がある時は、普通のパース定規と同じように描いた線が外に広がっていきます。

しかし消失点を円周上に置くと、反対側にもう一つ同じ方向の消失点が出来て、

線を描いても外に広がらないで、円の中に収束する感じになります。

魚眼定規の奥行方向の消失点を円の真ん中に、横方向の消失点を円周上に、縦方向の消失点も円周上に設定しました。

 

この置き方が魚眼定規で一番分かりやすいので、魚眼定規を設置する時はまずこの形を作りましょう。

魚眼定規のグリッドとプロパティ

魚眼定規にグリッドを表示させてみましょう。

オブジェクトツールで魚眼定規を触るとツールプロパティからグリッドを表示する事が出来ます。

魚眼定規は空間が把握しにくいので2つくらいは表示しておくと良いです。

 

 

 

次は魚眼定規の微調整するパラメータ、[歪みの強さ]と[視野円半径]です。

[歪みの強さ]を大きくすると、円周付近がより強く圧縮されるようになり、

小さくすると望遠レンズで撮ったような平らな画面になります。

[視野円半径]を大きくすると、魚眼定規の円が大きくなります。

これは基本的にキャンバスより大きくなるように設定します。

魚眼定規は[消失点]と[歪みの強さ]、[視野円半径]などの調節で構図に合うように調整していきます。

一度の調整で期待した構図を得ることは難しいので、根気よく調整していきましょう。

魚眼定規の真ん中にキャンバスがある構図

それではまず魚眼の真ん中にキャンバスがある構図をやっていきます。

 

消失点やアイレベル、キャンバスの位置はこんな感じです。

 

アイレベルがまっすぐで、横方向のカーブの向きがローアングルとハイアングルで切り替わる画面です。

基本の魚眼の真ん中にキャンバスを入れるだけだから一番設置が簡単です。

簡単ではありますが、参考にしながら定規を設置できるように、[ウィンドウ]メニューから[サブビュー]を開いて、この真ん中構図の画像を入れておきましょう。上の画像を自由にダウンロードして参考にしてください。

まずサブビューの構図を参考にしながら、

キャンバスが円の真ん中にすっぽりと納まるくらい視野円半径を大きくします。

オブジェクトツールで、一番大きい矢印の十字マークを掴んで、魚眼定規の全体を少し動かして微調整します。

魚眼定規を設置できました。試し描きして、問題なさそうでしたら、後は好みの構図になるように調整してください。

魚眼定規の上半球にキャンバスがある構図

次は魚眼定規の上半球にキャンバスがある構図です。

アイレベルが曲がっていて、横方向のカーブの向きがハイアングルでもローアングルでも上向きの画面です。

高さ方向の消失点も、円周上じゃなくて円の中にあって、真ん中構図より難しそうです。

 

でもなんてことはありません、真ん中構図の時に加えてひと手間増えるだけです。

まず先ほどと同じように、基本の魚眼定規を設置してから、視野円半径を大きくします。

次にアイレベルが固定されていない事を確認してから、奥行方向の消失点を上の方に持ち上げると、このようにアイレベルを曲げる事が出来ます。

次に円周上にある下方向の消失点を掴んで、円の中に入れます。

これで高さ方向の線が上向きに広がっていくようになりました。

魚眼定規の位置を変えたり、アイレベルをさらに曲げたりしてみましたが、参考画像に比べると、まだ曲がりが足りません。

なので、魚眼定規の[歪みの強さ]の数値を大きくします。

今度は歪んだ事で視野円が小さくなってしまったので、視野円半径を大きくして視野円の大きさが元に戻るようにします。

 

魚眼定規の位置がずれてしまったので全体を動かして調整します。

 

高さ方向がずれてしまったのでまた調整します。

微調整を繰り返した結果、無事魚眼定規を設置出来ました。

描きたい構図の通りに魚眼定規を設置する事は難しくは無いですが、根気がいる作業です。

設置さえしてしまえばあとは便利なので、諦めずに頑張りましょう!

この魚眼定規をアレンジする時は、魚眼定規を右クリックして、アイレベルを固定してから

消失点を動かすようにしてください。これで構図を保ったままアレンジ出来ます。

魚眼定規の下半球にキャンバスがある構図

次は魚眼定規の下半球にキャンバスがある構図です。

 

アイレベルが曲がっていて、横方向のカーブの向きがハイアングルでもローアングルでも下向きの画面です。

 

高さ方向の消失点も円周上じゃなくて、円の中にあって、線が下に広がっています。

魚眼定規の設置方法は上半球の時とほとんど同じです。視野円を大きくして、

キャンバスが魚眼の下半球に入るよう定規を動かして、

奥行方向の消失点を掴んで、アイレベルを下向きに曲げて、

円周上にある上方向の消失点を掴んで、視野円の中に入れて、

 

設置が出来ました。魚眼定規は最初は調整大変ですが、慣れたら早く設置出来るようになっていきます。

 

オマケ;ラフスケッチに魚眼定規を設置する

とりあえず最低限の使い方とよくある構図を3つ紹介しました。

最後にラフスケッチに魚眼定規を合わせるコツをひとつご紹介します。

それは魚眼定規を設置する前に、ある程度3点透視図法でラフスケッチにパース定規を設置してみておくことです。アイレベルの位置の見当を付けやすくなりますし、事前に空間をなんとなく把握することで、魚眼定規をより早く描きたい構図に近づける事が出来ます。ぜひやってみてください。

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