8.色の調整・仕上げ~完成
[1]キャラクターの細部の描き込み・調整
全体を描き終えてから細部を描き込むことで、部分的にリアリティが出たり、そこに視線が行きやすくなる効果があります。
■1.線画
キャラクターの線の色を部分的に変えるため、線画レイヤーのすぐ上に新規レイヤーを作成し、[下のレイヤーでクリッピング]を設定します。
そのレイヤーに、目の下部分や肌色の部分の線の上を、[ペン]ツール→[丸ペン]や、 [筆]ツール→[水彩]→[濃い水彩]ブラシで赤っぽい色に塗り、線画を顔のパーツになじませます。
クリッピングしているため、線以外の場所には塗られません。
※上図左側は、この工程で塗った部分がわかりやすいように、線画とクリッピング前のレイヤーのみを表示しています。
■2.髪
キャラクターの線画レイヤーの上に新規レイヤーを作成し、[鉛筆]ツール→[薄い鉛筆]のブラシサイズ7pxくらいで、まばらに散る髪を描きます。
まばらな髪を描くことで、髪により動きが感じられるようになります。
色は[スポイト]ツールで髪色の明るいところや暗いところからスポイトして描くとなじみやすいです。
■3.爪
「肌」フォルダー内のレイヤーを選択し、爪を感じさせるよう塗りを少し修正します。
■4.目
白目を塗ったレイヤーの上に新規レイヤーを作成し、白目と瞼の間の粘膜部分を意識して肌色より赤っぽい色で軽く縁取ります。
またキャラクターの線画のレイヤーを選択して[透明ピクセルをロック]を設定し、[エアブラシ]ツール→[柔らか]で目の縁に赤っぽいグラデーションを加えます。
これは線を肌色になじませる効果がありますが、やりすぎると線の印象がぼやけるので注意します。
■5.キャラクター全体の調整
全体のバランスを見ながら髪、スカート、スカーフ、目の色を調整し、仕上げにキャラクターのフォルダ内の一番上に新規レイヤーを作成し、レイヤーの合成モードを「オーバーレイ」にします。
[エアブラシ]→[柔らか]ブラシで光の当たっている所に軽く色を乗せると、部分的に少し色を鮮やかにすることができます。
※上図左側は、この工程で塗った部分のみ表示させたものです。右側はすべてのレイヤーを表示させて合成モード[オーバーレイ]に設定した状態。
[2]背景の仕上げ
すべてのレイヤーの最上部に新規レイヤー「紅葉」を作成し、最前面に散る紅葉を描き、画面に奥行きと浮遊感を出します。
①最前面の紅葉を彩色します。
ブラシはCLIP STUDIOでダウンロードした「筆(完成版?)」を使用しています。
▼使用ツール[筆(完成版?)]
②紅葉レイヤーを[レイヤー]メニュー→[レイヤーを複製]で複製し、複製したレイヤーを[フィルター]ツール→[ぼかし]→[移動ぼかし]でぼかします。
③紅葉レイヤーの上に新規レイヤーを作成し、下のレイヤーをクリッピングして[エアブラシ]→[柔らか]ブラシで紅葉に色を塗ります。
④ぼかす前の紅葉レイヤーを最上部に移動し、レイヤーの合成モードを[スクリーン]にします。
[3]全体の色の調整
最後に、全体の仕上げと色の調整をします。
新規レイヤーを最上部に作成し、レイヤーの合成モードを[焼き込み(リニア)]にします。
[エアブラシ]ツール→[柔らか]の白色でふんわりと窓の右側部分を軽く塗り、紅葉の映り込みの色を少し鮮やかにします。
またその上に新規レイヤーフォルダー「飛沫」を作成し、その中に「飛沫」レイヤーを作成します。[エアブラシ]ツール→[飛沫]で飛沫をとばします。
▼使用ツール[飛沫]
スパッタリングで絵の具を飛ばしたような、ランダムな形の飛沫が描画できるサブツールです。
初期設定の飛沫の密度が高すぎる場合は、[ツールプロパティ]の[粒子密度]で調整します。
「飛沫」レイヤーを複製して、[フィルター]ツール→[ぼかし]→[ガウスぼかし]をかけ、[編集]→[色調補正]→[色相・彩度・明度]で色を濃いオレンジ色に調整し、複製前の「飛沫」レイヤーの下に移動します。
「飛沫」フォルダーのレイヤー合成モードを[覆い焼き発光]に変更し、不透明度を51%くらいに下げます。
さらに、合成モード[オーバーレイ]レイヤーを、教室内部に比べ、窓の外側を温かみのある色合いにするために入れています。
最後に、全体の色合いを統一します。
レイヤー最上部に新規レイヤーを作成し、レイヤーの合成モードを[オーバーレイ]に変更したら、[編集]ツール→[塗りつぶし]でレイヤー全体を赤っぽい色に塗りつぶします。
「飛沫」フォルダーと同様に、レイヤーの不透明度を20%くらいに下げたら完成です。
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