手描きイラストをそのままデジタルで彩色してみる術

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あっとますた

あっとますた

鉛筆、シャープペンシルで描いたイラストは味があるものです、

本作例では手描きイラストそのままをデジタル彩色するアプローチで解説します。


手描きイラストを紙に描きます

手描きイラストをスキャナー、もしくはデジタルカメラで撮影し、

ClipstudioPaintでファイルを開きます。

※新規ファイルから「ファイル」→「読み込み」→「画像」で取り込めます。

こんな感じです。


【術式その壱】線画濃度を補正する(二値修正)

原稿を読み込みます。作例はRGBカラーで読み込みました。

取り込んだ線画は思いのほか薄いので簡単に濃度補正を行います。

下絵準備その1

不必要な部分は選択範囲で消去。次に画像にラスタライズを選択します。

「レイヤーの複製」で「乗算」をかけ「透明度100%」を調節しながら

適度に濃度を上げてレイヤメニューで「画像を結合」します。

※作例では複製した後、良い感じだったのでそのまま100%乗算しました。

 

 

レイヤはひとつに結合した状態で、

次に「編集」→「色調補正」→「2値化」で白と黒にします。

作例の「しきい値」は137にしています。

 

 


「選択範囲」→「色域選択」で白をスポイトで吸い取り、

白部分の選択範囲を消去します。


※あるいは、画像をラスタライズしたうえで、ClipstudioPaintにある機能で

◆編集 > 輝度を透明度に変換

を使っても選択範囲透明化と同じ効果を得られます。

 

 


こんな感じに出来上がったら線画の準備は完成です。

 

【出来た線画レイヤの注意ポイント】

◆この線画レイヤで直接には彩色しません

◆属性は一番上位レイヤとして「乗算」にします

◆レイヤロックをかけておくのも良いでしょう


下絵準備その2

新規レイヤを作って境界線用のアタリを描きます。

線画を元にトレスして境界線をざっくり描き、塗りこぼしがあとで出ないように

線と線をつなげて描くのがコツです。

 

 

※作例の境界線(赤)は

◆ミリペン>2~3ポイント

◆基本パレット 赤色

◆アンチエイリアスなし

を使用しています。

そして、こんなのが出来たかと思います。

境界線の線画を基に塗り分けるレイヤパーツを白で塗っていきます。

(例)新規レイヤ(スカート)自動選択→白塗り

を部位ごとに作っていきます。

作例では「髪」「肌」「服」「スカート」「くつ」にレイヤで分けました。

この各レイヤーはのちに彩色で塗りマスクの役割をします。

説明では伝わりにくいので、工程を動画にしました。

※塗分けせず、もっと簡略化するならば、非作画範囲を自動選択して反転、

で「白塗り」でもいいと思います。


塗り分けレイヤに便利な機能「透明ピクセルにロック」をかけます。

以後塗り範囲以外は塗りが適用しなくなるのでマスクのような扱いになります。

これでベースマウントが出来上がりました。

 

 

背景も同様に作っておくと作業的に便利です。

赤く引いた境界線レイヤは紫色にして不可視保管します。

(状況がヤバくなったらそこからまた取り出して作り直せます)

塗りレイヤパーツの準備が出来上がったら終わりです。

【術式その弐】線画濃度を補正する(アンシャープ)

手描き原稿を読み込みます。

作例はモノクロで読み込みました。

被写体以外(ゴミも含めて)は選択範囲で消去します。

 

 


濃度がそのままだと薄いのでレイヤーを複製し、乗算をかけます。

濃度がいい感じに深くなったかと思います。


レイヤを結合して「アンシャープ」をかけます。

フィルターメニューから、シャープ>アンシャープを選びます。

「強さ」と「半径」をほどほどで調節します。

作例は強さ半径とも69にしました。

濃淡を消失させない程度に強調させるのがコツです。


これでペン入れしなくても、いいんじゃね?

みたいな感じになれば線画は完成です。

塗りレイヤパーツごとに彩色する

あとはレイヤパーツを基本にそれぞれ彩色していきます。塗り方は自由です。

上記作例はA4紙、シャープペンシルB2 0.5、【術式その壱】で作成しました。

 

 

【デジタルで彩色するメリット】

◆マスキングシート、画材等の費用が必要なくなる

◆UNDO機能でやり直しが何度でも修正可能

◆即座に色の変更が直感的に行える

◆水、画材が乾くまでの時間が必要ない

◆家族に萌絵を描いてるのが隠し通せる

 

【デメリット】

◆慣れるまでブラシの強弱(筆の走り)を発揮しにくい

◆デジタル初期導入費用が半端ない

◆停電になるとヤバイ


上記作例はA4紙、シャープペンシルB2 0.5、【術式その弐】で作成しました


上記作例はA4紙、シャープペンシルB2 0.5、【術式その弐】で作成しました。


【術式その壱】は線画を濃淡なく強調させたいとき

【術式その弐】は線画の濃淡を活かしつつ手早く創りたいとき

必要性はその時のTPOといった感じでしょうか。

 

ペン入れする手間がなく時短で仕上がる上、

コンテタッチで作画出来るのが利点です。

筆者はこの手法で〆からよく逃げきる事をします。

 

 

手描きイラストの線画を下絵ではなく主軸においたアプローチのひとつです、

数ある術式、技法の中で自分の作品イメージ結果に一番近い方法を

導き出すのがポイントだと思います。

この解説で作風の助力となれば幸いです、どうぞ善きクリエイターライフを。

 

ClipStudioPaint EX Ver.2.0 20240905 あきべん

 

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20241016 akiben.

 

 

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