3D素材を組み合わせて背景セットを作る 1
個別にダウンロードした複数の3D素材を1つにまとめてオリジナル⁽?⁾の背景素材セットを作りたい、でもその方法が分からない!という方へ向けたTIPSです。
ここで紹介するのは、「複数の3D素材を1つのレイヤーにまとめ、レイヤーを素材として登録する」方法になります。
これを習得しておくと、複数の3D素材を使って作った部屋や店のレイアウトを別のコマにも配置できるようになったり、同じコマにある複数の3D素材をそのままの配置でまとめて動かしやすくなったりするので、とても便利です。
まんがの背景作画時には特に威力を発揮してくれると思いますので、是非覚えてみてください。
と言いたいところですが、実はこの方法には1つ大きな欠点があります。
作成した素材は3Dオブジェクトではなく、画像素材として分類、登録されます。
これはどういうことかというと、レイヤー素材として登録した素材はその後も3Dオブジェクトのままなのですが、素材を再登録する際に種類が「3Dオブジェクト」から「画像素材」に勝手に変更されてしまうのです。 そのため、予め作成しておいたパース定規にスナップさせて3D素材を設置する、という方法では使用できなくなります。
パース定規自体が使用できなくなるわけではないので、工夫次第で利便性はあるのですが、この欠点を踏まえた上で、それでもかまわない!という方のみ先へお進みください。
1 複数の素材を同じレイヤーにまとめる
ここでは例として
①カウンター
②レジスター
③コイントレイ
④キャッシュレス決済用の端末
の4つの素材を組み、レジカウンターを作成していきます。
①まずはまとめたい素材のうち、なんでもいいいので1つをキャンバスに呼び出す
最初に貼り付ける3D素材は目についたものを適当に選んでいただいてもいいのですが、まずは土台となるもの、起点となるものにしておくと、後から呼び出す素材を配置しやすくなるのでおすすめです。
ここでは土台となるカウンターを呼び出します。
カウンターがキャンバスに出現し、3Dレイヤー「カウンター」が作成されました。
素材の呼び出しは張り付け、ドラッグ&ドロップ、どちらでも大丈夫です。
②先に召喚した3D素材レイヤーを選択したまま、次の素材を召喚する
3Dカウンターレイヤーを選択した状態で、次の素材であるレジスターを呼び出します。
カウンターの上にレジスターが出現しました。
新たなレイヤーは作成されず、カウンターレイヤーの中にレジスターが入ってくれれば成功です。
この場合はカウンターの上にレジスターがあった方が後の作業がやりやすいため、ドラッグ&ドロップを利用しました。
③呼び出した素材を配置する
無事2つの素材を1つのレイヤーにまとめられましたが、この状態では理想と違っています。
そこで、次はレジカウンター素材として使用できるよう、レジの大きさと位置を調整していきます。
この時注意していただきたいのは、移動マニピュレーターの使い方です。
素材が単体の時には、右のカメラアイコンと左のキューブアイコンをなんか適当に動かして配置しています、という方もいるかと思いますが、2つの素材がセットになった今は少し勝手が違います。
まずはこのマニピュレーターアイコンの種類をおさらい⁽?⁾しましょう。
おおきく分けて3つです。
①カメラアイコン→ここでは全体の角度や位置の調整に使用します
②キューブアイコン(名称不明)→ここでは素材の個別移動に使用します
③磁石アイコン→素材を別の素材にスナップさせるために使用します
拡大縮小や移動はルートマニピュレーターを使うのがおすすめです。
カメラアイコンで全体を回しながら確認しつつ、レジをカウンターの上に配置します。四面図で確認しながら作業した方がやりやすい方は、そちらを利用するとよいでしょう。
素材の配置についての詳細は公式ガイドなどでも紹介されていますので、そちらをご確認ください。
レジを配置しました。
同じ要領でコイントレイとキャッシュレス決済端末も配置していきます。
ルートマニピュレーターでそれぞれサイズや位置の調整を行い、カウンター上に設置します。
これでレジカウンターのセットは完成です。
④作成した3Dセットのレイヤーを素材として登録する
理想のセットが完成したら、次は3D素材をまとめたレイヤーを選択して、登録したい素材パレットにレイヤーをドラッグ&ドロップします。
これで素材として登録が完了し、次回はこの素材パレットからレイヤーパレットかキャンバスにドラッグ&ドロップする(キャンバスの場合は素材貼り付けでも可)だけで、同じセットを利用できるようになります。
登録されるのは最初に説明した通り画像素材となりますので、登録した時と同じ姿で次回も出てきます。
これを利用し、自分がよく使用するアングル、上下左右の向きから見たアングルなど、複数のアングルで登録しておくと、次からはより少ない手間で設置できるようになります。
素材を「3D」の素材パレットに登録しました。
オブジェクトリストはこの通りです。
追加した素材は単体の時と同様の状態で個別になっていますので、シーンによって不要なアイテムを非表示にして利用することができるほか、特定のアイテムの位置や角度を変えたいときにも、このオブジェクトリストから動かしたいアイテムを選択し、ルートマニピュレーターなどで調整することが可能です。
可動アイテムもそのまま使用できます。
2 素材をまとめる際の注意点
これで無事、素材登録までが完了したわけですが、素材を組み上げていく過程で問題となる点が2つあります。
3D素材を使用したことのある方であればすでに経験して知っているかとは思いますが、念のためこちらも以下にまとめておきます。
①素材が増えるほど重くなる
3Dオブジェクトが画面上に増えると、PCのスペックによっては動作が悪くなったり、非常に重くなったりします。
負荷をかけすぎると、フリーズしたり、CSPが強制シャットダウンされてしまったりする場合もありますので、素材を組み上げは必ず、使用している相棒PCとご相談の上、相棒に負荷のかからない範囲で行ってください。
②アップにし過ぎると重くなる
3D素材はキャンバスを拡大してアップで見すぎると、PCのスペックによっては動きが非常に悪くなり、角度などを調整しようにもままならなくなります。
もし作業を進めている途中で3Dオブジェクトの動きが鈍くなってきたと感じた場合は、一旦、3Dオブジェクトがキャンバスに収まり、全体が見える状態まで離してから動かしてみましょう。視点をロングに切り替えることで、動きが軽くなるかもしれません。
小物を設置するときはアップで見た方が当然やりやすいのですが、PCに負荷をかけ続ける行為は危険です。不便でも、動きが軽くなる程度に離して操作することをお勧めします。
もし視点をロングに切り替えても解決しないようでしたら、3D素材が多すぎて相棒がさばききれなくなっている可能性を考えましょう。
③ASSETSで販売されている3D素材の中には、同じレイヤーにまとめられないものが存在する
まとめたいレイヤーを選択して3D素材を呼び出しても、勝手にレイヤーが別になってしまい、同じレイヤーに組み込めない素材がまれにあります。
ダウンロードする前に見分ける方法があるのかは不明ですが、ルートマニピュレーターが使えなかったり、操作方法が違っていたりする素材はまとめられないと思ってください。
同じレイヤーには組み込めない3D素材でも、セットにしたい3D素材と同じフォルダーにまとめ、フォルダーごと素材パレットに登録することは可能です。
この場合、共通のカメラアイコンがないため、アングルを変更したい場合などはそれぞれ個別にセットし直す必要があります。
固定したアングルでのみ使用する場合や、個別に呼び出す手間をかけたくない場合など、利用できる場面がありましたら利用してみてください。
3 3D素材をまとめるメリット、デメリット
こちらもすでにお伝えしてきたことですが、情報整理のため、もう一度ここにまとめておきます。
メリット
・毎回同じセットを組み上げる時間が削減される
・3Dオブジェクトのレイヤーが減り、すっきりする
デメリット
・先に設置したパース定規にスナップさせることができない
登録した素材は、次回からセットになった3Dオブジェクトとして利用可能ですが、最初に注意書きしたように、素材の種類が「画像素材」になっているため、先に設置したパース定規にスナップさせて使用することはできません。
定規にスナップさせられないと利便性が下がる、と感じる方もいるかと思いますが、工夫次第で解決できる部分はあります。
そこで、次の「3D素材のまとめ方 2」では、画像素材と化した3Dオブジェクトを背景に組み込む際の手順をまとめてご紹介していきたいと思いますので、ご興味ある方はそちらも合わせてごらんください。
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