キャラを背景から浮かせるための「ぼかし白フチ付け」処理
このTIPSは、私のマンガのアシスタント向けに書かれた作業マニュアルです。
作中でよく使っている、以下のようなぼかし白フチ処理を行う手順について解説します。
1:キャラのシルエットに沿って白ベタを敷く
白ベタ用の「マット」レイヤーは最初から、レイヤーテンプレート内の「キャラ」フォルダ内、「トーンフォルダ」の下に存在します。同じ名前のレイヤーを新規作成しないように注意してください。
(同じ名前の別レイヤーが残っていると、作家がレイヤー名を指定して移動するときの障害になります)
キャラのシルエットに沿って、「マット」レイヤーに白ベタを敷きます。
バケツツールで手早く塗るには、少なくともキャラの主線を参照レイヤーに設定する必要があります。
上のようなレイヤー構成の場合、「キャラ」フォルダを参照元にするのは問題ありませんが、「コマ枠」を参照元に選択すると、背景やフキダシも参照元に含まれてしまうので避けてください。
通常のバケツツールのほか、「隙間なく囲って塗るツール」も役立ちます。
一時的にレイヤーカラーをONにすると、塗り漏れを検出しやすくなります。
2:「マット」レイヤーに白フチ付けして、ラスタライズする
シルエットに沿って白ベタを敷いたら、その「マット」レイヤーにフチ付けします。
フチの太さはキャラとコマの大きさによりますが、小さいコマのときで15程度、とくに大きいコマのときで30程度です。
「ぼかし処理を行わないキャラの白ベタ」が他の部分にあるときは、フチ付けを行う部分だけを別レイヤーに切り分けてから、この処理を行ってください。
フチを設定したら、レイヤーパレット上で「マット」レイヤーを右クリックして、ラスタライズします。
3:「マット」レイヤーに平行線定規を設定する
「マット」レイヤーに、特殊定規の「平行線」定規を設定します。
特に指定がなければ、縦方向に垂直な定規を使います。「平行線」の定規ツールを選択し、Shiftを押しながら、上下方向に線を引く動作で設定してください。
4:「木目リボン」ブラシで、シルエットをぼかす
「木目リボン_柾目(by 橘ニシキさん)」のブラシを使って、「マット」レイヤーのシルエットをぼかす処理をします。
ブラシサイズは「150」で、定規にスナップさせるため、「スナップ可能」のオプションをONにしておきます。
白フチ部分とぼかし部分の境界がわからないように、シルエットラインの近くでは濃いめに白を入れていきます。
フチが四角っぽくなりすぎたり、濃く塗りすぎたりした場合は、透明色に切り替えて削ってください。
削りすぎて、最初に塗った白ベタ部分が透けることがないように注意してください。
以下のような具合に処理できたら、作業完了です。
この作業に使用する素材一覧
ぼかしに使用するブラシは「木目リボン」のほか、以下の無料素材でも代用できます。
著者について
ナカシマ723: 漫画版「勇者のクズ」を製作しています。
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