手書きのフレームアニメーション

220,618

ClipStudioOfficial

ClipStudioOfficial

この講座では、1枚1枚の絵を描いてアニメーションを作成する手順を解説します。

紙やセルに描いていたような伝統的な手法で、以下のような短いアニメーションを作成していきます。

アニメーション自体のテクニックについてではなく、CLIP STUDIO PAINTの機能について解説します。

 

※以下の講座で中割りや、物体の運動曲線などについて解説しています。アニメーション自体のテクニックについて学びたい場合は、以下をご覧ください。

 

※他のジャンルのアニメーションが作りたい場合、こちらを参照してください。

分岐点:作りたいアニメーションジャンルは?

 

この講座では、以下のような流れでアニメーションを作成していきます。

[1]アイディアをコンテにする

[2]新規キャンバスを作る

[3]セルにキャラクターを描く

[4]セルが切り替わるタイミングを調整する

[5]ライトテーブル機能を使って中割りする

[6]背景を描く

[7]背景にキャラクターの動きと合わせたカメラワークを付ける

[8]ムービーとして書き出す

 

[1]アイディアをコンテにする

「こんな風にしたい!」というアイディアを元にして、アニメーションの設計図となるコンテを作成します。

画面の中のキャラクターはどのようなサイズで描かれ、どのように動くのか、カメラワークがある場合カメラがどのように動くのか…ということを設定します。

カメラワークで背景などを移動させる場合、コンテに従って新規キャンバスを作成する必要があります。

そのため、アニメーションのキャンバスを作成する前にコンテを作成すると、作業が進めやすくなります。

 

今回は、下から上へ移動するキャラクターのアニメーションを作成します。背景が移り変わる様子を、カメラで追いかけていきます。

 

[2]新規キャンバスを作る

①[ファイル]メニューから[新規]を選択し、表示される[新規]ダイアログでアニメーションを選択し、以下の項目を設定します。

 

FullHDサイズでYoutubeにアップロードする前提で進めていきます。

 

・基準サイズ:[プリセット]から[1920x1080(192dpi)余白あり]を選択します。

・[作画サイズ]:縦に2倍になるよう、[高さ]を[倍率指定]で「2.00」に設定しました。

・[基準点]…[基準点]を設定すると、[作画フレーム]に対する[基準フレーム]の位置を設定できます。今回は下から撮っていきたいので、分かりやすいように[基準点]を下に設定しました。

 

※上記の[基準サイズ]はYoutubeに適した設定です。

公開する媒体やサービスによって、[新規]作成時、[アニメーション書き出し]時の適切な設定は異なります。

YouTube、TwitterやInstagramなど、投稿したいサービスの推奨規格を参考に基準サイズ、再生時間を設定するとよいでしょう。

 

・[フレームレート]:「8」fps…1秒間に8フレームのセルが表示できる設定です。

・[再生時間]:「24」フレーム数…フレームレートが8fpsのため、3秒間のアニメーションが作れます。

 

②設定が完了したら、[OK]をクリックします。

 

キャンバスが作成されました。

[タイムライン]パレットには「タイムライン 1」、[レイヤー]パレットには「1」レイヤーが格納された[アニメーションフォルダー]がすでに作成されており、「1」レイヤーは「タイムライン 1」のすべてのフレームにセル指定されています。

 

[レイヤー]パレットで[アニメーションフォルダー]内に格納されているレイヤーやレイヤーフォルダーは、[タイムライン]パレットで[アニメーションセル]としてセル指定することができます。

 

 フレームレートについて【EX】

講座内では、CLIP STUDIO PAINTのPRO版でも作成できる設定で「8fpsで24フレームを使用する3秒間のアニメーション」を作成します。

 

再生時間に制限のないEX版の場合、フレームレートによってさらに長時間滑らかに動くアニメーションが作成できます。

[フレームレート]を「30」fpsに設定した上で、同じように3秒間のアニメーションを作る場合、[再生時間]は「90」となります。

・8fpsで24フレームを使用する3秒間のアニメーション

 

・30fpsで90フレームを使用する3秒間のアニメーション

フレームレートの数値が大きいと、1秒間に表示できる絵の枚数が増え、絵が切り替わるタイミングもより細かく設定することができます。

 

[3]セルにキャラクターを描く

■1.「1」セルに絵を描く

 

「1」セルに、キャラクターの1枚目の絵を描きます。

 

【POINT】[用紙]色の設定

[レイヤー]パレットで[用紙]のサムネイルをダブルクリックすると[色の設定]ダイアログが表示され、初期設定の白から好きな色に変更できます。

淡い色でキャラクターを描きたいので、用紙の色を少し暗いグレーに変更しました。

 

 

 

■2.続きのセルを作成して、絵を描く

 

2枚目の絵を描くために「2」セルを作成する必要があります。

[タイムライン]パレットで、指定したいフレームを選択して[新規アニメーションセル]をクリックすることで、セルを作成・指定できます。

 

1枚のセルを2フレームずつ表示するために、「3」フレーム目を選択して[新規アニメーションセル]をクリックします。

 

「2」セルが作成され、続きの絵が描けるようになりました。

 

[レイヤー]パレットでセル指定されているレイヤーを選択すると、[タイムライン]パレットでも指定されているフレームが選択されます。キャンバスにも選択したセルが表示され、編集対象セルとなります。

 

「2」セルに絵を描いたら、同じ手順で続きのセルを作成して、絵を描いていきます。

 

【POINT】

一括で同じ間隔にセルを指定する[セルを一括指定]コマンドを使うことで、効率的にセルの指定と作成が行えます。

①[アニメーション]メニュー→[トラック編集]→[セルを一括指定]でセル指定を行い、②[アニメーション]メニュー→[トラック編集]→[対応するすべてのセルを作成]で、セルを一括で作成できます。

詳しい手順については、以下をご覧ください。

 

【POINT】セルの移動にはキーボードショートカットが便利!

[前のセルを選択][次のセルを選択]というふたつのコマンドにキーボードショートカットを設定することで、キーを押すだけで前後にセル指定されたレイヤーへ移動しながら描けるようになります。

 

①[ファイル]メニューから[ショートカット設定]を選択します。

※mac・タブレット版では、[CLIP STUDIO PAINT]メニューから[ショートカット設定]を選択します。

※スマートフォン版では、[メニュー]ボタン→[アプリ設定]→[ショートカット設定]を選択します。

 

②以下の項目に、押しやすいキーを設定します。ここでは以下のように設定しました。

[アニメーション]メニュー→[トラック編集]→[前のセルを選択]: ;

[アニメーション]メニュー→[トラック編集]→[次のセルを選択]: :

 

③[OK]をクリックして、ダイアログを閉じます。キーボードショートカットが設定されました。

 

 オニオンスキン機能

[タイムライン]パレットから[オニオンスキンを有効化]をクリックすると、選択したセルの前後のセルが表示され、前後の絵を参照しながら絵を描くことができます。

▲前のセルが青色、次のセルが黄緑色に表示されます

 

[アニメーション]メニュー→[アニメーションセル表示]→[オニオンスキン設定]から、オニオンスキンの表示色や表示枚数(何セル先までを表示するか)を設定できます。

 

[次のセルを選択]、[オニオンスキンを有効化]などの機能を活用しながら、すべてのアニメーションセルに絵を描いていきます。

 

 

 

■4.アニメーションの繰り返しを設定する

 

1枚のアニメーションセルは、[タイムライン]パレットにセル指定することで繰り返しアニメーションに使用できます。

今回の作例の場合、繰り返したいアニメーションのセル指定をもう一度行うことで、同じ動作を繰り返すアニメーションにできます。

 

セル指定を追加したい「7」フレーム目を右クリックして、すでに絵の描かれている「1」セルを指定します。

「9」フレーム目、「11」フレーム目にも同じようにセル指定します。

 

「1」セル~「3」セルに描いたアニメーションを、「7」フレーム目以降にも繰り返すアニメーションになりました。

 

 

 

■5.再生して、アニメーションを確認する

 

すべてのセルにキャラクターの絵が描き込めたら、アニメーションを再生して動きを確認してみましょう。

 

[タイムライン]パレットの[再生/停止]をクリックします。

 

指定されたフレーム数で、アニメーションが再生されます。

もう一度[再生/停止]をクリックすると、停止されます。

 

細かく滑らかに動かしたいシーンや、不要なセルがあれば、次の章で調整します。

 

[4]セルが切り替わるタイミングを調整する

ここまで描いてきたアニメーションは、8fpsのタイムラインに2フレームずつセル指定されているため、4枚の絵が1/4秒ずつ表示されます。

滑らかに動かしたいシーンだけ細かくセル指定し、省略できるシーンはセルの数を減らす、という風に調整することで、アニメーションにメリハリをつけることができます。

 

[タイムライン]パレットでのセル指定の調整方法を解説します。

 

 

 

<セル指定を移動する>

[タイムライン]パレットで、選択したいセルのはじめのフレームをクリックすることで、セルを選択できます。

選択したセルをドラッグすることで、指定されているフレームを移動させることができます。

 

 セルを追加、削除する

<セルを追加する>

[タイムライン]パレットで、セルを追加したいフレームを選択します。

[タイムライン]パレットの[新規アニメーションセル]をクリックすると、アニメーションセルが追加され、セル指定されます。

 

 

 

<セルを削除する>

[タイムライン]パレットで、セルをクリックして選択します。

右クリックして表示されるメニューから[削除]をクリックすると、セル指定を削除できます。

※[レイヤー]パレットのレイヤー自体は削除されず、タイムラインへの指定のみが削除されます。

 

 フレームを挿入、削除する

セルを追加、削除した場合、タイムラインに指定されているセルの数は変わりますが、再生時間は変わりません。

そのため、「2」と「3」の間にもう一枚セルを増やした時「2」の指定が短くなる、「4」セルを削除した時に「3」の指定が長くなる、ということが起きてしまいます。

 

すでに指定されているアニメーションセルのタイミングを維持したまま、セルを挿入したり、削除したい場合、以下の機能を使用します。

 

 

 

<フレームを挿入する>

[タイムライン]パレットで、フレームを挿入したい位置を右クリックしてメニューを表示します。

[フレームを挿入]をクリックします。

 

[フレームを挿入]ダイアログで、挿入したいフレーム数を入力して[OK]をクリックします。

 

右クリックした位置を起点に、フレームが挿入されます。

挿入されたフレーム数の分だけ、続くセル指定は後ろへずれこみ、再生時間も追加されます。

 

その上で、1枚セルを追加したい場合は、挿入されたフレームを選択して[新規アニメーションセル]をクリックします。

 

※DEBUT版・PRO版の場合はフレーム数制限があるため、再生時間は最大24フレームまでです。それを超える場合は、フレームを挿入できません。

 

 

 

<フレームを削除する>

[タイムライン]パレットで、削除したいフレームを右クリックしてメニューを表示します。

[フレームを削除]をクリックします。

 

[フレームを削除]ダイアログで、削除したいフレーム数を入力して[OK]をクリックします。

 

右クリックしたセルを起点に、フレームが削除されます。

削除されたフレームのセル指定も削除され、削除されたフレーム数の分だけ再生時間も短くなります。

 

【POINT】右ドラッグでフレーム数を入力する

アニメーションを作成するための[タイムライン]パレットでは、マウスによる「右ドラッグ」が便利に活用できます。

①[タイムライン]パレットで、[フレームを挿入][フレームを削除]したいフレーム数の分を右ドラッグしてメニューを表示します。

 

②[フレームを挿入]あるいは[フレームを削除]をクリックします。

表示される[フレームを挿入]、[フレームを削除]ダイアログの[フレーム数]の項目には、右ドラッグで選択したフレーム数が入力されます。

 

【POINT】

後からセルを追加したり削除すると、セルの名前が再生される順番ではなくなってしまいます。

以下の方法で、再生される順番に分かりやすくセル名を変更できます。

 

[5]ライトテーブル機能を使って中割りする

【POINT】中割りとは

作成したアニメーションを、さらに滑らかにするためには、1秒間に表示する絵の枚数を増やす必要があります。

既に描画したセルとセルの間に、さらに中間の絵を追加して動きをつなげる作業を「中割り」と言います。

 

中割りをすることでアニメーションはより滑らかに動きますが、その分描かなければならない絵の枚数が増えます。

個人で再生時間の長いアニメーションが作りたい場合、作業コストとアニメの滑らかさを天秤にかけて、制作する必要があります。

 

今回は、1秒間に8枚の絵が表示されるアニメーション(8fps)になるように、中割りを行います。

1秒間に表示される絵が4枚から8枚に描き足されることで、より滑らかになります。

 

 

 

[アニメーションセル]パレットの[ライトテーブル]機能を使用して、中割りしていきます。

 

[アニメーションセル]パレットでは、セルや他の画像ファイルを読み込んでライトテーブルに登録して、参考にしながら作画することができます。

[オニオンスキン]機能で参照できるセルは編集対象の前後のセルのみですが、[ライトテーブル]機能では離れたセルや、外部ファイルも参照できます。

また、実際のセルに変更を加えずに、ライトテーブルに登録された画像の位置や大きさの表示を変更することができます。

 

 

 

■1.セルの中間に、中割り用のセルを作成する

 

①[タイムライン]パレットで、セルを追加したいフレームを選択します。

 

②[タイムライン]パレットの[新規アニメーションセル]をクリックします。

 

「1」セルと「2」セルの間に、「1a」セルが作成されました。

 

 

 

■2.ライトテーブルに、セルを登録する

 

ライトテーブル機能を使って、以下の2枚のセルの中間を中割りします。

※現在はオニオンスキン機能によって、「1」セルは青色、「2」セルは黄緑色に表示されています。

 

①[タイムライン]パレットで、中割りしたい「1a」セルを選択します。

 

②[ウィンドウ]メニューから、[アニメーションセル]パレットを選択して表示します。

 

現在選択している編集対象セルが、パレットの上段に表示されます。

下段には、[セル固有ライトテーブル]が表示されています。このライトテーブルに、セルの描画の参考にしたい画像や他のセルを登録することができます。

 

③「1a」セルを選択している状態で、[レイヤー]パレットの「1」レイヤー(「1」セル)を[アニメーションセル]パレットの下段の[セル固有ライトテーブル]へドラッグ&ドロップします。

※この時、[レイヤー]パレットで「1」レイヤーを「クリック」すると編集対象のセルが「1」に切り替わってしまいます。[レイヤー]パレットの「1」レイヤーを一度掴んだら離さずに、[アニメーションセル]パレットのライトテーブルまで「ドラッグ&ドロップ」する必要があります。

 

「1a」セルの[セル固有ライトテーブル]に「1」セルが登録できました。

 

④次に、「2」レイヤーも同じ手順で「1a」のライトテーブルへ登録します。

 

2枚のレイヤーが登録されました。登録されているすべてのレイヤーが、不透明度50%で表示されています。

 

 

 

■3.ライトテーブルに登録したセルを操作する

 

ライトテーブルに登録されているセルを選択すると、選択しているツールは自動的に[ライトテ―ブル]サブツールに切り替わり、キャンバス上にハンドルが表示されます。

 

①ライトテーブルの「1」セルを選択します。

 

②表示されている「2」セルと重なるように、[ライトテーブル]サブツールで移動・回転させます。

 

③[アニメーション]メニュー→[ライトテーブル]→[キャンバスを中間位置に移動]を選択します。

 

④表示される[キャンバスを中間位置に移動]ダイアログで、「0」から「100」の数値を入れて調整します。

 

「50」に設定すると、ライトテーブル上の「1」と「2」の位置関係のちょうど中間位置を選択できます。

 

⑤[OK]をクリックします。

「1a」のキャンバスの位置が、「1」「2」のちょうど中間位置に移動しました。

 

【POINT】

ライトテーブルに登録したセルを選択して、[アニメーションセル]パレット右上の[表示方法]で[カラー]から[ハーフカラー]に変更することで、レイヤーカラーを変更できます。

 

変更後、さらに[表示方法]の[レイヤーカラーを変更]を選択することで、各セルそれぞれに違うレイヤーカラーを設定できます。

 

オニオンスキンと同様に、前のセルを青色、次のセルを黄緑色に変更しました。

 

 

 

■4.中割りを描画する

 

①編集対象セルを選択すると、「1a」に描画ができるようになります。

 

②「1a」セルに、「1」「2」と重なるように描画しました。

 

③[アニメーションセル]パレットの左上[ライトテーブル上のレイヤーの位置をリセット]をクリックすると、ライトテーブル上に登録されたレイヤーの位置がリセットされます。

 

「1」セルと「2」セルの中間「1a」セルに中割りできました。

 

④同じような手順で、中割りを追加したいフレームに[新規アニメーションセル]でセルを追加しては、[アニメーションセル]パレットを活用しながら中割りをしていきます。

 

※[アニメーションセル]パレットの詳しい使い方は以下のユーザーガイドを参考にしてください。

 

すべての中割りが完成しました。

ここまでの手順で、以下のようになりました。

▲中割り前→中割り後

 

この工程で、キャラクターに着彩したり、詳細を加筆できます。

タイムラインに指定されているすべてのセルに対して、順番に着彩や加筆をしていきます。

 

着彩や加筆に複数のレイヤーを使いたい場合は、以下の手順を参照してください。

 

[6]背景を描く

キャラクターが動き回る空間を描きます。

 

①[レイヤー]パレットのアニメーションフォルダーを、左の三角ボタン▼をクリックして閉じます。

 

②[新規ラスターレイヤー]をクリックして、レイヤーを作成します。分かりやすいよう「背景」とレイヤー名を変更しました。

 

③キャラクターより下の階層になるように、ドラッグして下へ移動させます。

 

④背景を描きます。

 

[7]背景にキャラクターの動きと合わせたカメラワークを付ける

「背景」を[2Dカメラフォルダー]に格納することで、カメラワークが付けられるようになります。

 

 

 

■1.2Dカメラフォルダーを作成する

 

①[アニメーション]メニュー→[アニメーション用新規レイヤー]→[2Dカメラフォルダー]を選択します。

 

2Dカメラフォルダー「カメラ 1」が作成されます。

 

②「カメラ 1」フォルダーに、「背景」レイヤーフォルダーをドラッグ&ドロップして格納します。

 

③[操作]ツール→[オブジェクト]サブツールを選択します。

「カメラ 1」フォルダーを選択している状態では、基準フレームの枠に合わせて、ハンドルが表示されます。

ハンドルを操作することで、カメラワークの[拡大・縮小]、[回転]、[移動]などの変形が設定できます。

 

 

 

■2.キーフレームを追加する

 

①[タイムライン]パレットの「1」フレーム目を選択します。

 

②[オブジェクト]サブツールで2Dカメラのハンドルを操作すると、選択しているフレームに[キーフレーム]が追加されます。

 

※カメラワークに変更を加えない状態(はじめに表示されたカメラワーク)でキーフレームを追加する場合、追加したいフレームを選択して[タイムライン]パレットで[キーフレームを追加]をクリックします。

 

「1」フレーム目で映したい背景のカメラワークが[キーフレーム]として追加されました。

 

続いて、カメラを動かします。

カメラが移動して次に映す部分と、カメラがそこへ到達するタイミングを設定できます。

キャラクターが上に移動していき、突き当りに到達するタイミングを「16」フレーム目にに設定します。

 

③[タイムライン]パレットで「16」フレーム目を選択します。

 

④[オブジェクト]サブツールでカメラのハンドルを操作して、背景のカメラワークを移動させます。

 

「16」フレーム目に[キーフレーム]が追加できました。

[キーフレーム]が設定されている「1」フレーム目と「16」フレーム目のカメラの枠が表示され、枠と枠をつなぐ[軌跡]が作成されています。

 

選択しているフレームのカメラワークは青色の枠で表示され、そのフレームでカメラに映される範囲が確認できます。

背景を映すカメラワークがつきました。

 

【POINT】2Dカメラの表示方法

2Dカメラに映る範囲の表示方法を、[オブジェクト]ツールの[ツールプロパティ]パレットで変更できます。

表示方法を[範囲を枠で表示]から[範囲内の画像を表示]に変更することで、キャンバス上で2Dカメラがレンダリングされた状態になり、実際に書き出された際のカメラワークが確認できます。

※[範囲内の画像を表示]では、2Dカメラの枠や軌跡は表示されません。

 

 

 

■3.カメラワークを再生する

 

[タイムライン]パレットの[再生/停止]を実行すると、初期設定では2Dカメラの枠が移動して、基準フレームに表示する部分を示します。

2Dカメラフォルダーの外のキャラクターは正しく基準フレームの中で再生されますが、2Dカメラフォルダーの中の背景は、基準フレームの中に再生されません。

 

そこで、実際のカメラワークを確認したい場合、[再生設定]を以下のように設定します。

 

・[2Dカメラをレンダリングする]

[アニメーション]メニューから[再生設定]→[2Dカメラをレンダリングする]を選択します。

[2Dカメラをレンダリングする]にチェックを入れることで、実際に基準フレーム内に映し出されるカメラワークで背景が再生されます。

 

・[再生開始前にレンダリングする]

[2Dカメラをレンダリングする]場合、2Dカメラをレンダリング処理しながら再生することになり、実際に再生されるアニメーションよりカクカクとぎこちなくなります。

[アニメーション]メニューから、[再生設定]→[再生開始前にレンダリングする]にチェックを入れておくことで、レンダリング処理のあとにアニメーションが再生され、カメラワークは滑らかに再生されます。

 

・[全フレーム再生]

初期設定の[リアルタイム再生]では、フレームレートの設定を正確にレンダリングした上でアニメーションが再生されます。そのため、処理が重くなります。

[全フレーム再生]に変更することで、実際のアニメーションよりやや遅く再生されることがありますが、レンダリングの処理が軽くなります。

 

・[速度優先]

自動的に解像度を落とした状態でアニメーションを再生します。

 

上記の設定にチェックを入れて[再生/停止]を行うことで、実際のカメラワークで映し出される背景が再生されます。

カメラワークの確認が不要な時は、[2Dカメラをレンダリングする]のチェックを外しておくといいでしょう。

▲左:2Dカメラをレンダリングした再生画面、右:レンダリングしていない再生画面

 

[8]ムービーとして書き出す

作成したアニメーションを、ムービーとして書き出します。

 

①[ファイル]メニュー→[アニメーション書き出し]→[ムービー]を選択します。

 

②ファイル名を入力して、保存先、保存形式を選択し、[OK]をクリックします。

MP4、AVIのどちらかに書き出しができますが、今回はMP4形式で書き出しを行います。

※AVI形式はMacでの再生に向かないため、MP4形式の方が汎用性があります。

 

③[ムービー書き出し設定]ダイアログが表示されます。

カメラワークを付けている場合、[2Dカメラを適用]にチェックが入っていることを確認します。

[オプション]の[フレームレート]は、[新規]ダイアログで選択したフレームレートと同じ値(今回は「8」fps)に設定します。

※少ない値に変更した場合、再生時間は変わりませんが、1秒間に表示される絵の枚数が少なくなります。

 

④[OK]をクリックすると、ムービーが書き出しされます。

 

3秒間のアニメーションが作成できました!

※GIFアニメとして書き出している完成例です。

 

フレームアニメーションの作り方講座は、以上です。

コメント

新着

公式 新着