ループアニメーションを作ろう

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ClipStudioOfficial

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完成済みのイラストの一部分を動かしてループアニメーションを作ります。

 

制作の過程でCLIP STUDIO PAINTのアニメーション機能の基本を習得できます。

手軽にアニメーションにチャレンジしてみたいという方にオススメの講座です。

 

 

講座では、下に示す作例を用いて解説します。

イラストの印象が引き立つように動かしたいパーツを決めてから作業します。

ほかに、光や記号のエフェクトを描き足すのも臨場感が出て効果的です。

 

作例では暗い部屋で音楽を聴きながらくつろいでいる女の子が描かれています。

目・窓から入る光・音符・雨・ブラインドの紐を動かして時間の経過が伝わるようにします。

 

作例のイラストデータと完成したアニメーションデータはそれぞれ以下のリンクからダウンロードできます。

説明される機能の確認にご活用ください。

イラストデータ

アニメーションデータ

 

以下のような流れでイラストをアニメーションにします。

まばたきは複数の絵を使ったセルアニメで、窓から入る光やブラインドは数字を指定するキーフレームアニメーションでそれぞれ動かします。

 

講座で使われているのはタブレット版のCLIP STUDIO PAINTですが、パソコンやスマートフォンでもほぼ同じ操作でアニメーションを作成できます。

デバイス別のCLIP STUDIO PAINTの基本的な使い方は次のページをご覧ください。

 

「Win/mac版の基本操作」

「【タブレット版】CLIP STUDIO PAINTの基本操作を学ぶ」

「【スマートフォン版】CLIP STUDIO PAINTの基本操作を学ぶ」

[1]レイヤーの整理

アニメーションの作業をしやすいように、イラストのレイヤーを整理します。

 

パーツ分けして動く部分と動かない部分の[レイヤー]パレットを分けます。

線と塗りがはっきりしているイラストの場合は線画と塗りを分けておくと作業がしやすいです。

レイヤー分けに迷う場合は大まかに人物と背景で分けておきます。

 

作例では以下のレイヤー構成にしました。

セルアニメの差分を描く作業をしやすいように、人物と背景のレイヤーはそれぞれ「線画」と「塗り」に分けています。

 

「窓からの光」レイヤーは不透明度を50%、レイヤーモードを[覆い焼き(発光)]にしています。不透明度にキーフレームを設定して光の変化を表現します。

[2]まばたき

キャラクターの目をパチパチと動かすまばたきのアニメーションを作ります。

パーツの切りぬき

まずはイラストの顔から目を切り抜いて動かない部分と分けます。

 

[レイヤー]パレットで、「人物-線画」レイヤーと「人物-塗り」レイヤーを選択します。

複数のレイヤーを選択するにはサムネイルの左にあるチェックボックスをオンにします。

[選択範囲]ツールから[選択ペン]サブツールを選択します。

[選択ペン]を使うと、ペンで描くようにブラシサイズを変更しながら選択範囲を指定できます。

 

両目の形を覆うように選択範囲を作ります。

[選択ペン]のはみ出しは[選択消し]サブツールを使って整えます。

線画と塗り両方が選択範囲に収まるようにします。

両目の形に合わせて選択範囲をとったら、[選択範囲ランチャー]の[切り取り+貼り付け]を押します。

[レイヤー]パレットに「人物-線画」と「人物-塗り」レイヤーから目の形を切り取ったレイヤーが作成されます。

レイヤーが作成されたら選択範囲を解除します。

 

線画と塗りをレイヤーフォルダーにまとめる

複数のレイヤーを一枚の絵(セル)としてセルアニメに使うには1つのレイヤーフォルダーにまとめる必要があります。

 

レイヤーフォルダーを新規作成し、切り取った目の線画と塗りのレイヤー2枚を格納します。

レイヤーフォルダー名を「a」に、レイヤー名を「人物-線画 のコピー」→「目-線画」、「人物-塗り のコピー」→「白目」にそれぞれ変更します。

「a」フォルダーは「人物-線画」レイヤーの1つ前面に位置するようにします。

 

切り抜き部分の描き足し

「a」フォルダーを非表示にすると「人物-塗り」レイヤーの目が描かれていた部分が切り抜かれて、空白になっていることがわかります。

まばたきさせたときに塗っていない部分が空白にならないように、「人物-塗り」レイヤーに肌や髪の毛を描き足しします。

 

「人物-塗り」レイヤーを選択した状態で[スポイト]ツールの[レイヤーから色を取得]サブツールで描画色を取得し、ブラシで肌や髪の毛を描き足します。

動かす部分と動かない部分が分かれて、まばたきのアニメーションを作る準備ができました。

 

セルアニメの作り方

セルアニメを作るには、差分となる複数の絵(セル)を用意します。

 

これから2枚の絵を描き足して、3枚の絵でまばたきのアニメーションにします。

「a」に開いた目、「b」に中割り、「c」に閉じた目をそれぞれ描いてセルに指定します。

セルの操作は[タイムライン]パレット上で行います。

 

タイムライン

まず[ウィンドウ]メニューから[タイムライン]を選択し、[タイムライン]パレットを表示し

ます。

[新規タイムライン]を押してタイムラインを作成します。

[新規タイムライン]ダイアログが表示されたら、[フレームレート]を[8]、[再生時間]を「24」フレームに設定します。

タイムラインの準備ができました。

[レイヤー]パレット上の各レイヤーが[タイムライン]パレット上でトラックとして扱われます。

【POINT】

フレームレートとは、アニメーションが1秒間に何枚のセルで構成されているかを表す単位です。

8フレーム/秒のフレームレートで24フレームの長さに設定したので、作例は3秒間のアニメーションとなります。

フレームレートについての詳しい解説はこちらの記事をご参照ください。

 

アニメーションフォルダー

次に、アニメーションフォルダーを作成して動かしたいレイヤーを格納します。

アニメーションフォルダーに入れることで、レイヤーはタイムライン上でセルとして扱われます。

 

タイムラインの[新規アニメーションフォルダー]ボタンを押すと、[タイムライン]パレットと[レイヤー]パレット上にアニメーションフォルダーが新規に作成されます。

[レイヤー]パレット上でアニメーションフォルダーの名称を「まばたき」に変更して、並び順は「窓からの光」レイヤーの1つ下にします。

目のパーツ分けをした「a」フォルダーを「まばたき」アニメーションフォルダーの中に格納します。

アニメーションフォルダーに格納した「a」フォルダーがタイムライン上の「1」フレーム目に自動的にセルとして指定されます。

タイムライン上にセルが指定されない場合は、[環境設定]ダイアログ→[アニメーション]→[レイヤー追加時にセル指定を追加する]をオンにしてください。

 

ver2.1以前のセル指定

※ver2.1以前をご利用の方は、「a」フォルダーをアニメーションフォルダーに格納した後に、以下の手順でセル指定が必要です。

セルをどのタイミングで表示するか、フレームを決めて指定します。

 

[タイムライン]パレット上でフレームを選択するには、上部の[フレーム数]の数字を押します。選択中のフレームは赤く表示されます。

[タイムライン]パレットで❶「まばたき」トラックと❷フレーム「1」を選択して❸[セルを指定]を押します。

[レイヤー選択]ダイアログで「a」を選択して[OK]を押します。

フレームにセルが登録されて、トラック上にセルのサムネイルが表示されます。

 

新規セルの作成

次に、「a」セルに続く「b」と「c」セルを作成します。

 

「まばたき」トラックを選択した状態でフレーム「1」を選択して、[新規アニメーションセル]ボタンを2回押します。

「b」「c」セルが、「a」セルに続いてフレーム「2」と「3」に作成されます。

アニメーションフォルダー内にセル指定されているレイヤーフォルダーがある場合は、そのレイヤー構造に合わせて新規にセルが作成されます。

 

[レイヤー]パレット上で「b」「c」セルのフォルダーが「a」セルと同じ構成になっているのが確認できます。

【POINT】

[タイムライン]パレット上の[ズームイン/ズームアウト]ボタンを操作するとフレームの幅が変わります。フレームを選びにくいときはズームインして幅を広げます。

 

オニオンスキン

次に、[タイムライン]パレットの[オニオンスキンを有効化]がオンになっていることを確認します。

オンにすると選択中のフレームの前後のフレームにあるセルがキャンバス上に半透明で表示されます。

 

フレーム「2」を選択すると一つ前のフレーム「1」に指定された「a」セルが半透明に表示されます。

前後それぞれ2フレームのセルがキャンバスに表示されるようにオニオンスキンの設定を変更します。

[アニメーション]メニューから[アニメーションセル表示]の[オニオンスキン設定]を選択します。

[表示枚数]を[前フレーム][後フレーム]ともに「2」へ変更します。

フレーム「3」の「c」セルを編集中にフレーム「1」の「a」セルがキャンバスにオニオンスキンで表示されるようになりました。

 

差分の作画

「a」の開いた目をオニオンスキンで確認しながら、「c」アニメーションセルの「目-線画」レイヤーに、閉じた目を描画します。

 

線画の描画色は黒にしています。

続けて、「a」「c」セルの中割りを「b」セルに描きます。

 

眼球にそった半目となるよう、「目-線画」レイヤーに立体的な目のラインを描き、「白目」レイヤーに白目を塗ります。

 

白目の描画色は「a」セルの「白目」レイヤー上で、[レイヤーから色を取得]サブツールでスポイトします。

これで、アニメーションに必要な3枚のセルが完成しました。

 

まばたきのタイミングを調整

[タイムライン]パレットでまばたきのタイミングを調整します。

「まばたき」トラックでセルの順番が

 

フレーム「1」:「a」セル

フレーム「2」:「c」セル

フレーム「3」:「b」セル

フレーム「4」:「a」セル

 

となるように[セルを指定]を実行します。

セルの順番はサムネイルのドラッグでも変更できます。

目を閉じるときは中割りを入れず、開くときに中割りを入れます。

目を開くときに比べてスピードが早くなり、自然なまばたきを表現できます。

 

[タイムライン]パレットで[再生/停止]を押して動きを確認します。

これでまばたきのアニメーションの完成です。

 

[3]窓からの光

窓からの光を不透明度が変化するキーフレームアニメーションにします。

キーフレームの有効化

[タイムライン]パレットの「窓からの光」トラックを選択した状態で[レイヤーのキーフレームを有効化]をオンにします。

 

キーフレームの追加

キーフレームは[オブジェクト]サブツールで操作できます。

[タイムライン]パレット上でフレーム「1」を選択して、[ツールプロパティ]パレット上で[レイヤー不透明度]右横のチェックをオンにすると、選択中のフレームにキーフレームが追加されます。

[タイムライン]パレットで不透明度のキーフレームを確認するには、トラック名左横の+ボタンを押して項目を展開します。

 

トラック上にキーフレームを意味する、ひし形のアイコンが表示されます。

 

キーフレームの設定

キーフレームごとに不透明度の数値を変えて光の変化をアニメーションさせます。

 

フレーム「1」を選択した状態で[レイヤー不透明度]を「35」に、フレーム「5」では「15」に、フレーム「8」では「35」に設定します。

 

キーフレームの複製

光の変化を繰り返すように設定してみましょう。

[タイムライン]パレットの「窓からの光」トラックのキーフレームを全てドラッグで選択します。

選択中のキーフレームは赤い枠で覆われます。

選択したキーフレームの一つを指で長押しして[コピー]を選択します。

PCの場合は右クリックしてコンテキストメニューを表示するか、[アニメーション]メニュー→[トラック編集]→[コピー]を選択します。

「窓からの光」トラック上のフレーム「9」を長押しして[貼り付け]を選択します。

先ほどと同様に、PC版の場合は[アニメーション]メニュー→[トラック編集]→[貼り付け]を選択します。

続けて、フレーム「17」にも同様に[貼り付け]を選択します。

フレーム「24」まで、同じ動きが3回繰り返されるようになりました。

[タイムライン]パレットで[再生/停止]を押して動きを確認します。

窓からの光のアニメーションの完成です。

 

[4]その他の背景のアニメーション

その他のパーツも同様にセルアニメやキーフレームアニメーションで動かします。

音符

音楽を聞いている雰囲気を出すため、人物の周りに音符の効果を追加します。

 

新規にアニメーションフォルダーを作成して[レイヤー]パレットの一番上に移動します。

アニメーションフォルダーの名前は「音符」とします。

「音符」トラック上でフレーム「1」を選択し、[新規アニメーションセル]を押します。

新規作成されたセルの名前を[レイヤー]パレット上で「a」に変更します。

音符の作画にはデコレーションブラシを使います。

CLIP STUDIO ASSETSから「Handdrawn note♪」ブラシをダウンロードします。

 

「a」セルを選び描画色をマゼンダにして、女の子の顔の周りに音符を描きます。

次に、フレーム「7」を選択し、[新規アニメーションセル]を選択します。

「a」セルに続いて「b」セルが作成されます。

「b」セルにも音符を描写していきます。

3秒で2回繰り返されるよう、セルをコピーします。

 

フレーム「1」「7」の「a」セルと「b」セルをドラッグで選択し、[コピー]してフレーム「13」に[貼り付け]します。

再生ボタンを押して音符の動きを確認します。

 

音符と同様にセルアニメになるように、窓の外に描き加えます。

2枚のセルをそれぞれ4フレーム毎に配置して3回同じ動きを繰り返しています。

 

ブラインドの紐

ブラインドの紐を描き足し、左右に揺れるキーフレームアニメーションにします。

回転させるキーフレームアニメーションを追加します。

 

[オブジェクト]サブツールを選択すると、キーフレームアニメーションの回転の中心が十字で表示されます。

十字をドラッグして回転の中心位置を変更します。

ブラインドの支点に回転の中心をおいて、[ツールプロパティ]パレット上で[回転角]にキーフレームを設定します。

これですべてのアニメーションの完成です。

 

[5]書き出し

完成したアニメーションを動画ファイルに書き出します。

 

GIFでは最大256色までしか使えないので、光の明暗などグラデーションをきれいに表現させるためにムービーファイルに書き出します。

 

[ファイル]メニュー→[アニメーション書き出し]→[ムービー]を選択します。

ファイルの拡張子は、SNSにもアップしやすい[mp4]を選択します。

 

[ムービー書き出し設定]ダイアログでは、フレームレートを「8」に設定します。

【POINT】

タイムラインのフレームレートと合わせることで、制作中のプレビューと動画の動きを一致させることができます。

 

SNSなどで共有するときにスムーズなループアニメーションになります。

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