3.準備・線画の取り込み

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[1]準備

まずはイラストを読み込むためのキャンバスを用意します。

 

[ファイル]メニュー→[新規]で今回は線画と同様のA3サイズにしました。

・作品の用途:[イラスト]

・キャンバスサイズ:5787px×4093px(単位を[mm]にすると420mm×297mmのA3サイズになります)

・解像度:[350dpi] ※カラー原稿は350dpi~400dpiで制作をしています

 

[2]スキャン

あらかじめ、[ファイル]メニュー→[読み込み]→[スキャン機器の選択]で自分のスキャナーを登録しておきます。

 

[ファイル]メニュー→[読み込み]→[スキャン]でスキャナーを選択し、キャンバスに読み込みます。

設定は使用するスキャナによって異なりますが、今回は下図の設定でスキャンしました。

 

線画はA3サイズなのですが、自宅のスキャナーがA4サイズまでしか取り込めないため、半分のA4サイズで2回に分けてスキャンし、取り込んだ後に1枚の線画に合体させています。

 

少し手間がかかりますが、スキャナーで読み取るときに角度に気を付けて原稿台に設置すれば、意外ときれいに繋がります。

 

[3]読み込んだ画像の調整

バラバラに取り込んだ2枚の画像がぴったりと合うように位置合わせを行い、[レイヤー]パレットで[Shift]キーを押しながらふたつのレイヤーをクリックして両方が選択された状態にします。

 

マウスの右クリックで表示されるメニューから[選択中のレイヤーを結合]を選択して線画のレイヤーを一枚に結合します。

読み込んだままの画像だと画面が暗く、次の段階で行う「線画の抽出」に不向きなため、画面を明るく、線画をくっきりと見えるように下記の調整をします。

 

[レイヤー]メニュー→[新規色調補正レイヤー]→[明るさ・コントラスト]

・明るさ:10

・コントラスト:20

 

[レイヤー]メニュー→[新規色調補正レイヤー]→[レベル補正]

・左側の黒のつまみを右へ移動させ黒をより強くします。

 

紙の白地の部分が白く見えるぐらいが目安です。

※[色調補正レイヤー]で調整する数値は線画の状態によって異なります。画面に表示される状態を見ながら数値を調整します。

※レベル補正はこちらのユーザーガイドを参考にしました。

 

[4]線画の抽出

今は線画と下地の紙がくっついている状態ですので、着色がしやすいように線だけを抽出します。

 

[レイヤー]メニュー→[レイヤーの変換]を選択します。

表示される[レイヤーの変換]ダイアログで以下のように設定しました。

・表現色:グレー

・使用色:黒のみ ※白が選択されていない状態にします。

・元のレイヤーを残す:チェックON ※不要な場合はチェックを外しても大丈夫です。

 

これでレイヤーの白地部分が透明になり、線画だけが抽出されます。

試しに、下に色のついたレイヤーを作成して確認してみました。

 

[5]線画への着色

線画は黒のままよりも、茶系などで色を付ける事によって画面に馴染みやすくなります。

 

今回は[レイヤープロパティ]の機能のひとつ[レイヤーカラー]で着色しました。

・[効果]:[レイヤーカラー]

・[レイヤーカラー]:線画にしたい色を指定

この時にアナログではみ出して描いてしまった線を消して線画を完成させます。

 

[6]線画を滲ませる

線画一枚のみでは線がぱっきりとしていて無機質なため、アナログ感をだすために少し線を滲ませます。

 

最初に、現在の「線画」レイヤーを[レイヤー]メニュー→[レイヤーを複製]でコピーし、コピーしたレイヤーに「線画ぼかし」レイヤーと名前をつけて上に重ねている状態にします。

 

この「線画ぼかし」レイヤーを選択し、下記の工程で線画にガウスをかけます。

 

[フィルタ]メニュー→[ぼかし]→[ガウスぼかし]

・ぼかす範囲:5.00

※数値はキャンバスサイズによって2~8の間で調整しています。

少し滲んで見えるかな…?程度で十分です。

 

2つの線画レイヤーはそれぞれ[乗算]にして重ね、線がきつく見えすぎないようにレイヤーの不透明度を90%に調整して終了です。

 

次回は下塗りの工程を解説します。

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