【うごくイラスト】キャラクターイラストにアニメーション部分を追加してみよう

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1枚のイラストを、SNSで目を引く「うごくイラスト」に作り変えてみましょう!

イラストの一部、たとえば口や髪、手や背景を動かすなどを動かすことで、作品ををより生き生きと見せることができます。

 

本講座では、アニメーションを作ったことがない人でも簡単にできる基本的なテクニックとして、キャラクターにまばたきの動きを付ける方法を紹介します。

 

アニメーション機能の操作について詳しくは、以下の講座をご覧ください。

 

イラストの一部を動かして、簡単なアニメーションを作ります。

 

ここでは目と眉を動かす瞬きの作り方を紹介します。

 

[1]まばたき

1.パーツを分ける

イラストから動かしたいパーツを切り抜いて、動かさないパーツとは別に、アニメーションフォルダーに収めていきます。

 

作業を始める前に、元のイラスト作品を複製して保管しておきましょう。

[ファイル]メニュー→[複製を保存]→[.clip]を選んで、ファイルを複製します。

 

①キャラクターのレイヤーを結合する

キャラクターイラストを1枚のレイヤーに結合し、動かすパーツだけをアニメーションフォルダーに格納します。

 

【POINT】

作例ではレイヤーを1枚に結合していますが、アニメーションフォルダー内で「線画」「塗り」など複数のレイヤーをレイヤーフォルダーにまとめることで、1枚のセルとしてセル指定できます。

詳しい方法は、以下の講座をご覧ください。

 

②[選択]ツール→[選択ペン]サブツールを選択し、「目と眉」が描かれた部分の選択範囲を作ります。

 

肌色の塗り部分なら、多少はみ出して選択してもかまいません。

 

【POINT】

「目と眉」がほかの線画と重なっていなければ[折れ線選択]サブツールなどを使ってもよいのですが、目の端が輪郭に重なっているので、より細かく選択範囲を作成できる[選択ペン]サブツールを選びました。

 

③選択範囲ができたら、コピー&ペーストします。[レイヤー]パレットに「目と眉」のレイヤーが作成されます。

 

④[アニメーション]メニュー→[アニメーション用新規レイヤー]→[アニメーションフォルダー]を選び、アニメーションフォルダー(「b」)を作ります。ここに「目と眉」レイヤーを入れます。

「目と眉」のレイヤーのレイヤー名を「1」にします。

 

【POINT】

[レイヤー]パレットに[アニメーション]→[アニメーション用新規レイヤー]→[アニメーションフォルダー]でアニメーションフォルダーを作ると、[タイムライン]パレットにもアニメーションフォルダーが表示されます。

※タイムライン上でセルが指定されていないと、セルの内容は編集できません。セルに描画できないときはタイムラインを確認しましょう。

※[タイムライン]パレットに何も表示されていない場合、[新規タイムライン]でタイムラインを作成する必要があります。設定項目について詳しくは、以下をご覧ください。

 

⑤もとのイラストは、[ペン]ツールで「目と眉」の部分を肌の色で塗りつぶします。

 

これで動く「目と眉」のパーツとそれ以外の動かないパーツに、フォルダー分けができました。それぞれの名称は、動かさないレイヤーを「a」、動かしたい「目と眉」のアニメーションフォルダーを「b」としています。

 

2.閉じた目を描く

レイヤーを2枚追加して、まばたきのアニメーションを作成します。次の3つのレイヤー(セル)を動かします。

 

・開いた目(現状の目と眉)のセル

・中割りのセル

・閉じた目のセル

 

ここでは、閉じた目のセルを作成し、描画していきます。

 

①[タイムライン]パレットの3フレーム目を選択します。[レイヤー]パレットから[新規ラスターレイヤー]をクリックします。[タイムライン]パレットにセルが指定されます。

【POINT】

[レイヤー]パレットからセルを指定できない場合は、[環境設定]ダイアログの[アニメーション]で、[レイヤー追加時にセル指定を追加する]をオンにしてください。

 

② [アニメーション]メニュー→[アニメーションセル表示]→[オニオンスキンを有効化]を選択し、オニオンスキンを表示します。「1」レイヤーの開いた目を確認しながら、「2」レイヤーに、閉じた目を作成します。ポイントは、まぶたを下げる動きをイメージすることと、閉じた目の幅、立体感に注意して描くことです。

開いた目の下のほうに描きます。仮にこれが上の位置だと、まぶたが下がる動きには見えなくなります。

 

③ 眉は、やや位置を下げたほかは、ほとんど「1」レイヤーの眉と同じです。

 

3.中割りする

①[タイムライン]パレットで、「1」と「2」の間のフレームを選択し、[レイヤー]パレットから[新規ラスターレイヤー]をクリックします。[タイムライン]パレットに「1a」セルが指定されます。

 

②[アニメーション]メニュー→[トラック編集]→[タイムラインの順番で正規化]を選択します。セルとレイヤーの名称が、タイムラインの表示順序に合わせて「1」「2」「3」に変更されます。

 

③開いた目と閉じた目の中割りを「2」レイヤーに描きます。オニオンスキンを表示させ、「1」と「3」の画像を確認しながら中割りします。

 

④「1」と「3」の目頭、目尻を運動曲線で結びます。動きにメリハリを出すため、中割りのアタリはやや上のほうにとります。スローイン・スローアウトの要領で、動く幅に差をつけるとリアルな動きに近づきます。

 

【POINT】

<運動曲線>

運動曲線とは、動きの軌道を表す線のことです。原画から動きを立体的に導き出し、ポイントを決めて線を結びます。

 

<スローアウト・スローイン>

ものが動き出すときに、徐々に加速していくことをスローアウト。その逆で、動いていたものが停止する際に、段々とスピードが落ちていくことをスローインといいます。アニメーションでは、早く動かしたいときは絵と絵の間の距離を長く。ゆっくり動かしたいときは距離を短くます。

 

 

 

⑤アタリに合わせて中割りのまつげを描きます。眼球の上にまぶたが重なっていることを意識してていねいに描画していきます。

 

⑥中割りの瞳は、降りるまぶたにつられるようにすこし下げて描きます。

 

4.動きを確認する

①[タイムライン]パレットの任意のフレームを右クリックしてメニューを表示し、タイムラインにセルを指定していきます。

 

②「目と眉」の「b」フォルダーのセル指定は「1」→「3」→「2」→「1」としました。

 

まず「1(開いた目)」→「3(閉じた目)」としたのは、中割りを入れないことで一瞬でパチっと目を閉じた動きにしたかったためです。

 

開くときは「3(閉じた目)」→「2(中割り)」→「1(開いた目)」とします。目を閉じる時より、開いた時のほうが中割りの分遅くなります。

 

③ [タイムライン]パレットで[再生/停止]をクリックして動きを確認します。

 

④同じように、別のアニメーションフォルダーで湯気にも動きを付け、それぞれのセルに色を塗れば完成です。

 

完成したうごくイラストはアニメーションGIFに書き出すことで、TwitterなどのSNSへ投稿できます。

[ファイル]メニューから、[アニメーション書き出し]→[アニメーションGIF]を選択すると、GIFアニメーションとして書き出せます。

 

[2]はねるボール

「まばたき」と並んで、アニメの基本としてよく題材になる「はねるボール」のアニメーションについても作り方を紹介します。

 

最初の1枚から順にセルを描いていく(送り描き)方法を「ストレートアヘッド・アクション」といいます。原画制作が必要ないような単純な作画なら、この方法でアニメーションが作れます。ストレートアヘッド・アクションで、単純な図形の動くイラストを作ると「動きを描く」練習になるのでやってみるとよいでしょう。

 

① 1枚目のレイヤーに最初のセルを描きます。順々にセルにボールを描いていきます。

 

② 2枚目のセルを描きます。[アニメーション]メニュー→[アニメーションセル表示]→[オニオンスキンを有効化]でひとつ前のセルを表示させるとやりやすいでしょう。

ボールはこのような動きをするように想定しています。

 

③ 続けて3枚目、4枚目……と順々に描いていきます。

 

④ 最終的にこのような軌道のボールを描いた動くイラストができました。

放物線の上のほうは動きが遅く、だんだん加速してはね返り、また徐々に減速していく様子を、スローイン・スローアウトの要領で描いています。また地面にぶつかったボールをひしゃげて描いているのもポイントです。

 

このような動くイラストなら、短時間で制作できます。ソフトの使い方を覚える助けにもなるので、ぜひ練習してみてください。

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