バトルマンガの光のエフェクト 集中線ブラシの使い方
はじめに
今回はバトル漫画でよくある光の表現を、集中線ブラシを使って描く方法をご紹介します。
動画に各言語の字幕を付けましたので、字幕を有効にしてからご覧ください。どちらか一方でも良いですが、このTIPSと動画を両方見るとより分かりやすいかと思います。
集中線ブラシは、ペンでなぞった所に集中線を描いてくれるツールです。
このように放射線定規と、放射曲線定規にスナップすることが出来ます。
このツールを使えば、このような爆発も簡単に描くことが出来ます。
集中線ブラシは、サブツールウィンドウの左上のメニューの上から5番目、[カスタムサブツールの作成]をクリックして、適当に名前を付けて、[出力処理]を[集中線]にして、[入力処理]を[ブラシ]にすると作成出来ます。その他の設定は自由に変更してください。
下記にこのTIPSで使っているブラシがDL出来ます、良かったら使ってみて、参考にしてください。
1.エネルギーボールを描く
今回はこのキャラクターがエネルギーボールを手に持っているシーンを描いていきます。
バトル漫画では定番のシーンです。
まずベクターレイヤーに、正方形と補助線を描いて、中心が分かるように円を描きます。
円を手の近くに移動して、中心に放射線定規を設置します。
この円の補助線は、背景を描く時には残しておいておくと便利な事もありますが、今回は補助線は消しておきます。
(放射線定規を設置してから、だ円ツールを[中心から描画する]に設定して描いても良いです)
エネルギーボールを白で塗りつぶすとこのように、指が隠れてしまいました。
指の奥にエネルギー弾があるようにしたいので、ボールのレイヤーフォルダーにマスクを作って、指の部分を見えなくします。
これは銃やティーカップなどの小物を手に持たせる時にも使えるテクニックです。
白のレイヤーの不透明度を下げて、半透明のスクリーントーンにして、淡く光っているような表現にしました。
2.エネルギーボールの光芒を描く
次は、エネルギーボールの光芒を、放射線定規に従ってペンで描いていきます。
集中線ブラシは細かい作業は苦手なので、ペンで地道に一本一本線を描いていきます。
3.大きな光芒を描く
今度はより、大きな光芒描くのですが、先ほどと同じように放射線定規に従って描くと、下の図のように、光が大きくなりすぎてしまうので、この描き方はやめて、別の描き方をします。
新しくベクターレイヤーを作って、境界効果のフチをONにして、フチの色を黒にします。
このベクターレイヤーに、中心から白の直線ツールで描くと、フチ付きの線を描くことが出来ます。
ベクターレイヤーのボールの中の部分にはレイヤーマスクをしておきます。
次に[線修正]ツールの[制御点]を[線幅修正]に設定します。
光芒の直線のベクターの端の点を、[線修正]ツールの[制御点]で線幅修正して太くします。
[制御点]ツールを使って、点の上でペンを横に動かすと、線幅を変える事が出来ます。
他の光芒も描き足して、中心の方は細く、外側は太くします。
ベクターレイヤーに描いているので、オブジェクトツールで微調整することもできます。
この描き方はパースに沿ったレーザービームや、銃撃の弾道を描くのにも便利です。
光芒の形が決まったら、ベクターレイヤーをラスタライズします。そして、色域選択で白を選択して、線と白を切り離して、別のレイヤーに分離します。
分離した白のレイヤーをスクリーントーンにします。
これでエネルギーボールと光芒は完成です。
4.体に影のグラデーションのスクリーントーンを貼る
体に影のグラデーションのスクリーントーンを貼ります。
グラデーションの[形状]を[楕円]にすると、中心が暗くなってしまうので、赤いマークの[反転]を押すか、スライダーの黒と透明色の位置を入れ替えると、中心を明るくすることが出来ます。
5.集中線ブラシで体に当たる光を描く
いよいよ集中線ブラシの出番です!
事前準備として、[乗算]に設定したスクリーントーンのフォルダに、白のベタ塗りレイヤーをクリッピングしておきます。
一番上の白のレイヤーに集中線ブラシで光を描き込んでいきます。
体に光が当たる所を、自動選択ツールや投げ縄ツールで選択して、白のベタ塗りレイヤーに集中線ブラシで描くと、このように光を一瞬で描くことが出来ます。
6.体に落ちる影を描く
直接影が落ちる暗い所は黒のベタで影を描いて、少し明るい影には、集中線ブラシで影を描いていきます。
この影の集中線はベクターレイヤーに描いてあるので、後から線幅修正で太くしたりも出来ます。
完成
最後に、背景にグラデーションのスクリーントーンと集中線を描いて完成です。
以上、バトル漫画の光エフェクト・集中線ブラシの使い方講座でした
集中線ブラシは他にも色んな使い方があるので、自分に合う使い道を探してみてください。
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