3D素材を組み合わせて背景セットを作る 2

709

karasuka

karasuka

「3D素材を組み合わせて背景セットを作る 1」では、個別にダウンロードした複数の3D素材を1つのセットにまとめ、オリジナルの素材として登録する手順をご紹介しました。

今回は補足として、3D素材に付属するパース定規について説明していきたいと思います。

 

先に説明したように、まとめた素材セットには、キャンバス上にあるパース定規にスナップさせて配置できない、というデメリットがあります。

しかし、利用の仕方を工夫すれば、このデメリットを上回るメリットを得られる場合もあるかもしれません。

今回パース定規について改めて振り返ってみることで、自分なりの利便性を見つけていただければと思います。

 

 

1 パース定規はそのまま使える

同じレイヤーに複数の3D素材を統合していくとき、2番目以降に追加した3D素材は、最初に召喚した3D素材に作られたパース定規にスナップした状態で召喚されます。

従って、レイヤーに付属したパース定規はそのまま3D素材セットのパース定規として使用することができます。

 

キャンバス上にあるパース定規に3D素材セットをスナップさせることはなくても、3D素材セットに付属しているパース定規を利用して背景を組み立てることは可能です。

 

 

①3D素材セットを起点として背景を描く

背景を描き慣れている方であれば、まずはラフを用意し、ラフからパース定規を作成し、背景を描いたのちに3D素材を追加、というような手順で進めることが多いかと思います。

しかし中には、背景のラフが取れない、どうやってラフを描いたらいいのかわからない、背景のイメージが全然つかめない、という方も多いと思います。

 

そんな方に有益かも知れないのが、3D素材を起点にパースを取る、というやり方です。

 

3D素材を組んで、メインに据えたい家具セットや小物セットを用意しておけば、それを起点にラフを作成することができます。

部屋セットを用意しておけば、素材がそのままラフになります。

細部の書き込みも素材セットのパース定規を利用すれば問題なく行えます。

 

 

②3D素材の追加もできる

3D素材セットに付属するパース定規を有効にしておくことで、新たな3D素材を先に召喚した3D素材セットの定規にスナップした状態で追加することができます。

 

これは3D素材であればどれでも行うことができるので、既にご存じの方も多いとは思いますが、LT変換で背景を作成した時に「3D素材ごとにパースが全然違う!」というミステリーワールドができ上るのを阻止できますので、ぜひ活用していきましょう。

 

 

カウンターセットとは別のレイヤーで「格子棚」という3D素材を召喚してみました。

 

このように、素材が「3Dオブジェクト」になっているものであれば、素材セットのパース定規にスナップさせて、新たな3D素材を追加することが可能です。

ここではレイヤーを分けていますが、素材セットのレイヤーを選択したまま召喚すれば、同じレイヤーに組み込むこともできます。

 

 

2 フェニックスパース定規

3D素材のパース定規は、素材レイヤーに付属してくるパース定規を削除してしまった後でも、簡単に復活させることができます。

 

 

①3D素材レイヤーとは別のレイヤーに、なんでもいいから3点透視のパース定規を作成する

定規を削除しました。

 

 

3D素材レイヤーとは別のレイヤーに、3点透視のパース定規を作成しました。

3点透視であれば何でもいいので、3Dオブジェクトや描きたい背景のパースに沿って作成する必要はありません。

 

 

②作成したパース定規を3D素材レイヤーに移動する

作成したパース定規のみをレイヤー間移動させ、3D素材レイヤーに移します。

定規アイコンを上の「カウンター」レイヤーにスライドさせ、移動しました。

 

 

③3D素材をちょっとだけ動かす

定規を移動させたものの、この時点では定規と3D素材のパースは全く合っていません。

 

この状態のまま、3D素材をどの方向にでもいいのでちょっとだけ動かしてみましょう。

ちょっとである必要もないので、大きく動かしてもかまいません。

 

 

※注! 動かすときは一番左のカメラアイコンを利用しましょう

 

 

キューブアイコンの方で動かしてしまうと、セットした3D素材が崩れてしまうので注意しましょう。

 

 

画像はありませんが、カメラアイコンを使って素材をちょっとだけ動かし、また元に戻します。

 

すると…

 

 

画像の通り、パース定規は3D素材に合わせた状態に変化してくれました。

 

これで無事、パース定規は復活です。

 

 

パース定規を復活させたからなんだというのか、と思った方もいるかもしれませんが、このフェニックス定規を利用すると以下の利便性が生まれます。

 

①同じページの複数のコマで同じ素材セットを利用するとき、LT変換後にパース定規を線画レイヤー(もしくは新たに用意した定規用レイヤー)に残したまま、素材のみ次のコマへ移動させることで、3D素材が無駄に増え、キャンバスが重くなるのを防げる

 

PCのスペックによっては、3D素材が増えすぎてしまうのは非常に問題です。

LT変換して不要になった3D素材を削除していく、というごく簡単な方法もありますが、素材を使いまわす方が便利なこともあるかもしれません。

 

②3D素材を増やさず、レイヤーがちょっとだけすっきりする

 

3D素材をまとめるだけでもレイヤーは減らせますが、さらにすっきりさせたい方におすすめです。

 

どちらも大したメリットではない、と自分でも思いますが、「いつかどこかで役に立つかもしれない小技」として覚えておいていただけましたら幸いです。

 

 

おわり

以上で、3D素材のまとめ方とパース定規に関しての説明は(おそらく)終了です。

 

CSPに関しては自分もまだまだ把握できていない機能がたくさんありますので、もしかしたらこれに連なる何かがまた出てくるかもしれません。

この記事を読んでくださっている方の中には、3D素材をより便利に使いこなすための更なる必殺技、更なる秘奥義をお持ちの方もいるでしょう。

そんな技がありましたら、是非、新たなTIPSなどで教えていただけますと幸いです。

 

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

Comment

New

New Official Articles