海外アーティストによるCLIP STUDIO PAINT活用紹介
海外アーティストによるCLIP STUDIO PAINTの便利な機能や活用方法を紹介します。
Dylan Teague
コミックアーティスト(マンガ家)
活動拠点:イギリス
イギリスを拠点に活動しているイラストレーターです。
プロとしてこれまで約20年間活動しています。
主にコミックシリーズ「2000 AD」「Judge Dredd the Megazine」に関連する作品に携わっています。他にもMarvel社や、DCコミックス社の仕事をしています。
また、フランスではDelcourt社、Kennes Editions社の書籍、そして現在はHumanoides社の新しい書籍を手掛けています。
私はCLIP STUDIO PAINTの大ファンです。
「Manga Studio 4」(ComicStudio)の頃から使ってきましたが、今では、ほぼすべての仕事でCLIP STUDIO PAINTを使用しています。
CLIP STUDIO PAINTには、マンガを制作するうえで役立つ機能がたくさんあります。
ページ管理機能は、データ枚数の多いプロジェクトの整理に最適です。
ブラシもとても素晴らしく、生き生きしたタッチで描けます。
また、自分のニーズに合わせてあらゆる機能をカスタマイズできるところが、本当に気に入っています。
iPad版がリリースされて、CLIP STUDIO PAINTを持ち運べるようになったので、印刷用の作品の制作も、場所を選ばずに作業できるようになりました。
■ お気に入りの機能
・パース定規
私が当時、「Manga Studio 4」を使っていた理由は、パース定規にありました。とても使いやすい機能です。
私の作品はパースを多用しています。そのため、消失点の作成、特にキャンバスからはみ出す位置にある消失点の作成が非常に辛いと感じていました。「Manga Studio 4」やCLIP STUDIO PAINTでは、キャンバスの外の消失点の作成や調整も簡単です。
あとからアップデートで追加された、パース定規にグリッドを表示する機能と、3Dオブジェクトをパース定規と連動させる機能も、とても役に立っています。
・コマ枠ツール
コマ枠機能も大好きです!
[新規]ダイアログでコマ割りテンプレートを設定することで、すべてのページに同じ設定のコマ枠が作成できるため、ページ管理機能と合わせると非常に使いやすいです。
また、枠線の種類、ノドの幅が簡単に設定でき、その設定をすべてのページに反映できるところが好きです。
Derrick “DCWJ” Chew
フリーランスのイラストレーター
活動拠点:シンガポール
シンガポールで生まれ育ったフリーランスのイラストレーターです。
学校で2Dアニメーションを本格的に学び、「日本のアニメ」と「西洋風のアート」両方に魅了され、影響されています。
以前はImaginary Friends Studios(コンセプトアート・デジタルイラスト制作会社)に所属し、シニアアーティストとして働いていました。
その後、さまざまな有名エンターテインメントや、ゲーム会社のキャラクターイラスト、コンセプトアートなどに携わり、活動の幅を広げています。
CLIP STUDIO PAINTは、多目的に使用できるデジタルペイントソフトです。多くのユニークで便利な機能を備えていて、描画とペン入れ作業には理想的です。
操作方法が簡単に覚えられるうえ、多くのツールやカスタムブラシがあるので、自分の好きな雰囲気のイラストを描いたり色を塗ったりすることができます。
さらに、CLIP STUDIO PAINTに収録されている3Dモデルのキャラクター、小道具、背景は、ポーズや角度を調整して参考資料として使うことができ、とても役に立っています!
手頃な価格で、誰でも利用しやすいというところも魅力ですね。
■ お気に入りの機能
・パース定規
CLIP STUDIO PAINTのパース定規は最も好きな機能の一つです。
パース定規を使う以前は、パース空間のレイアウト作業に多くの時間を費やしていてとても面倒だったことを思い出します。でも今はとても簡単に作ることができるので、楽しい作業です!
・ベクターレイヤー
私が気に入っている、もうひとつの興味深い機能は[ベクターレイヤー]です。
CLIP STUDIO PAINTは滑らかで正確な線を引ける、本当にいいソフトです。
それが、ベクターレイヤーを使用することで、さらに線画を簡単に編集して理想通りの描線を手に入れることができるようになります。作業時間を節約できるため、とても便利な機能です!
Kenny Ruiz
コミックアーティスト(マンガ家)
活動拠点:スペイン
「マンガ家」という職業があることを知ったときからマンガ家です。
代表作には、「Dos Espadas」、「Malefic Time」のスピンオフ作品「Soum」(Luiso Royo、Romulo Royoとの共作)、「Le Mystere Nemo」、「Infinity: Outrage」(Victor Santosとの共作)、Kid Toussaintの著作「Dupuis」シリーズ内の2編「Magic 7」と「Telemaque」などがあります。
また、「Invizimals」、「Blue & Malone」、「Playmobil: The Movie」などのアニメーションのストーリーボードを担当しました。
Escola Joso美術学校とESDIP(プロのアーティストを育成する大学)の講師も務めています。
私は2015年からCLIP STUDIO PAINTを使っています。
それまでは10年以上もペンとマーカーを使ってペン入れをしてきたので、この先も同じ手法でずっと描き続けるものだと思っていました。
しかし、CLIP STUDIO PAINTのブラシ、筆圧検知機能、そしてトレース作業を試してみたときに「これは今すぐ乗り換えるしかない」と思いました。
今では作業効率が大幅に上がり、新しい機能にも挑戦しています。標準ブラシの筆圧と感度は完璧なので、正確で自然な線を描くことができます。
CLIP STUDIO PAINTでは、私の描きたいことを自在に表現できます。
■ お気に入りの機能
・パース定規
パース定規はとんでもなく便利です。
かつての私は、多くの消失点を使った挑戦的な場面を描こうとして、多くの時間を費やしていました。
ですが最新のCLIP STUDIO PAINTでは、その作業を素早く簡単に終わらせることができます。
そのため、つまらない単純作業に割く時間を減らして、より背景にこだわることができています。
・コマ枠ツール
[コマ枠]ツールが大好きです。
ささいな機能だと思うかもしれませんが、非常に便利です。このツールにより多くの時間が節約できて、後からいつでもページを編集できます。
CLIP STUDIO PAINTは、マンガを描く人へのサービスに焦点を当てた、唯一無二のソフトウェアだと思います。そのことに、とても感謝しています。
Mirka Andolfo
コミックアーティスト(マンガ家)
活動拠点:イタリア
デジタルカラリスト(コミックの彩色担当者)としての経験をもつ、イタリア人のマンガ家兼イラストレーターです。
主にDC Comics社、Image Comics社、Glénat社、Marvel社、Panini Comics社で作品を描いています。
「Sacred/Profane」「Unnatural」といった著書で、世界的ヒット作品を記録しています。両方とも、7か国語以上に翻訳され出版されています。
私にとって作業速度は非常に重要です。時間がないときでも、常に高いクオリティを維持し続ける必要があります。
そのため、CLIP STUDIO PAINTは私の目的に合っています。
たとえば、直感的でシンプルなシステム、そしてブラシなどは(基本的なものでさえ)私がこれまで使ってきたデジタル描画アプリケーションの中で一番使いやすいです。
私のお気に入りは、ストロークに合わせてざらざらとしたテクスチャを残すことができる[ざらつきペン]です。ペン入れをする際によく使っています。
また、私は[デコレーション]ツールとしてまとめられているツール類をよく使います。
締め切りに追われているときに、細かい部分を簡単に描くことができるのでとても便利です。
■ お気に入りの機能
・ページ管理
CLIP STUDIO PAINTの好きな機能の1つは、サムネイルで作品のページ全体を見る機能です。
これにより、私が取り組んでいるマンガ作品の全体像を見ることができます。
特定のページの作業をしているときでも、全体図を見失わないようにしてくれる重要なツールです。
・ブラシのカスタム機能
CLIP STUDIO PAINTのブラシは、今まで私が見たソフトウェアの中で最高のものです。なぜなら、収録されている各ブラシは、それぞれ必要に応じてカスタマイズできるからです。
私はブラシを線を引く時にも、色を塗るときにも使っています。
ここ数か月で作成したイラストも同じように塗っています。私はとりわけ、とても明るい色で水彩画のような効果を再現するのが大好きです。
Amei Zhao
アニメーションの背景美術・デザインアーティスト
活動拠点:オーストラリア
オーストラリア在住。現在はフリーランスのプロデューサーやコンセプトデザイナーとして、アニメーション業界で働いています。
余暇には海で泳いだり、ハイキングを楽しんだり、海の風景を描いたりして過ごしています。
CLIP STUDIO PAINTは描画と色塗りに最適化されているので、イラストレーターにとって理想的なソフトです。
塗り用のブラシは高度なカスタマイズが可能で、とても使いやすいです。
ユーザーの投稿が盛んに行われている素材提供サービス「ASSETS」もあります。
CLIP STUDIO PAINTは線画作業を専門とする人にもおすすめできます。
滑らかな線、ラグの少なさ、ベクター描画などの特徴が、作画作業を楽しく、効率的にしてくれます。
■ お気に入りの機能
・iPad版
CLIP STUDIO PAINTにはたくさんの優れたところがありますが、その中でも最も重要だったのは、iOSで使えるiPad版があることでした。
PC版のほぼすべての機能を備えつつ、タブレット用に最適化されています。
作業環境をどこにでも持ち出せるので、屋外の景色からインスピレーションを受ける人には最高のアプリです。
例えば私の場合、色彩や雰囲気の良かった小さな滝のそばに座り、その場の雰囲気を掴んだことで、この絵のコンセプトを思いつくことができました。
このアプリケーションが便利すぎて素直にびっくりしています。
・ブラシのカスタム機能
サブツール(ブラシセット)のカスタマイズもお気に入りの機能です。
素材サービス「ASSETS」のおかげで、ペン入れ、色塗り、はたまた花柄の模様のブラシなど、膨大な選択肢が提供されています。
特に、CLIP STUDIO PAINTはとてもなめらかに色を混ぜることができます。
この絵では、砂の上にかかる前の、波の白い部分の柔らかさを表現したいと考えていました。それを実現するために、[レイヤーマスク]と不透明な水彩ブラシを使い、波の白い部分にマスクをかけました。ブラシをなじませることによって、イラストに柔らかさが生まれます。
他のソフトウェアでは実現しにくい効果です。砂が反射する光も同じ手法で描きました。
Sam Nassour
ビジュアルデベロップメントアーティスト(アニメーションのビジュアル全般のデザイン)
活動拠点:イギリス
エンターテインメントとアニメーション業界で働くアートディレクター兼ビジュアルデベロップメントアーティストです。
Cartoon Network、DreamWorks TV、Nickelodeon、Disney TVなどのスタジオで仕事を経験しました。
人を笑顔にするような、楽しくエンターテインメント性のある物語が伝わるコンセプトやイラストを描くのが好きです。
複雑なアートワークを作成する過程は、CLIP STUDIO PAINTの素晴らしい機能の助けを借りることでとても簡単になりました。
このソフトは、各機能にキーボードショートカットや修飾キーを自由に割り当てることができ、カスタマイズの幅が広いところが好きです。
色を塗っているときに、ブラシのカスタマイズ画面[サブツール詳細]にある[下地混色]のオプションを設定して、色が混ざり合う感じが好きです。
また、線画のペン入れをするためのブラシも大好きです。とても自然な感触と高い筆圧感知能力によって、太い線から細い線への移り変わりが一度のストロークで簡単に表現できます。
[手ブレ補正]機能のスライダーを調整することで、ブラシのストロークをゆっくりにしても、正確に線を引くことができます。
素早く適切な色を選ぶために[カラーサークル]パレットをキャンバスの上に配置することが多いです。
他にも、[近似色]や[中間色]パレットといった高度なカラーパレットを使用します。どちらのパレットも異なる色調のキャンバスにおいて、色を選択するときに役立ちます。
■ お気に入りの機能
・投げなわ塗りツール
CLIP STUDIO PAINTはキャラクターのデザインやイラストを作成するときによく利用している素晴らしいペイントソフトです。
[投げなわ塗り]ツールは特に素晴らしい機能のひとつで、選択範囲を作成せずに、特定の形や領域をべた塗りできます。これによって、べた塗りの工程をかなり短縮できています。
・ツールプロパティパレット
高度な[ツールプロパティ]パレットは、よく使うツールなどの設定をカスタマイズする機能があるので気に入ってます。
ワンクリックでアンチエイリアスの効果量を変更したり、[曲線]ツールの線や塗りの設定をすぐに変えられるところも好きです。
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