1.CLIP STUDIO PAINTでLINEスタンプを作ろう

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ClipStudioOfficial

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イラストレーター、オカヤマさんによるLINEスタンプ作成講座です。

CLIP STUDIO PAINTを使ったアニメーションスタンプの作成方法も解説します!

 

▼完成イメージはこちらです。

 

・作者プロフィール:オカヤマ

LINEスタンプの販売をきっかけに、イラストレーターとして活動しております。

趣味でギャグ4コマ漫画も描いております。

 

[1]LINEスタンプをCLIP STUDIOで作る利点

LINEスタンプを作ってみたいという方へ。

LINEスタンプを作る上でかなりネックになってくるのは、「スタンプをセットで描き上げる」ことかと思います。

 

<申請に必要な画像数>

 

スタンプ:8個、16個、24個、32個、40個

アニメーションスタンプ:8個、16個、24個

 

スタンプの販売申請をするには、バリエーションの違う規定の種類の画像を用意しなければなりません。

 

イラストを描き慣れている方はさらっと描けてしまうかもしれませんが、途中でネタ切れになってしまったり、作成に時間がかかってしまったりする事もあるかもしれません。

しかし、スタンプは無事に販売開始の許可が出れば、よほどの問題がない限りストアに並び続けます。

 

最初の売り上げがかんばしくなくても、キーワード検索で購入してくださる方がいたり、特集でピックアップされることで人目についたり、著名人の方が公式アカウントで使用することで人気が出るなど、いつチャンスがめぐってくるか分かりません。

とにかく全種類作り上げることが大事かと思います。

 

たくさんの画像を用意するためには作業の効率化が重要ですが、 私自身は、CLIP STUDIO PAINTでスタンプの制作をすることにより、便利な機能によって作業時間の効率をあげることができました。

 

詳しい機能については、次回以降に詳しくご説明させて頂きます。

 

 

 

■CLIP STUDIO PAINTの便利な機能

 

・ベクター描画による線画の細かい修正ができる

(連載第2回で紹介)

 

・デコレーションや多彩な素材によって手軽にバリエーションを増やせる

(連載第3回で紹介)

 

・うごくイラスト機能によるアニメーションスタンプ制作

(連載第4回で紹介)

※この画像はWEB閲覧用に、アニメーションGIFで書き出しています。

 

[2]新規キャンバスの作成・テンプレート設定

はじめに[ファイル]メニュー→[新規]を選んで新規キャンバスを作成します。

 

次に、[単位]を[px]に設定します(①)。

 

LINEスタンプのサイズは、標準のスタンプなら幅(W)370×高さ(H)320pxが最大サイズなのでその範囲内で書きやすいサイズに設定し(自分はいつも正方形で描いています)、アニメーションスタンプなら幅(W)320×高さ(H)270pxが最大サイズなので同じくその範囲内に設定します。

 

解像度は72dpi(③)以上とガイドラインにて指定されています。

 

また、用紙色は透過pngで提出するのでチェックを外しておきます(④)。

 

この時、[プリセット]欄右の[プリセットに登録]ボタン(⑤)を押すと、サイズ設定をプリセットに登録しておけるので、「LINEスタンプ」「動くスタンプ」等の名前でプリセット名を登録しておくと、次回から新規作成の際にいちいちサイズを入力しなくて済むので便利です。

 

【POINT】

アニメーションスタンプを作成する場合は、[プリセット]にあらかじめ登録されている[アニメーションスタンプ×1(原寸)] [アニメーションスタンプ×2(2倍)]が使用できます。

 

プリセットを選択すると自動的に用紙色のチェックがオフになります。

 

スタンプの規定サイズは小さいので、細かい描画や修正をしたい場合は大きいサイズで作ってから、後でサイズを小さくする方法をおすすめします。

 

また、スタンプ画像を後で宣伝用のチラシやグッズに使いたいなど他の用途での使用を考えている場合は、大きいサイズ+解像度を300~350dpiくらいまで上げて作成し、後からLINEスタンプ用に解像度を下げるパターンが良いかと思います。

 

※LINEスタンプを作成・申請する際は、LINE Creators Marketのサイトで制作ガイドラインをよくご確認ください。

 

[3]レイヤーマスクの設定

LINE Creators Marketの制作ガイドラインには「トリミングされた画像とコンテンツの間にはある程度(10px程度)の余白が必要ですので、上下左右のバランスを考慮のうえデザインしてください。」と記載されています。

 

あらかじめキャンバスにレイヤーマスクを設定しておくと、サイズギリギリまで描画する場合のはみ出し部分もきれいに表示できるようになります。

 

 

 

■レイヤーマスクを設定する手順

 

(1)[レイヤー]メニュー→[新規レイヤーフォルダー]を選択し、レイヤーフォルダーを作成します。

 

(2)[選択範囲]メニュー→[すべてを選択]でキャンバス全体を選択します。

 

(3)[選択範囲]メニュー→[選択範囲を縮小]を選択します。

 

(4)[選択範囲を縮小]ダイアログで[縮小幅]を[10]pxにし、[OK]をクリックします。

 

(5)次に、[レイヤー]メニュー→[レイヤーマスク]→[選択範囲外をマスク]を選択します。

 

(6)レイヤーフォルダーにマスクが作られます。このレイヤーフォルダーの中にレイヤーを作成すれば、余白部分に描画した場合も画像が非表示になります。

 

なお、レイヤーパレットのマスクのアイコンを右クリックし、表示されるメニューから[マスク範囲を表示]を選択すると、余白の領域が視認しやすくなります。

※下図キャンバスの紫色の部分がマスク範囲です。

 

【POINT】

大きいサイズで作りたい場合でマスクを使用する時は、先に規定サイズでマスクの設定をしてから[編集]メニュー→[画像解像度を変更]で拡大するとマスクの幅も拡大されるのでそちらの手順をおすすめします。

 

キャンバスとマスクの準備ができたら、スタンプのイラストを描いていきますが、線画や色塗りなど、描く際の便利な機能については第2回、第3回で紹介します。

 

[4]画像の書き出し

(1)[ファイル]→[複製を保存]→[.png(PNG)]で書き出します。

 

この時、スタンプのファイル名を並べたい順番で「01」から「40」(アニメーションスタンプの場合は「24」まで)にしておくと、申請の際にアップロードが楽になります。

 

大きいサイズで描画したスタンプは、以下のサイズ内に戻すことを忘れないように注意が必要です。

・普通のスタンプ:幅(W)370 × 高さ(H)320px

・アニメーションスタンプ:幅(W)320 × 高さ(H)270px

 

また、大きく描いたものを縮小する場合、絵が細かくなりすぎてしまうとリジェクト対象になりますので気を付けてください。

 

(2)スタンプがすべて用意できたら、メイン画像「main」とトークルームタブ画像「tab」を用意します。

この2つの画像は下記のサイズ通りでないとアップロードできないので、必ずこのサイズで作成してください。

・メイン画像:幅(W)240 × 高さ(H)240px (アニメーションスタンプの場合、APNG形式でも可)

・トークルームタブ画像:幅(W)96 × 高さ(H)74px

 

キャンバスのサイズは以下のような手順で変更できます。

 

■トークルームタブ画像に使いたいスタンプを320×270pxで作成していた場合

① [編集]メニュー→[キャンバスサイズの変更]で384(96の4倍)×296(74の4倍)に設定

②[画像解像度の変更]で96×74に変更

③[画像を統合して書き出し]または[アニメーション書き出し]

※メイン画像の場合は、①[キャンバスサイズの変更]でキャンバスサイズを正方形に設定し②[画像解像度の変更]で240×240に変更して書き出します。

 

【POINT】

描画するサイズがいつも決まっている場合はオートアクションに書き出し設定を登録しておくと便利です。

スタンプ画像をそのままメイン画像、トークルームタブ画像に使用する場合に、一度登録すればすぐに書き出せるようになります。

 

メイン画像は、販売開始されてストアに並んだ際に一覧で出てくる画像です。

作ったスタンプの中でもインパクトのあるものや、趣旨がわかりやすいものをメインにしておくと、購入者の方の目を引きやすいかもしれません。

 

また、タブ画像は実際に購入した方がスタンプを選ぶ画面で出るものなので、こちらはスタンプ全体のテーマがわかりやすいものにすると使う方も探しやすくなるかと思います。

 

(3)すべてのスタンプ画像「01.png」~、メイン画像「main.png」、トークルームタブ画像「tab.png」が揃ったら、ひとつのフォルダにまとめてフォルダを右クリック→「圧縮」→「.zip」でzipファイルを作成します。

 

あとはLINE Creators Marketのマイページより、スタンプを新規登録して申請完了です。

 

【POINT】

スタンプ画像をpng形式に書き出す前に、一度全体を見直して、透過ミスや誤字などがないかよく確認しておきましょう。

一度リジェクトを受けると再度審査されるまでに時間がかかることがあるため、単純なミスで販売時期を逃すことにならないようお気を付けください。

 

また、スタンプの審査でも気づかれなかったミスが販売開始してから発覚すると、最悪の場合販売停止して作り直しになることもありますので、自分自身の目でよくチェックしておくことをおすすめします。

 

次回は、スタンプの線画を描くときに便利なベクターレイヤーの使い方とテキスト入力の方法について解説します。

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