2. ベクターで線画・テキストの入力
描きはじめる前にスタンプのテーマを決めます。
「おはよう」「ありがとう」など、あいさつ系の日常会話スタンプは使いやすいし作りやすいという利点があります。
変わった言葉や専門用語でその分野の方に向けて作ってみるのもいいですし、文字を入れないスタンプも作れるので、色々なテーマを考えてみるといいかと思います。
ここでは基本的な「ありがとうございます」の文字を入れてスタンプを作ってみます。
【POINT】
あまりにも使いにくい言葉、暴力的なものや性的なもの、宗教等に関係する言葉はリジェクト対象となってしまい、作り直しになってしまう場合もありますので、ガイドラインのNGをよく確認しておきましょう。
[1]下書き
[レイヤー]パレットの[新規ラスターレイヤー]ボタンをクリックしてラスターレイヤーを作成し、作成したレイヤーをダブルクリックしてレイヤー名をわかりやすく「下書き」に変更します。
※このあとの線画では「ベクターレイヤー」を使用しますが、下書きは「ラスターレイヤー」に描画しています。線画と同じベクターレイヤーにしてしまうと、後で修正したい時に下書きと線が混ざってしまうためラスターレイヤーでの作成をおすすめします。
大まかなイメージでラフを描きます。
ラフでは[鉛筆]ツール→[濃い鉛筆]の紫色を使用して後から不透明度を下げていますが、みなさまそれぞれ見やすいお好きな設定を色々探していただけたらと思います。
下書きは黒で書きたいけれど後で見づらくなる…という方は、黒で書いた後に、[レイヤープロパティ]パレットで[レイヤーカラー]を設定すると見やすくなります。
※ [レイヤーカラー]は初期状態で水色に設定されていますが、好きな色に変更することもできます。
[2]ベクターレイヤーでの線画
下書きが終わったらベクターレイヤーに線画を描いていきます。
[レイヤー]パレットの[新規ベクターレイヤー]ボタンをクリックしてベクターレイヤーを作成します。
下書きを参考に、ベクターレイヤーに線画を書いていきます。
今回は、[ペン]ツール→[マーカー]→[マジックペン]サブツールで線画を描きました。
■ベクターレイヤーの便利な機能その1:交点消去
ベクターレイヤーに描画しておけば、線画が交差してしまった場合も、[消しゴム]ツールの[ベクター用]サブツールで簡単に修正できます。
勢いよく描いて飛び出てしまった線を[ベクター用]で触れば、一瞬で交点まできれいに消してくれます。
■ベクターレイヤーの便利な機能その2:ベクター線つなぎ、ベクター線単純化
線と線のつなぎ目は、[線修正]ツール→[ベクター線つなぎ]サブツールで上からなぞると簡単につなぐことができます。
また、線画全体のブレは[線修正]ツール→[ベクター線単純化]サブツールで上からなぞるときれいにできます。
他にも、「一度書いた後で線を太くしたかった」と思えば[線幅修正]サブツール、「この部分だけ操作したい」、と思えば[ベクター線つまみ]サブツールなど、描いた線をあとから思い通りに操作できます。
※ベクターレイヤーの便利な機能について詳しくは、こちらをご覧ください。
【POINT】
さらに[制御点]ツールによる細かい修正も可能です。
[図形]ツールと[制御点]ツールをうまく使うことで、絵がまったく描けない、という方でも簡単にイラストを作ることができます。
▲図形ツールのみで作成しました!
※他にも、[図形]ツールの[連続曲線]ではベジェ曲線が使用できます。詳しくは、以下の講座をご覧ください。
[3]文字入れ
[テキスト]ツールを選択します。
今回はCLIP STUDIO PAINに付属している「イワタアンチック体B」(I-OTFアンチックStd B)を選択しました。
※「イワタアンチック体B」は、CLIP STUDIO PAINT EX/PROのパッケージ版、ダウンロード版、バリュー版に限定特典として付属しています。限定特典のダウンロードには、CLIPのログイン、対象製品のシリアルナンバーが必要です。
フォントは、元からパソコンに入っているものでも商用利用可のものと商用利用不可のものがあります。
LINEスタンプの文字入れは商用利用にあたりますので、商用利用可のフォントを確認して使用するようにしてください。
【POINT】
使いたいフォントがいくつか固定されている方は、フォント選択時に[フォントリスト設定ダイアログを開く]→[新しいフォントリストを作成します]で、よく使うフォントをリストにすることができます。
すべてのフォントから探さなくてもよくなるのでとても便利です。
※フォントリストの使い方について詳しくは、こちらをご覧ください。
文字を入れたい箇所をクリックし、文字を入力します。
このままだと黒い背景でスタンプを使用した場合に文字が見えなくなってしまうので、[レイヤープロパティ]の[境界効果]で境界線を設定します。
ワンクリックで文字の周りに白い境界線(フチ)が付きます。
線画がすべて終了したら、下書きレイヤーを非表示にしておきます。
※テキストツールの使い方について詳しくは、以下の講座をご覧ください。
・基本編では、テキストの入力方法等の基本を解説しています。
・設定編では、行間、ルビ等の設定方法を解説しています。
次回は、今回描いた線画に色を塗って仕上げます。色塗りやバリエーションを作るときに便利な機能をご紹介します。
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