4.イラストをブラシ素材として活用する
[1]デコレーションブラシに画像を設定する
作成したイラストをデコレーションブラシに登録して、スタンプのように活用することもできます。
①[サブツール]パレットから、登録したいサブツールグループを選択し、[サブツール]パレットのメニューから[カスタムサブツールの作成]を選択します。
[カスタムサブツールの作成]ダイアログが開くので、各項目を設定します。
[名前]:サブツールの名前を設定する
[出力処理]:[直接描画]
[入力処理]:[ブラシ]
[ツールアイコン]:好きなアイコンを選択する
設定後、[OK]をクリックします。カスタムサブツール作成後、[サブツール詳細]パレットが自動的に開かれます。
②[サブツール詳細]パレットで、ブラシを設定していきます。
[ブラシ形状]→[ブラシ先端]の[先端形状]→[素材]を選択し、[ここをクリックして先端形状を選択してください]をクリックします。
[ブラシ先端形状の選択]ダイアログが開くので、先ほど登録した画像素材を選択します。
ブラシに登録したい画像をすべて選択します。
ブラシに登録する画像の順序は、ドラッグ&ドロップで変更できます。
③ブラシの設定を変更し調整します。
[ブラシ形状]→[ブラシ先端]で、[ブラシ濃度]を100に設定します。
[ブラシ形状]→[ストローク]で、[間隔]を[固定]に設定して数値を調整します。
[繰り返し方法]を[繰り返し]に設定します。
※ここの数値や繰り返し方法は、作成したイラストによって好みに調整します。
作成したイラストでデコレーションブラシを作成することができました。
<デコレーションブラシを使用した作例>
デコレーションブラシで描いた素材に背景をつけて、スマートフォンの背景画像を作成しました。
[2]リボンブラシの作成
デコレーションブラシをリボンブラシとしてアレンジすることもできます。
リボンブラシとは、[ストローク]の[リボン]をオンに設定したブラシのことです。ストロークに沿ってパターンが変形するという特徴があります。
今回は、ストライプの背景を追加し、マスキングテープ風のリボンブラシを作成します。
■1.ブラシに登録する画像を作成する
①[ファイル]メニュー→[新規]で[新規]ダイアログを表示し、[作品の用途]:[イラスト]を選択して正方形に設定した新規キャンバスを作成します。
②[表示]メニュー→[グリッド]で、キャンバスにグリッドを表示します。
[選択範囲]ツール→[折れ線選択]でグリッドに沿って選択範囲を作成し、[塗りつぶし]ツールで塗りつぶします。
ストライプ模様を作成したレイヤーの下に新規レイヤーを作成し、別の色で塗りつぶします。
繰り返すとシームレスにつながるストライプのパターン背景を作成しました。
③一つのレイヤーに統合したボールペンイラストを別のファイルからコピーし、ストライプを作成したキャンバスにペーストします。
※あらかじめボールペンイラストを画像素材に登録しておき、素材からコピー&ペーストで使用する形でも構いません。
背景レイヤーとコピーしたイラストレイヤーを選択し、[選択中のレイヤーを結合]で一枚の画像に結合します。
※ストライプ背景は複数使用するので、複製したレイヤーを結合します。
この結合したレイヤーを、第3回と同じように画像登録します。
■2.ブラシをリボンに設定する。
①ブラシ作成の工程と同じようにサブツールを作成します。
[サブツール詳細]パレットの[ブラシ形状]→[ブラシ先端]から[ブラシ先端形状の選択]ダイアログを開き、先ほど登録した画像素材を選択して設定をしていきます。
[向き]を90度に設定し、[ブラシ濃度]を100に設定します。
[ブラシ形状]→[ストローク]→[リボン]にチェックを入れます。
②[補正]から、[後補正]にチェックを入れ、補正の値を40に設定します。
※リボンブラシはストロークに合わせて画像を変形させるため、強めに補正をかけておいたほうがきれいに描画できます。
③マスキングテープ風のリボンに設定したいため、紙のテクスチャを設定します。
[紙質]から用紙テクスチャを選択します。
今回は、キャンバス地を設定しました。
[紙質適用方法]は[乗算]を設定します。
マスキングテープ風のリボンブラシができました。
<リボンブラシを使用した作例>
マスキングテープ風のリボンブラシを使用して、メモ風の画像を作成しました。
[3]作成したブラシを書き出しする
作成したブラシ素材は書き出して、他の人にシェアをすることができます。
[サブツール]パレットで作成したブラシを右クリックしてメニューを表示し、[サブツールの書き出し]からブラシ素材を書き出すことができます。
書き出されたブラシファイルは、sutファイルとして作成されます。
作成したブラシファイルをCLIP STUDIO ASSETS等で配布することで、より多くの人に自分の作成したイラストをシェアすることができます。
※ASSETSで公開する場合、紙質素材などCLIP STUDIO PAINTの初期収録素材は使用できません。
このように、手癖を活かして描いたボールペンイラストにデジタルの着彩を行うことで、緩いタッチのイラストを作成することができました。
また、デジタルの強みを活かし、素材として登録することによってより幅広くイラストを活用することができました。
ぜひ試してみてください。
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