2.クリッピングを利用した加筆

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基本編で作成したイラストに、クリッピングの機能を利用して、髪の細部を加筆していきます。


レイヤーの準備(クリッピングマスクの設定)

新規作成したレイヤーに、[クリッピングマスク]を設定します。


1 [レイヤー]パレット→[新規ラスターレイヤー]をクリックします。作成したレイヤーのレイヤー名をダブルクリックし、レイヤー名を「髪加筆」に変更します。


2 作成した「髪加筆」レイヤーが「髪」レイヤーの一つ上にくるように、[レイヤー]パレットで重ね順を変更します。


【POINT】

タブレット版・スマートフォン版をお使いの場合、レイヤー右側のグリップをドラッグすると、レイヤーを移動できます。


また、着色時に線画が見えやすいように、「ハイライト」レイヤーを非表示にします。


3 [レイヤー]パレットで「髪加筆」レイヤーを選択した状態で、[下のレイヤーでクリッピング]をクリックします。


「髪加筆」レイヤーが「髪」レイヤーにクリッピングされ、サムネイルの横に赤色の縦線が表示されます。


Tips:下のレイヤーでクリッピングとは

「クリッピング」状態のレイヤーは、1つ下にあるレイヤーの描画範囲を参照し、選択中のレイヤーの表示する領域を制限します。下のレイヤーに何も描かれていない領域(透明ピクセル)には、描画した内容が表示されなくなるので、他のレイヤーの描画範囲内に影を付けたり、加筆したりするときに有効です。なお、クリッピングの参照先になっているレイヤー(下図の例では「髪」レイヤー)を非表示にすると、クリッピング状態のレイヤー(下図の例では「髪加筆」レイヤー)の描画内容も表示されなくなります。


<描画ツールの準備>

髪の加筆には、主に[ペン]ツールのサブツール[Gペン]、[筆]ツールの[不透明水彩]、[エアブラシ]ツールの[柔らか]の3つのツールを使用します。[ブラシサイズ]は適宜変更しながら描画していきます。

なめらかなグラデーションを掛ける部分は、[エアブラシ]ツールの[柔らか]を使用します。大きな範囲をぼかすので、ブラシサイズを大きめに設定しておきます。


ハッキリとした塗り分けをする部分には、[ペン]ツールの[Gペン]を使用します。彩色に使用するので、ブラシサイズは少し大きめに設定します。


[筆]ツールの[不透明水彩]は、比較的ハッキリとした塗り分けになりますが、筆圧によって色の濃さが変わり、すでに塗ってある下地の色と混色するので、[ペン]ツールよりも少し柔らかい印象になります。混色による塗りムラができるので、意図的にブラシタッチも残せます。


<影の加筆1>

表現したいタッチによってツールを使い分けながら、髪に加筆していきます。


1 [ツール]パレットで[エアブラシ]ツールを選択し、[サブツール]パレットから[柔らか]を選択します。


2 [カラーサークル]パレットで、髪の影色よりも少し紫に近い色を取得します。


【POINT】

[スポイト]ツールを使用して、髪の影色を取得してから[カラーサークル]パレットで色を変えるとわかりやすいです。


3 ブラシサイズを大きめにした[エアブラシ]ツールのサブツール[柔らか]で、髪の曲線を意識しながら全体的にグラデーションを付けていきます。


[クリッピング]されているので、髪の範囲外に描画した部分は表示されません。


4 髪の束などを表現するために境界線をハッキリ出したい部分は、[ペン]ツールで加筆したり、[消しゴム]ツールで消したりして、メリハリをつけます。


5 メリハリをつけた境界線を滑らかにしたい部分は、[不透明水彩]で境界をなじませます。


Tips:透明色の使用

描画色を[透明色]に設定すると、使用中の描画ツールのタッチで描画内容を消したり、薄くしたりできます。[消しゴム]ツールと使い分けることで、イラストの修正をスムーズに行えます。


<影の加筆2>

髪の影部分に、さらに紫色を塗り重ねて、色に深みを出していきます。クリッピングの範囲よりも、さらに限定した部分からはみ出さずに描画したい場合は、[自動選択]ツールなどで選択範囲を作成して、選択範囲の内部に描画していきます。


1 [カラーサークル]パレットで、紫色を選択します。


2 [ツール]パレットで、[自動選択]ツール→[他レイヤーを参照選択]を選択します。


3 キャンバスの描画したい部分をクリックして選択します。

まとめて塗りたい部分は、[Shift]キーを押しながらキャンバスをクリックして、追加選択します。


4 [筆]ツールのサブツール[不透明水彩]で、色の濃さ(混色の度合い)を筆圧で、調節しながら描画していきます。


描画が終わったら、[選択範囲]メニュー→[選択を解除]で選択範囲を解除します。


5 同様の手順で少しずつ描画色を調整しながら、他の部分も着色していきます。


Tips:深みのある色にするには

手法のひとつとして、完全に同系色だけで明暗をつけるのではなく、色相を変えた近似色を加えることで、深みのある色使いになります。また、環境光や周囲の物体からの映り込み(反射光)を意識して、混色して画面全体の色を馴染ませる手法もあります。


Tips:選択範囲がうまく作成できない場合

[自動選択]ツールのサブツール[他レイヤーを参照選択]は現在描画中のレイヤーの内容も参照してしまいます。そのため、すでに描画してある部分を、うまく選択できない場合があります。この場合、一時的に不要なレイヤーを非表示にしてから、選択範囲を作成します。下図の例では、描画中の「髪加筆」レイヤーを非表示にしています。


[自動選択]ツールの[ツールプロパティ]パレットで、編集レイヤーを参照しない設定にすることもできます。


<ハイライトの加筆>

影の面積が増えると少し暗い印象になるので、レイヤーを追加し、明るい部分を描き加えてバランスをとります。


1 [レイヤー]パレットで[新規ラスターレイヤー]をクリックし、レイヤーを作成します。

作成したレイヤーのレイヤー名をダブルクリックし、レイヤー名を「髪光」に変更します。


2 「髪光」レイヤーを選択した状態で、[レイヤー]パレットの[下のレイヤーでクリッピング]をクリックします。


「髪光」レイヤーと「髪加筆」レイヤーが「髪」レイヤーにクリッピングされ、サムネイルの横に赤色の縦線が表示されます。この場合、「髪光」レイヤーは1つ下の「髪加筆」レイヤーではなく、「髪」レイヤーの描画範囲にクリッピングされます。


3 [カラーサークル]で、少し黄色がかった白を選択します。


4 [ペン]ツールのサブツール[Gペン]で、髪の流れに沿ってハイライトを入れます。


5 影になっている部分にも照り返しの光を意識して、明るい紫でハイライトを入れます。


<反射光の加筆>

髪に、翼からの反射光の青色を着色します。写実的に映り込みを描写するというよりも、全体で絵を見たときに、髪の色が浮かないようにする効果を狙って加筆します。


1 [ツール]パレットで[筆]ツールを選択し、[サブツール]パレットから[濃い水彩]を選択します。

[ツールプロパティ]パレットなどで、ブラシサイズを「170」程度に設定します。


2 [カラーサークル]パレットで水色を選択し、「髪光」レイヤーに描画します。


3 これまでと同様に、柔らかくぼかす部分は、[エアブラシ]ツールの[柔らか]を使用して着色します。


4 髪の毛の加筆が終わりました。

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