トーンの使い方・基本トーン編

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ClipStudioOfficial

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CLIP STUDIO PAINT Ver.1.9.9対応

 

CLIP STUDIO PAINTではマンガでよく使用される網点や万線などの基本的なトーンを貼ることができます。

今回はトーンレイヤーの基本的な使い方を紹介します。

 

[1]トーンレイヤーとは?

CLIP STUDIO PAINTには、 [トーンレイヤー]という、トーン専用のレイヤーがあります。

 

トーンレイヤーは、画像ではなく、べた塗りレイヤーに「線数」「濃度」「種類」「角度」などの「トーン化」の設定を付けたレイヤーです。

はじめから網点で作成された画像素材の場合は、後から網点の種類や濃度を変更することはできませんが、トーンレイヤーの場合は、線数や網点の形状などの設定をデータでもっているので、後から変更することができます。

 

また、トーンレイヤーは全面がべた塗りされたレイヤーですが、トーンレイヤーと同時に作成される[レイヤーマスク]によって表示範囲を調整します。

 

【POINT:トーンレイヤーと画像の見分け方】

キャンバスに貼り付けた状態では同じように見える網点でも、[トーンレイヤー]と画像では前述のように性質が違います。

[レイヤー]パレットのアイコン表示や[素材]パレットの詳細で確認してください。

 

[2]基本的なトーンの貼り方

基本的なトーンの貼り方を2通り紹介します。

 

 

 

■1.素材パレットのトーンを貼る

 

はじめに[素材]パレットからトーンを使用する方法を紹介します。

 

CLIP STUDIO PAINTには、あらかじめ使用されることの多い線数・濃度のトーンが登録されていますので、初心者の方はまずこちらから使用してみましょう。

 

①線画などが描かれたキャンバスを用意します。[素材]パレットからトーンを貼る場合は、あらかじめ[自動選択]ツールなどでトーンを貼りたい範囲を選択しておきます。

 

②次に、[素材]パレットから、貼りたいトーンを選択します。[素材]パレットの[単色パターン]の中には、マンガでよく使用する、網点、万線、砂目、グラデーション、柄トーンなどのトーンがあらかじめ用意されています。

※[素材]パレットが画面上に表示されていない場合は、[ウィンドウ]メニュー→[素材]を選択して表示させます。

 

③キャンバス上にドラッグ&ドロップすると、選択範囲内にトーンが貼られます。

※スマートフォン版の場合、ダブルタップすることでキャンバスに貼り付けることができます。

このとき、選択範囲を設定しない状態で、[素材]パレットからトーンをドラッグ&ドロップすると、キャンバス全体にトーンが貼られます。

また、[素材]パレットの[素材の貼り付け]アイコン(下図赤枠)をクリックしてもドラッグ&ドロップと同じようにトーンを貼ることができます。

 

 

 

■2.選択範囲ランチャーからトーンを貼る

 

選択範囲を作成してからトーンを貼る方法は同じですが、貼る前に自分でトーンの詳細を設定できます。

トーンを貼る作業に慣れてきたら、こちらを使用することが多くなるかもしれません。

 

①「■1-①」と同じようにトーンを貼りたい範囲を選択しておきます。

 

②選択範囲の下部に表示される[選択範囲ランチャー]から[新規トーン](下図赤枠)アイコンをクリックします。

 

③表示される[簡易トーン設定]ダイアログで線数・濃度・種類などを変更して[OK]ボタンをクリックすると、選択範囲内にトーンが貼られます。

 

【POINT】

また、[簡易トーン設定]は、[レイヤー]メニュー→[新規レイヤー]→[トーン]からでも呼び出せます。

 

「■1」、「■2」の方法で作成したトーンを[レイヤー]パレットで確認すると、どちらの方法でも、同じ1枚のトーンレイヤーが作成されているのがわかります。

 

【POINT】スマートフォン版でトーンを貼る

スマートフォン版で、PC版・タブレット版と同じようにトーンを貼るには、選択範囲ランチャー設定をカスタマイズすると便利です。

①選択範囲ランチャーの右にある[選択範囲ランチャー設定]をタップして、ダイアログを表示します。

②[レイヤー]→[新規レイヤー]→[トーン]を選択して、上部の[追加]をタップすると、選択範囲ランチャーにコマンドが追加できます。

 

[3] トーンを貼り足す、消す、削る

■1.トーンを貼り足す

 

はじめに作成したトーンを別の場所にも貼り足したいときは、[マジック]や[ペン]などの描画系ツールを選んで、透明色以外の色で塗るとトーン描画部分を足すことができます。

 

また、[選択範囲]ツールなどで選択範囲を作ってから、[編集]メニュー→[塗りつぶし]で透明以外の描画色で塗りつぶすことで、トーンを貼ることができます。

 

 

 

■2.トーンを消す

 

貼ったトーンを削ったり、消したりしたい場合は、トーンのマスクを[消しゴム]ツールで消します。

 

また、描画系ツールを使って、透明色で消すこともできます。

 

他にも、はみ出した部分を[選択範囲]ツールなどで選択した状態で、[Delete]キー、もしくは[編集]メニュー→[消去]で消すこともできます。

 

【POINT】

トーンレイヤーの貼り足し・消しは、[塗りつぶし]ツールで塗りつぶすこともできます。

一度部分的にトーンを貼った後、同じレイヤーに[塗りつぶし]ツールでトーンを塗っていきます。

 

 

 

■3.トーンを削る

 

トーンをアナログのカッターで削るような効果を出したいときは、[デコレーション]ツールを使用します。

 

[デコレーション]ツールの、[カケアミ]に入っている[トーン削り用]や[雲ガーゼ]等のブラシを使用し、透明色で削るようにストロークします。

 

[カケアミ(トーン削り用)]

 

[雲ガーゼ]

 

【POINT】

[ペン]や[筆]ツールの場合、ブラシにぼかしがかかっている場合があります。

[レイヤープロパティ]のマスクの階調[あり]の状態で、ぼかしのかかったブラシで貼り足しや削りを行うと、トーンの不透明度が変化します。

階調[なし]にすると、トーンの階調を変化させずに消すことができます。

印刷に使用する場合は、マスクの階調を[なし]にしましょう。階調がついてしまうと、印刷のときにトーンがキレイに出ない可能性があります。

 

[4] トーンを貼り替える

貼ったトーンを貼り替えたいとき、トーンを他のトーンに置き換える方法と、プロパティパレットでトーンの設定を変更する方法があります。

 

①レイヤーパレットで、貼り替えたいトーンレイヤーを選びます。

 

②[素材]パレットで張り変えたいトーンを選び、[トーンの貼り替え]アイコンをクリックします。

 

別のトーンに貼り替えらえました。トーンを変えてもマスクは変化しないため、描画範囲はそのまま引き継がれます。

 

[5] トーンを調整する

貼り付けたトーンは、[レイヤープロパティ]パレットで、トーンの濃度や形状など、細かな設定の変更等を行うことができます。よく使う設定を紹介します。

※画面上に[レイヤープロパティ]パレットがない場合には、[ウィンドウ]メニュー→[レイヤープロパティ]を選択してパレットを表示させます。

 

①効果

トーンの表示色やトーンの表示を変更することができます。

 

②トーン線数

網点の線数を設定できます。数値が小さいほど網が大きなトーンになり、数値が大きくなると、網点が小さく細かなトーンになります。

スライダーを移動して、自由な数値を設定することができます。

また、プルダウンからマンガでよく使う線数を選ぶこともできます。

数値部分をクリックすることで、直接数値入力することもできます。

③濃度

トーンの濃度を設定できます。数値が大きければ大きいほど、濃いトーンになります。スライダーを移動して、自由な数値を設定することができます。

また、数値部分をクリックして、直接、濃度を指定することもできます。

④網の設定

網点の種類を設定できます。網の他に、万線やノイズ、アスタリスクなどにすることもできます。

収録されている網点の種類・一例

 

⑤角度

網点の角度を設定できます。基本は45°になっています。

 

⑥ノイズのサイズ・係数

網点でノイズを選んだときに設定できます。

ノイズのサイズでは、数値が小さいと細かいノイズに、数値が大きいと大きなノイズになります。

ノイズの係数では、数値が上がるほど、ノイズの形が変化します。

⑦網点の位置

網点の位置を調整できます。Xで横方向に、Yで縦方向に移動します。網点の位置を移動したり、トーンを重ねたりするときに便利です。

⑧マスクの表現

マスクの表現を設定できます。[あり]に設定すると、ぼやけたブラシで階調がつきます。印刷するときは、階調は[なし]に設定します。

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