3Dデッサン人形を使ってみよう―ポーズ変更―
3Dデッサン人形を動かしてポーズを付けてみましょう。
ここでは、デッサン人形のポーズを調整するために必要な身体のパーツの基本的な動かし方を紹介します。
3Dデッサン人形をいろいろな方向から確認するためのカメラアングルの操作については、「[5]カメラアングルの操作」をご覧ください。
[1]ポーズを適用する
3Dデッサン人形に自由なポーズを付けるのは少しコツが必要なため、慣れないうちは希望のポーズに近いポーズ素材を適用して、そこから調整する方法がおすすめです。
ポーズ素材の使い方については、以下のTIPSをご覧ください。
体型を変更した3Dデッサン人形にポーズ素材を利用すると、手足の先の位置が微妙にずれてしまう場合があります。
下図は、体型を調整した「3Dデッサン人形-Ver.2(女性)」に初期収録ポーズ素材「An立ち」を適用したところですが、腕の一部が胸に埋まっていて、両手がぴったりと合っていません。
このような場合は、腕と手のパーツを動かしてポーズを微調整します。
[2]パーツを動かす
1.3Dデッサン人形のパーツを動かすツール
3Dデッサン人形のパーツを動かす場合は、[オブジェクト]ツールを使用します。
[オブジェクト]ツールを選択してマウスオーバーすると、パーツの色が変わります。
色が変わった状態でドラッグするとパーツを動かせます。
3Dデッサン人形は自然なポーズをとるために、それぞれのパーツが他のパーツと連動するようになっています。
例えば、下図のように手が身体に埋まっているのを修正したい場合、腕を動かすと連動して肩が上がり、上半身が傾きます。
他のパーツを連動させたくない場合は、関節を固定してから動かしましょう。
2.Ver.2.3以降のポーズ操作
ver.2.3以降では、操作するパーツによってパーツの連動が異なります。手を上に上げたり頭の角度だけを動かしたいのに、胴体ごと動いてしまうということが起こりにくくなっています。
・手や指、前腕をドラッグしたときに、肩から先だけが動きます。
・頭部をドラッグしたときに、頭だけが動きます。
また、脚や腕のパーツを動かしたときに自然なポーズが取れるように、操作性が向上しています。
3.動かしたくない関節の固定
動かしたくないパーツを右クリック、または[サブツール詳細]パレットの[ポーズ基本]→[関節固定の切り替え]をオンにすると、青い四角形の[固定ポイント]が表示されます。
関節を境にして、操作中のパーツに連動しなくなります。
固定した関節をもう一度右クリックすると、固定が解除されます。
複数の[固定ポイント]の固定を一度に解除したい場合は、キャンバス上の3Dデッサン人形以外の場所を右ダブルクリックします。
関節の固定と解除は、[オブジェクトランチャ―]から行うこともできます。
①[関節の固定]
②[関節の固定をすべて解除]
今回のように、身体に埋まっている腕を修正する場合は、両肩の関節を固定してから左右ともに①前腕、②手の順にパーツを動かします。
4.マニピュレータで動かす
より正確にパーツを動かしたい場合は、[マニピュレータ]を使用します。
動かしたいパーツを2回クリックすると、選択されたパーツに [マニピュレータ]が表示されます。
下図では、肩の[マニピュレータ]が表示されています。
[マニピュレータ]では3つの軸を回転させてパーツを動かすことができます。
[マニピュレータ]のリングにマウスカーソルを重ねると色が変わります。ドラッグするとその方向にパーツが移動します。
肘や膝には曲げる方向とひねる方向それぞれのマニピュレータが表示されます。
ひねる操作をすると、肩や腿など付け根の関節も連動してひねりが加わります。
選択を解除したい時は、キャンバス上の3Dデッサン人形以外の場所をクリックします。
下の図のように、わずかに指先が離れているような場合は[マニピュレータ]を使用して微調整するとよいでしょう。
手のパーツを選択し、[マニピュレータ]の青色のリングを操作して指先を合わせます。
【POINT】
それぞれのパーツは自然な動きになるように関節角度が制限されています。
[サブツール詳細]パレット→[ポーズ基本]にある[関節角度制限]のチェックを外せば制限なくパーツを動かせます。
[関節角度制限]がオンの時の可動域は緑色のマニピュレータで表示されます。
5.アニメーションコントローラーで動かす
3Dデッサン人形をクリックすると、全身の7ヶ所に青い[アニメーションコントローラー]が表示されます。[アニメーションコントローラー]は、目線、上半身などの特定の範囲のみ動かせます。
[アニメーションコントローラー]は、ドラッグでパーツを動かしたり、中央の矢印で水平垂直方向に移動させたり、リングで回転させたりできます。
例えば、[マニピュレータ]で腰のパーツを動かすと、下図のように全身が傾いてしまいますが、
[アニメーションコントローラー]では、「腰の範囲」だけを動かすことができます。
また、[アニメーションコントローラ―]は関節の固定を無視してパーツを動かすことができます。
例えば、肩の関節を固定すると腕が途中までしか上がりませんが、[アニメーションコントローラ―]を操作すると腕を真上に上げることができます。
【POINT】
ver2.3以降はアニメーションコントローラー使用時にも[関節角度制限]が有効になります。
6.ポーズを左右対称にする
左右対称のポーズにしたい場合は、体の片側のポーズを作ってから反対側へコピーします。
[サブツール詳細]パレットの[ポーズ基本]→[ポーズ対称化]を表示します。
[左半身を右半身にコピー]、または[右半身を左半身にコピー]ボタンを押してポーズを左右対称にします。
腕、手指、脚のうち、対称にしたくないパーツがあれば上部のパーツアイコンをタップして無効化しておきます。
また、腕、手指、脚を左右対称にしただけではポーズが左右対称にならないことがあります。その場合は、[ポーズ直立化]の[胴体]と[首]を適用することで左右対称のポーズが完成します。
元のポーズ → 左右対称化 → ポーズ直立化
[3]手のポーズ
手にポーズを付ける場合、指を一本一本関節ごとに動かすこともできますが、[ハンドセットアップ]を使うと簡単に操作できます。
[ハンドセットアップ]は、[オブジェクト]ツールで3Dデッサン人形を選択している状態で、[ツールプロパティ]パレットや[サブツール詳細]パレットの[ハンドポーズ]から使用できます。
■ハンドコントローラ
中央の三角形の領域内で、[+]マークの[ハンドコントローラ]をドラッグすることで、指を開いたり閉じたりできます。
■にぎり方のプリセット
[ハンドコントローラ]の下にある4つの[にぎり方のプリセット]ボタンをクリックすると、4 種類のにぎり方を指定できます。
■指のロック
[指のロック]をクリックすると、それぞれの指のポーズがロックされ、[ハンドコントローラ]や[にぎり方のプリセット]の操作を受け付けません。
例えば、指を開いている状態で人差し指と中指をロックし、手を握るとピースサインのポーズができます。
【POINT】
[ハンドセットアップ]や手のポーズ素材は、右手を選択している場合には右手に、左手を選択している場合には左手にのみ適用されます。手以外のパーツを選択している場合は両手に適用されます。
[4]ポーズの登録
気に入ったポーズができたら素材に登録しましょう。
名前を付けて登録すれば、いつでも好きなポーズを利用できます。また自分で作成したポーズ素材をCLIP STUDIO ASSETSで公開することもできます。
■ポーズ素材の登録
ポーズをつけた3Dデッサン人形を選択し、[オブジェクトランチャ―]→[素材パレットにポーズを登録]を選択します。
[素材のプロパティ]ダイアログに[素材名]や[素材保存先]を設定したら、右上の[OK]をクリックします。
[素材保存先]は自由に設定できますが、分かりやすいように[3D]→[ポーズ]にしておくとよいでしょう。
■複数の3Dデッサン人形を組み合わせたポーズの登録(Ver.3.1以降)
次の図のように3Dデッサン人形それぞれにポーズをつけて組み合わせた構図をよく使用する場合は、3D画像素材として2体まとめて登録すると便利です。
3Dデッサン人形を配置した3Dレイヤーを選択し、[編集]メニュー→[素材登録]→[画像]を選択します。
ポーズ素材と同様に[素材のプロパティ]ダイアログが表示されたら、[素材名]や[素材保存先]を設定し、[OK]をクリックします。
3D画像素材が[素材]パレットに登録され、同じポーズやアングルを繰り返し使用できるようになります。3D画像素材には、ポーズのほか、カメラアングルや3Dデッサン人形の体型も登録されます。
3Dデッサン人形を使用した3D画像素材は、CLIP STUDIO ASSETSに公開できます。
※定規を含めた状態で3D画像素材に登録すると、CLIP STUDIO DEBUTで使用できません。CLIP STUDIO DEBUTで使用できるようにするには、定規を削除してから3D画像素材を登録してください。
【POINT】
CLIP STUDIO ASSETSに公開できる3D画像素材には、CLIP STUDIO PAINTに初期収録されている3Dデッサン人形・3Dプリミティブ・3D頭部モデル・自作の3Dモデルを配置できます。
他者が制作した3D素材や3Dモデルを含めた3DレイヤーをASSETSに公開すると、ASSETSで削除の対象になります。これらは素材に含めないようにしてください。
詳しくは、投稿および行動ガイドライン・CLIP STUDIO ASSETS 素材出品についての注意点を参照してください。
[5]ポーズの読み込み
登録したポーズ素材や3D画像素材は、3Dデッサン人形に読み込めます。
■3Dデッサン人形の体型とポーズを選択して読み込む
CLIP STUDIO PAINT Ver.2.0以降では、登録したポーズ素材を3Dデッサン人形に適用した状態で読み込めます。
[レイヤー]メニュー→[新規レイヤー]→[3Dデッサン人形]を選択すると、3Dデッサン人形の体型素材を選択する画面が表示されます。
体型素材を選択すると、3Dデッサン人形に付けるポーズを選択する画面が表示されます。ポーズを選択すると、キャンバスに3Dレイヤーが新規作成され、選択した体型とポーズが適用された3Dデッサン人形が配置されます。
■POSEMANIACS(ポーズマニアックス)のポーズを読み込む
Ver 3.0 以降では、POSEMANIACS(ポーズマニアックス)のポーズを取り込んでポーズを適用することができます。
POSEMANIACS(ポーズマニアックス)との連携方法は以下のTIPSをご覧ください。
■3D画像素材を読み込む
[素材]パレットの3D画像素材をキャンバスにドラッグ&ドロップします。3Dレイヤーが追加され、3D画像素材が追加されます。3D画像素材では登録時の3Dデッサン人形の体型やカメラアングルが適用されます。
また、3D画像素材を既存の3Dレイヤーに読み込めます。読み込み方法については3Dプリミティブで背景や小物を作ろうの[5]3D画像素材を読み込むを参照してください。
■ポーズ素材を読み込む
ポーズ素材の読み込み方法については、3Dデッサン人形を使ってみよう―体型調整―の[4]ポーズを適用してみようを参照してください。
[6]カメラアングルの操作
3Dデッサン人形をいろいろな角度から見るためのカメラ(視点)の操作について紹介します。
この操作は、3Dデッサン人形だけでなく、3Dオブジェクト等の他の3D素材の操作と同様です。
■移動マニピュレータ
カメラは、マウスのドラッグや [移動マニュピレータ]を操作して変更します。
[移動マニピュレータ]は、[オブジェクト]ツールで3Dデッサン人形をクリックすると表示されます。
①カメラの回転
キャンバスの3Dデッサン人形が存在しない箇所を左ボタンでドラッグするか、または[移動マニピュレータ] の[カメラの回転]ボタンをドラッグするとカメラが回転します。
↑3Dデッサン人形が初期位置(3Dレイヤーの中心)にいる場合は、人形を中心に回転します。
②カメラの平行移動
キャンバスをマウスのホイールボタン(中央ボタン)でドラッグするか、または[移動マニピュレータ]の[平行移動]ボタンをドラッグすると、カメラを上下左右に平行移動できます。
③カメラの前後移動
キャンバスを右ドラッグで上下に動かすか、また[移動マニピュレータ]の[カメラの前後移動]ボタンをドラッグすると、カメラが前後に動きます。
カメラは[サブツール詳細]パレット、[ツールプロパティ]パレットからもスライダーを使って操作できます。
■ルートマニピュレータ
カメラを調整する以外に、3Dデッサン人形自体を動かしてアングルを変える方法もあります。
3Dデッサン人形をクリックすると足元に[ルートマニピュレータ]が表示されます。
下図の部位をドラッグすると3Dデッサン人形を移動したり回転したりできます。
3Dデッサン人形を動かす操作は、上部に表示される[移動マニピュレータ]からも行えます。
[移動マニピュレータ]の使い方の詳細は、以下のリファレンスガイドをご覧ください。
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