3.カットフォルダーの作成(LO・原画編)
本講座では日本アニメーション株式会社のデジタル作画作業のやり方を基本に、CLIP STUDIO PAINTでのアニメーション制作工程を説明していきます。
*この記事は日本語です。 日本語以外のサイトでは、機械翻訳されています。
「CLIP STUDIO PAINT」を使用したLO作業について説明していきます。
はじめに、CLIP STUDIO PAINTではじめに、カット袋となる、新規ファイルを作成します。
[1][新規]ダイアログでの設定
まず新規カットフォルダーを作成します。
メニューバー[ファイル]メニュー→[新規]を押します。[新規]ダイアログが表示されるので、設定を入力していきます。
①[作品の用途]を[アニメーション]にします。
②[ファイル名]を入力します。(今回は「Nataiken」としていますが、作品によって命名規則があります。作業時は各部署と命名規則を確認してください。)
③[基準サイズ]を設定します。作品によって異なりますが、日本アニメーションで一般的に使用されている100Fの基準サイズ[幅]1600[高さ]900を打ち込みます。解像度には「160dpi」と打ち込んでください。
④[作画サイズ]を設定します。[作画サイズ]とは書き出しサイズの設定欄です。こちらの数値を入力しておくと書き出し時に[全体]か[作画サイズ]を選べるようになります。今回は[基準サイズ]と同じ数値を設定します。※大判作画などの場合はこちらの数値の設定を変更します。
⑤[余白サイズ]を設定します。[上]284,[下]140,[右]136,[左]136です。
⑥[フレームレート]を設定します。一般的な日本のアニメーションではフレームレートは「24」です。
⑦[再生時間]を設定します。カットの指定であるフレーム数の数値を打ち込んでください。今回は「2+0」=「48」フレームの数値を設定します。
[フレーム(1始まり)]で数字を入力しておくと後のタイムラインへの打ち込みが楽になります。
※再生時間の横のタブから[秒+コマ]設定にして数字を打ち込み、その後タブを[フレーム(1始まり)] に変更すると[秒+コマ]で打ち込んだ数値が[フレーム数(1始まり)]に計算されて表示されます。
⑧[カット用テンプレート]を設定します。テンプレートから「NA_LO用テンプレートver01_社内用160dpi」を選択してください。ここでテンプレートを読み込んでおくと、カットフォルダーの[新規]作成時、[レイヤー]パレットにテンプレートが読み込まれます。
⑨すべて入力したら画面上部の「OK」を押します。
<プリセットに登録する>
[新規]ダイアログで設定したいくつかの項目については、[プリセット]として登録することができます。試しに先ほど入力したFixサイズの設定を[プリセット]に登録してみましょう。
①メニューバー[ファイル]メニュー→[新規] で[新規ダイアログ]を表示させます。[基準サイズ][作画サイズ][余白][フレームレート][カット用テンプレート]を設定したら、[プリセット]横の[プリセットに登録]ボタンを押します。
②[プリセットに登録]ダイアログが表示されるので、[プリセット名]に任意の名称を付けます。
[プリセットに含める項目]の[解像度][フレームレート][カット用テンプレート][基本表現色]にチェックを入れて[OK]を押します。
③上記の方法で[プリセットに登録]しておくと、[プリセット]の横にあるボタンを押して表示される一覧から、登録した設定をいつでも選択することが可能です。
【POINT】
160dpiで100frame以外の数値を設定する場合は、以下のサイズ表を参考にしてください。
大判サイズを作成する場合は、[基準サイズ]は100frame数値のままで[作画サイズ]に大判の数値を設定します。
※カットフォルダーを作成した後にサイズを変更する場合は、[ページ管理]メニュー→[ページ基本設定を変更]から[作画サイズ]を変更できます。
[2]カットフォルダーの保存
カットフォルダーが作成出来たら、忘れずに[保存]を行いましょう。
①コマンドバーの[別名で保存]をクリックします。
※カットフォルダーを新規作成してすぐは「保存」(=上書き保存)できないので、[別名で保存]します。
②カットフォルダーを、コンピューター上の分かりやすい場所に保存します。
CLIP STUDIOPAINTのデータは[.clip(CLIP STUDIO FORMAT)]という形式で保存されます。
[3]自社のレイアウトをテンプレート化する場合
作業したいレイアウト用紙の解像度と基準解像度が日本アニメーション株式会社のレイアウト用紙と異なる場合、配布素材の「Na_LO-原画用テンプレートver01」を使用してレイアウト画像をテンプレート化することも可能です。
テンプレートを作成するために左右上下の[余白]数値と100frameの[幅]と[高さ][解像度]7点の数値を知る必要があります。
レイアウトのスキャンデータがある場合はそちらを基準に各サイズを測っていきます。
■1.レイアウトの画像を読み込む
メニューバーの[ファイル]メニュー→[読み込み]→[画像]から、自社のLO用紙を読み込みしましょう。
■2.レイアウトの余白サイズを測る
読み込んだレイアウト用紙の余白サイズを測ります。
カットフォルダー作成時の[新規ダイアログ]で100frame外の余白の数値をあらかじめ測り入力しておくと、[作画サイズ]と[余白]が読み込んだLO用紙にピッタリ合うようになります。
余白サイズを測る方法は2通りあるのでご紹介します。
<余白サイズの測り方①>
余白サイズを測る際はメニューバーの[編集]メニュー→[キャンバスサイズを変更]を押します。
[キャンバスサイズ変更]ダイアログに表示される数値を確認しながらメモを取り余白を測ります。数値をメモしたら[キャンバスサイズ変更]をキャンセルしましょう。
<余白サイズの測り方②>
メニューバーの[ウィンドウ]メニューから[情報]パレットを開きます。
コマンドバーにある[長方形選択]を使用して余白部分を囲みます。
[情報]パレットに選択範囲内の数値が表示されるので、上下左右測っておいて、余白の数値をメモします。
余白の数値はプリセット登録時に使用するので控えておいてください。
■3.LO用紙の解像度を確認
読み込んでいるLO用紙の「解像度」を確認します。メニューバーの[ページ管理]メニュー→[ページ基本設定を変更]を選択します。
今開いている画像のサイズと解像度がわかるので、[解像度]の数値のみメモします。
※LOの画像データと最終的な仕上がりサイズを合わせたい場合は、[幅][高さ]もメモしておいて余白の数値の調整時に使用していきます。(「【POINT】余白の調整が必要な場合」を参照)
■4.100frameのサイズを確認する
100frameの縦横比のサイズを確認します。
作品ごとに「仕上げ注意事項」などが存在していて100frameサイズの数値がわかる場合はそちらの数値をメモしておきます。
分からない場合は余白を図った際と同じやり方で100frameの値をはかります。自分で100frame数値を図る場合は数字の末尾が割り切れる数、偶数になるように留意しましょう。
100frameの[幅][高さ]はメモしておきます。
■5.画像をラスタライズして透明化する
各数値を確認することができたら、LOframeとTap画像の準備をします。
読み込んだ画像が[画像素材レイヤー]である場合、画像を一度加工するために[ラスタライズ]します。
※読み込んだデータがすでにラスターレイヤーである場合、[ラスタライズ]する必要はありません。
①[レイヤー]パレットの読み込んだ画像を右クリックして[ラスタライズ]を実行します。
②右クリックしてメニューバーの[編集]メニュー→[色調補正]→[レベル補正]を使用してバーを調整し白と黒のコントラストを明確にします。
③メニューバーの[編集]メニュー→[輝度を透明度に変更]を押して、白い部分を透明化します。
白い部分が透明化されました。
■6. タップ穴を画像化する
タップ穴等を各原画用紙につけて書き出したい場合は、タップ穴のみの画像を用意しておきます。
①[レイヤー]パレットで、「LOframe」レイヤーを右クリックして、[レイヤーを複製]します。
②複製したレイヤーを選択します。
③コピーしたレイヤーの、タップ穴以外の部分を[コマンドバー]の[長方形選択]で選択します。
④メニューバーの[編集]メニュー→[消去]で選択範囲部分を削除します。
⑤名前を「Tap」に変更します。
「Tap」がタップ穴のレイヤーに、
「LOframe」がレイアウト用紙のレイヤーになりました。
さらに、それぞれのレイヤーを画像素材化します。
⑥[レイヤー]パレットで「LOframe」レイヤーを選択して右クリックを押し、メニューから[レイヤーの変換]を選択します。
⑦[レイヤーの変換]ダイアログで[種類]を[画像素材レイヤー]にします。必要があれば任意の名前に変更します。
レイヤーが[画像素材レイヤー]化されました。
⑧「Tap」レイヤーも同様に[画像素材レイヤー]にします。
■7. テンプレート作成のためのカットフォルダーを作成する
先ほど読み込んだ「LOframe」のデータはそのままで、メニューバーの[ファイル]メニュー→[新規]を押します。
テンプレート作成のため[新規ダイアログ]の設定をします。
①[基準サイズ]:「■4.100frameのサイズを確認する」でメモした、100frameサイズを記入します。
②[作画サイズ]:チェックを入れて[幅][高さ]の倍率を「1.00」にします。
③[余白]:「■2. レイアウトの余白サイズを測る」でメモした余白のサイズを記入します。
④[カット用テンプレート]:チェックを入れて「Na_LO用テンプレートver01」を読み込みます。(「社内用」の表記がない方のテンプレートになります。)
⑤設定が完了したらOKを選択します。
カットフォルダーが作成されました。
■7. 「Tap」「LOframe」をコピーする
①上のキャンバスタブを押して、最初に作成した「LOframe」のデータを確認します。
②[レイヤー]パレットで、「Tap」レイヤーと「LOframe」レイヤーを両方選択します。
③メニューバーの[編集]メニュー→[コピー]を選択します。
④上のキャンバスタブから、テンプレートを読み込んだカットフォルダーを開きます。
⑤メニューバーの[編集]メニュー→[貼り付け]で「Tap」と「LOframe」を貼り付けます。
※常に「~のコピー」を付けずにレイヤーを複製したい場合は、[ファイル]メニュー→[環境設定]の[レイヤー・コマ]で、[複製時のレイヤー名]を[変更しない]に設定しましょう。
⑥貼り付けたレイヤーの名前を変更します。
⑦余白の設定にずれがないか確認します。
【POINT】余白の調整が必要な場合
用紙全体のサイズを■3.LO用紙の解像度を確認 の時に[ページ管理]で表示されていた[高さ]と[幅]に設定に合わせたい場合、LO余白の設定を調整して数値を合わせていきます。
余白の数値を調整するには、メニューバーの[ページ管理]メニュー→[ページ基本設定を変更]を押します。
表示されるダイアログで[余白]の設定を変更して、用紙全体のサイズを調整します。
■8. テンプレートの準備
<レイヤー構成にタップ穴の画像を組み込む場合>
①[レイヤー]パレットで、「template」の「1」レイヤーフォルダーを展開して、「Tap」レイヤーを「Shadow」レイヤーの下に移動させます。
②格納させたら、「1」と「template」の展開は閉じておきましょう。
③次に「LO」アニメーションフォルダー内の「1」レイヤーフォルダーを展開して、「LOframe」レイヤーを「Shadow」レイヤーの下に移動させます。
④移動できたら、「LO」内の「1」の展開は閉じておきます。
[レイヤー]パレットが、このようになりました。
<「アニメーションセル出力」時にタップ穴の画像を各用紙に合成する場合>
タップ穴の画像やレイアウトフレームの画像を用紙のセルに格納しない場合、後から書き出し時の設定で画像データを各用紙に合成することもできます。
書き出し時に合成していきたい場合は、「LOframe」「Tap」の画像を[アニメーションフォルダー]の外に出した状態にしておきます。
※書き出しの設定について詳しくは「9.書き出し+ムービー書き出し(原画編)」で解説しています。
■9. テンプレート化
このレイヤー構成をテンプレート化します。
①メニューバーの[編集]メニュー→[素材登録]→[テンプレート]を選択します。
②表示される[素材のプロパティ]ダイアログで、[素材名]に任意の名前を付けます。[素材保存先]を指定したら[OK]を押します。
こうしてテンプレート化しておくことで、次回以降の新規カットフォルダー作成時に[カット用テンプレート]として、今回登録したテンプレートが読み込めるようになります。
③テンプレート化するために使用したclipデータと、「LOframe」を素材化するときに使用したclipファイルは、必要なければ保存せずにキャンバスタブから閉じてしまいましょう。
このカットフォルダーをベースのClipデータとして使用する場合は、「アニメーション」のclipファイルを保存しておきます。
■10. プリセット登録
再度[新規]ダイアログの設定を作成します。
①メニューバーの[ファイル]メニュー→[新規]を選択します。
②[新規]ダイアログに[基準サイズ][作画サイズ][余白][フレームレート]を打ち込みます。
(余白を調整した場合は、調整後の数値を打ち込みましょう。)
③[カット用テンプレート]に先ほど読み込んだテンプレートを読み込みなおします。現在読み込まれているテンプレート名をクリックします。
④[テンプレート]ダイアログをスクロールしていくと、先ほど作成したテンプレートが選択できるようになっています。
⑤作成したテンプレートを読み込みました。
⑥この状態で、[プリセット]横の[プリセットに登録]ボタンを押します。
⑦任意のプリセット名をつけ、[プリセットに含める項目]には全てチェックを入れて[OK]を押します。
プリセットに登録しておくと、[プリセット]一覧からいつでも設定を読み込むことができるので便利です。
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