「より良く、より早く」Tan Hui Tianが語るCLIP STUDIO PAINTによる制作

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「より良く、より早く」CLIP STUDIO PAINTでコンセプトアートを作る

画像:OhayoConの背景


「CLIP STUDIO PAINTは描画する上での面倒な作業を無くすので、創作作業の興味深い部分にまっすぐ飛び込むことができます。」


コンセプト・アーティストのTan Hui Tian(タン・フイ・ティエン)さんが、所属しているCollateral Damage Studiosでコンセプトアートをどのようにして描いているかを解説します。

※「Collateral Damage Studios(CDS)」…イラスト、コンセプトアート、マスコットデザイン、マンガ、アニメーションの制作を行う会社

― この分野で何年くらい活動されていますか?

この分野で働き始めて7年になります。最初はインディーズゲームのスタジオで働いていましたが、今はCDSで働いています。


― 印象に残っているお仕事を教えてください

イラスト業界に足を踏み入れるまで、私は自分の世界に浸ったアート作品を全力で描いていました。


私が印象に残っている仕事は、(仕事でゲームのスプライトをアニメーション化する方法などの)技術的なものではなく、どちらかというと言葉に表せないものです。(※スプライト…ゲームの画面上に画像を重ね合わせる映像技術)

「Aether Captains」などのゲームのアートディレクション、コンセプトアートとプロダクションアート、そして登壇者としても参加した『シンガポール玩具・ゲーム・コミックコンベンション(the Singapore Toy, Game and Comic Convention/STGCC)』の10周年記念キービジュアルなど、いままでファンとして何度も参加してきたコンベンションで、自分のアート作品があちこちに展示されているのを見てとても満足しました。


― どういったコンセプトアートを描いていますか?

CDSでは、主にボードゲームとビジュアルノベルにコンセプトアートを担当しています。今は「Megalomaniacs of Tomorrow」というビジュアルノベルゲームのコンセプトアートを描いています。


「Megalomaniacs of Tomorrow」の背景美術


「Megalomaniacs of Tomorrow」の背景美術


「Megalomaniacs of Tomorrow」登場人物のコンセプトアート


― CLIP STUDIO PAINTとの出会いを教えてください

私がまだアマチュアのアーティストだった頃、CLIP STUDIO PAINTの前身のComicStudioで漫画を描いていました。ComicStudioは、ほかの似たような製品に比べて手頃な価格で売られていましたが、CLIP STUDIO PAINTはそのころのComicStudioに比べて利便性がとても向上したのにも関わらず、今でも手頃な価格で売られていますね。

作業環境:Intel Core i5のCPU、8GBのメモリ、WacomのIntuos Pro


― ワークフローを教えてください!

私のワークフローはプロジェクトによって異なります。


背景のコンセプトアートであれば、資料を集めた後に紙と鉛筆で小さなラフをいくつか描きます。


Google SketchUpで描いた背景の全体図


CLIP STUDIO PAINTでの下書きレイヤー


次に、CLIP STUDIO PAINTで色を配置して、少しずつ加工していきます。

そして、作品をPSD形式で出力した後にPhotoshopで開き、レンズフレアやそのほかの効果を付与します。

CLIP STUDIO PAINTでの色塗り


― Tanさんが気に入っているCLIP STUDIO PAINTの機能を教えてください。

CLIP STUDIO PAINTは類似ソフトウェアと比べて洗練されたブラシエンジンを搭載しています。

自然な描き味と、手ブレ補正などの設定によって超一流のアーティストのように正確な線が描けるようになっています。

手ブレ補正を設定する前と設定した後


また色を塗る[塗りつぶし]ツールは、どのレイヤーを線画として参照するか設定でき、線で囲まれた領域内をワンクリックで塗りつぶすことができるのですが、線に隙間があっても閉じたものとして塗り止まります。


グラデーションも簡単に作成できるので、CLIP STUDIO PAINTの色塗り機能が大好きです。

[塗りつぶし]ツールの[隙間閉じ]機能


― CLIP STUDIO PAINTの機能でTanさんの制作に役立っているのはどんなところですか?

CLIP STUDIO PAINTは細かい部分に力を入れているユニークなソフトウェアです。


例えば、ベクター線を[制御点]ツールでつかんで動かすことができますし、[線幅修正]ツールで数回クリックするだけで線の太さを変えることが可能です。

また、一人一人に合ったブラシを作ることができます。作業速度が重視されるスタジオの環境では、CLIP STUDIO PAINTの高い操作精度と効率性によって、洗練されたコンセプトアートを高速で作成でき、余った時間で細部にこだわることができます。

等角図を利用した個人作品


― CLIP STUDIO PAINTを使うことによって、生産性が向上したといえますか?

もちろんです。CLIP STUDIO PAINTはいろいろな場面で使えるため、より効率的に作業できるようになりました。


― CLIP STUDIO PAINTについて思っていることを教えてください!

私は前身の色の数が制限されていたComicStudio時代から使っていたので、長く使っているユーザーとして一種のプライドを感じています。

CLIP STUDIO PAINTでフルカラー対応したときも大きな技術的進歩だと思いましたが、今ではそれ以上の発展を遂げました。

ソフトウェアが改善されただけではなく、今では多くの資料や講座、そして大きなユーザーコミュニティがあります。ただ高機能というだけのツールではなくなりました。


― 同じ業界のアーティストたちにCLIP STUDIO PAINTを勧めたいと思いますか?

もちろん、私は強くお勧めしています。

びっくりするような安さなのに、ソフトウェアがとても強力です。

また、初心者にとってコミュニティはとても大事なものになるでしょう。

CLIP STUDIO PAINTは、ほかのソフトウェアを長年使ってきたアーティストにも大きな価値があると思います。


― コンセプトアートを描くときに使うソフトウェアはCLIP STUDIO PAINTだけですか?

工程によって、Google SketchUpやPhotoshopを使うこともあります。


― 複数のソフトウェアを使う理由を教えてください。

ソフトウェアごとに違った利点があるからです。CLIP STUDIO PAINTは線を綺麗に引くためのツールが揃っています。

Google SketchUpは簡単な舞台設定や小道具のプロトタイプを作成するために使い、Photoshopは作品の編集と後処理で使用します。


― その他に使っているソフトウェアはありますか?また、CLIP STUDIO PAINTをほかのソフトウェアと組み合わせて使うことでどのような相乗効果が期待できますか?

そうですね、プロジェクトによってはInDesignやPhotoshopなどの別のソフトウェアを使います。


CLIP STUDIO PAINTとほかのソフトウェアを組み合わせて使う方法はたくさんあります。


まず、レイヤー構成などを維持したまま、PhotoshopのPSD形式のファイルの出入力ができます。

「Photoshopで作品を拡大したい」というクライアントの至急の依頼が来たとき、CLIP STUDIO PAINTでは「線画のベクター化」がワンクリックで対応可能です。


あるいは、クライアントが「我々の規則集の途中に漫画を挿入したい」と言ってきたとしましょう。

InDesignは漫画の作成に対応していませんが、CLIP STUDIO PAINTからコマ枠をインポートすればクライアントにInDesign形式でファイルを送ることができます。必要がないときでも、CLIP STUDIO PAINTを持っているだけで安心できます。


Collateral Damage Studiosについて

シンガポールの小さな同人サークルとして始まったCollateral Damage Studios(CDS)は今ではプロフェッショナルなイラストのスタジオまでに成長しました。私たちは地元シンガポールの才能のあるアーティストたちとともに傑出したビジュアルデザインを作成し、様々なブランドやクリエイターに提供しています。もっとも著名な作品は、インターネットエクスプローラーの擬人化キャラクターである藍澤 祈、Anime ExpoとNew York Comic Conのキービジュアル、そしてIAとONEの生誕記念イラストです。


Tan Hui Tianについて

TanさんはCDSのシニアイラストレーターです。グラフィックデザインを学んだ経歴を持つ彼女の作品からは、デザインへの強いこだわりが見えます。

Anime Fest @ New York Comic Con初開催時にはキービジュアルを担当しました。

また、趣味では、風変わりで不気味なアート作品を描いて楽しんでいます。

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