4.グランジ加工したタイトルロゴの作成②

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ClipStudioOfficial

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前回はメインのタイトルロゴのフチににじみをつける加工を行いました。今回はこのロゴを下地にしてグランジ加工する工程を紹介します。

井上のきあさんは、文字をただ掠れさせるだけではなく、読みやすくするために様々な工夫をされています。

 

[1]回転させて配置する

にじみのついたタイトルロゴを、デザインに合わせて斜めに回転させます。

 

[編集]メニュー→[変形]→[拡大・縮小・回転]を選択し、画像の周りをドラッグして回転させるか、または[ツールプロパティ]パレットの[回転角]の数値を変更して調整します。

 

今回の作例では、[回転角]-8.0くらいに設定しています。

 

[2]グランジ加工用のレイヤーフォルダー・レイヤーマスクを作成する

グランジ(かすれ)加工には、[レイヤーフォルダー]と[レイヤーマスク]を使用します。

 

 

 

■レイヤーフォルダーの作成

 

[レイヤーフォルダー]は、[レイヤー]メニュー→[新規レイヤーフォルダー]を選択するか、または[レイヤー]パレットの[新規レイヤーフォルダー]アイコンをクリックして作成します。

レイヤーフォルダーの名前を「ロゴ」と変更しました。

 

 

 

■レイヤーマスクの作成

 

「ロゴ」フォルダーに[レイヤーマスク]を設定します。

[1]で斜めに加工したタイトルロゴのレイヤーから選択範囲を作成します。

 

①レイヤーのサムネイルを[Ctrl]キーを押しながらクリックすると、レイヤーに描画されている部分の選択範囲を作成できます。

 

② ①の選択範囲が表示されている状態で、ロゴ「フォルダー」を選択し、[レイヤー]パレットの[レイヤーマスクを作成]を選択して、選択範囲外がマスクされたレイヤーマスクを作成します。

 

「ロゴ」フォルダーに[レイヤーマスク]が設定できました。これで、このフォルダーに格納した画像等は、マスク範囲(今の状態では、タイトルロゴの形)のみ表示されるようになります。

 

最後に、「ロゴ」フォルダーの[レイヤーカラー]を白に設定しておきます。

[レイヤーカラー]は[レイヤープロパティ]パレットで設定できます。

また、元のロゴレイヤーは目のマークをクリックして一旦非表示にしておきます。※後で使用します

 

[3]グランジテクスチャを設定する

[2]で作成した「ロゴ」フォルダーにグランジ加工するためのテクスチャを格納します。

 

テクスチャ画像を保存場所から[レイヤー]パレットの「ロゴ」フォルダーに直接ドラッグ&ドロップするか、または[ファイル]メニュー→[読み込み]→[画像]でキャンバスに読み込みます。

 

今回は下図のテクスチャ画像「スタンプテクスチャ」を使用しました。

 

(2)読み込んだテクスチャは、[画像素材レイヤー]になっています。

 

テクスチャの白い部分を透過させるため、[画像素材レイヤー]から[ラスターレイヤー]に変換します。

[レイヤー]メニュー→[レイヤーの変換]を選択して[レイヤーの変換]ダイアログを表示します。

 

[種類]を[ラスターレイヤー]に変更し、[表現色]を[グレー]、隣の[描画色]を設定する黒白ボタンで、黒のみが選択されている状態にして[OK]をクリックして適用します。

レイヤーの[表現色][描画色]について詳しくは以下の講座で解説しています。

 

【POINT】

画像を別のキャンバスやクリップボードからのコピー&ペーストでキャンバスに貼り付けた場合は、ラスターレイヤーとして貼り付けられるため[レイヤーの変換]は不要です。

白い部分を透過したい場合は、[編集]メニュー→[輝度を透明度に変換]を実行することでも、簡単に透過できます。

 

(3)レイヤーを変換すると、白い部分が透過され、テクスチャの模様が反映された文字が浮かび上がります。

▲[2]でテクスチャが格納されている「ロゴ」フォルダーの[レイヤーカラー]を白に設定しているため、黒い文字は白く表示されます。

 

[4]可読性を調整する

タイトルロゴをグランジ加工すると、味わいが出ますが読みにくくなります。

 

装飾として使用する場合はこのままでもかまいませんが、今回の場合のようにフライヤーのタイトルロゴや場所や日時など、読みやすくしておく必要のある要素に使用する場合は、読みやすいように調整する必要があります。

 

(1)「ロゴ」フォルダー内の「スタンプテクスチャ」レイヤーの上に、黒の[べた塗りレイヤー]を作成します。

[レイヤー]メニュー→[新規レイヤー]→[べた塗り]を選択し、表示される[色の設定]ダイアログで黒を選択します。

 

(2)[OK]をクリックすると、全面が黒く塗りつぶされたレイヤーが作成されます。

※色は黒を設定しましたが、レイヤーフォルダー自体に[レイヤーカラー]効果で「白」が設定されているため、ロゴの形に白く表示されます。

 

作成した[べた塗りレイヤー]には、全面[表示]状態の[レイヤーマスク]が合わせて作成されます。

一旦色を消したいため、[レイヤーマスク]のサムネイルを選択して[編集]メニュー→[消去](ショートカットでは[Delete]キー)を選択し、描画部分を消去します。

分かりやすいように、[べた塗りレイヤー]の名前を「可読性」に変更しました。

 

(3)テクスチャが薄くタイトルロゴの文字が見えにくい部分を、「可読性」レイヤーのマスクを消すように塗っていきます。

塗るブラシは、今回は「ロゴ」フォルダーに格納したテクスチャ画像から作成したブラシを使用しています。

テクスチャと違和感のないものを使用するとなじみやすくなります。

 

(4) (3)のブラシを使用して、文字の端などに注意して塗ります。

 

(5)最後に、元のロゴ画像レイヤーを表示状態に戻し、レイヤーの合成モードを[焼きこみカラー]に設定します。

不透明度を50%に下げたら、ロゴの完成です。

 

フライヤーに日時などを追加する場合も同じように作成できます。

テキストレイヤーから選択範囲を作成し、選択範囲を同じ「ロゴ」フォルダーのレイヤーマスクに適用することで、同じ効果の文字が追加できます。

 

次回は、[ファイルオブジェクト]機能を使用して装飾し、フライヤーを仕上げます。

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