7.動画作業
本講座では日本アニメーション株式会社のデジタル作画作業のやり方を基本に、CLIP STUDIO PAINTでのアニメーション制作工程を説明していきます。
*この記事は日本語です。 日本語以外のサイトでは、機械翻訳されています。
実際に作画作業をしながら、その中でインターフェースやツールの使い方を覚えていきます。
[1]描画のための各種設定
■1. ペンタブレットの筆圧設定
各個人によって筆圧が異なります。本格的な描画に入る前に[筆圧検知レベルの調整]を行いましょう。
①メニューバーの[ファイル]メニュー→[筆圧検知レベルの調整]を選択します。
②[筆圧の調整]ダイアログが表示されるので、自分の筆圧を設定しましょう。
■2. ディスプレイ解像度の確認
前の講座でも触れましたが、ペンタブレットを使用する場合は「ディスプレイ解像度」が非常に重要になります。まだ設定していない場合は、作画に入る前に設定します。
①メニューバーの[ファイル]メニュー→[環境設定]を選択して、[環境設定ダイアログを表示します。
②[環境設定]ダイアログで[キャンバス」を選択して、[ディスプレイ解像度]の[設定]をクリックすると、[ディスプレイ解像度設定が行えます。
③実際の定規をディスプレイ画面に当てて、スライダーを調整して[OK]を押します。
④[OK]を押して[環境設定]ダイアログを閉じると、設定完了です。
■3. [話数][トンボ・基本枠]
左下の[話数]を非表示にしたい場合はメニューバーの[表示]メニュー→[作品情報]のチェックを外します。青枠(基準サイズ)を非表示にしたい場合は、[トンボ・基本枠]のチェックを外します。
■4. レイヤーパレットの構成
[レイヤー]パレットで、セルフォルダ(各セルのアニメーションフォルダー)のレイヤー構成を見ていきましょう。
原画が紙で合った場合は「原画」のフォルダーには、読み込んだ原画、レイアウトが格納されています。
動画セル用のアニメーションフォルダーは、パレットカラーが青色で表示されています。
各「セル名」のフォルダーの横には数字が書かれています。これは各セルに格納されている動画枚数になります。(「a:5」etc...)
[アニメーションセル]パレットには、[レイヤー]パレットで選択した動画用紙のレイヤー構成が表示されます。
各動画用紙のレイヤー構成は全て同じです。
[2]動画作業に使用するツール
[コマンドバー]に登録されている原画作成に使用するツールを紹介します。
以下はキーボードのショートカット表です。よく使うツールにはショートカットが割り当ててあります。
日本アニメーションのワークスペースは、ほとんどのツールが[コマンドバー]に登録されているため、紙パラ以外の操作はキーボードがなくても可能ですが、個人個人でやりやすい方法を探していきましょう。
[3]動画作業
それでは実際に動画作業に入りましょう。
■1. ライトテーブルに原画を登録
①[レイヤー]パレットで、「a」セルの動画用紙「1」を選択します。
[アニメーションセル]パレットの下側にあるライトテーブルに、[レイヤー]パレットで選択した「1」の動画番号が表示されました。
※「a」セルの「1」も「b」セルの「1」も、ライトテーブル上の表示が同じなので分かりにくいかもしれません。その際は命名規則を変更して「a0001」「b0001」などに変更しても良いでしょう。作業者がやりやすい方法にしましょう。
②次に[レイヤー]パレットの「原画」レイヤーフォルダーを展開して、トレスに使用する原画「A0001」の横の□にチェックを入れます。
③[アニメーションセル]パレットの上部にある、[選択中のレイヤーを登録]をクリックします。
[アニメーションセル]パレットの[ライトテーブル]に、「A0001」の画像が登録できました。
[ライトテーブル]に登録されている画像には、[レイヤー]パレットでも電球のマークが表示されます。これは「ライトテーブル」に画像が登録された状態である事を示しています。
[ライトテーブル]に登録した画像はキャンバス上に表示されます。机のライトテーブルに絵を透かしている状態と同じと考えてください。
【POINT】名称について
ファイルの「名称」について説明します。これまでの手順からも分かるように、原画フォルダー内の原画は「大文字」、動画セルのフォルダー名は「小文字」で表されています。
デジタル動画では色々な工程で、同じ名称であることが前提の「データ共有」を行うため、名称の統一化が必須になります。大文字、小文字の使い分けはPC上でデータ管理する上で必要な区別になるため、注意しましょう。
また、基本的に英数字は全て、文字化けを防ぐため半角文字になります。
※名称規則は会社や作品によっても異なります。デジタル作業する際は各部署とよく話し合いをしてルール決めを行いましょう。
■2. 原画トレス
原画「1」のトレスを行います。まずは実線からトレスしてみましょう。
①描画色を黒にしたいので、[アニメーションセル]パレットから「Black」レイヤーを選択します。
【POINT】
タッチタイプではない液晶ペンタブレットなどを使用されている場合は、[虫眼鏡](キーボードショートカット:「Z」キー)や、[手のひら](キーボードショートカット:「Space」キー)、[回転](キーボードショートカット:「S」キー)を使用して、トレスしやすい位置に用紙を移動させます。
それぞれのキーを押している間だけ、各ツールに切り替わります。
回転をリセットしたい場合は、[回転](S)を押した状態でキャンバスをダブルクリックすることで、[回転をリセット]できます。
移動関係のツールは、キーボードショートカットで覚えておくと便利です。
キーボードがない場合は、[スクロールバー]の隣にある[キャンバスコントロール]を使用することで、同様の操作が行えます。
②[コマンドバー]から[Gペン]を選択し、描画します。
③機械などの無機物をトレスする際は[曲線]や[楕円]ツールを使用します。
④線を消すときは「消しゴム」を使用します。
消しゴムは[ツールプロパティ ]の[ベクター消去]にチェックを入れて[交点まで]に切り替えて使用すると、線と線の交点までを消すことができます。
用途によって切り替えましょう。
<消しゴム代わりに使用できる[透明色]>
ベクターレイヤーなので細かい線が消しにくいことがあります。
そのときは、ペンツールのまま描画色を[透明色]に変更して、消しゴム代わりに使用します。
※大きい範囲に使用すると、影塗り時に透明なベクター線にひっかかって、塗りつぶしにくくなる場合があります。
[透明色]を消しゴム代わりにした後、線の描画に戻る際は、[コマンドバー]から描画色を[透明色]以外に選択します。レイヤーにはレイヤーカラーが適用されているので、何色を選択しても大丈夫です。
<ブラシの設定について>
ペンのブラシサイズを変更したいときは、[コマンドバー]の[ツールプロパティ]をクリックして[ツールプロパティ]パレットを表示させます。
[ツールプロパティ]パレットの[ブラシサイズ]から、原画に合うブラシサイズを選択しましょう。
後の工程の書き出しで問題が出ないよう、作品ごとに[ブラシサイズ]の目安を決めておくとよいでしょう。
(今回の講座では、ブラシサイズを0.50mmで作業していきます。)
筆圧に関しては任意で設定しましょう。
線に強弱をつけてもよい作品なのか、よく確認してから作業することも非常に重要です。
デジタルでの描画になれないうちは[手ブレ補正]の数値や[ベクター吸着]の数値を少し高めに設定すると、補正が入ることで線がブレにくくなります。ただし、線に補正が入りすぎてペンが重たくなることもあるので注意しましょう。
【POINT】アンチエイリアスについて
日本アニメーション株式会社では原画、動画作業において[アンチエイリアス]ありの状態で作画作業を行っており、書き出し時に2値化線への変換作業を行っています。
ブラシの設定は[ツールプロパティ]パレットで設定可能です。
■3. 紙パラのやり方
ある程度線が引けたら、キーボードの「1」「2」を押してみましょう。
これらの数字キーには、[キーでセルの動きを確認] という紙パラのコマンドが登録されています。
「1」を押している間はライトテーブルに登録されている一番上の画像だけが表示され、「2」を押している間は二番目の画像だけが表示されます。
紙パラには少しコツがいります、ピアノの「ド」「レ」「ミ」を押すときのような感覚でキーボードのボタンを押して切り替えると感覚がつかみやすいです。
[ライトテーブル]に登録されている画像は、ドラッグ&ドロップで並べ替えることもできます。
■4. 作業途中の保存
作業中は、[コマンドバー]の一番左の[保存]で、こまめにデータを保存しましょう。
■5. 色トレス線の描画
[アニメーションセル]パレットで「Red」レイヤーを選択すると赤い線が、「Blue」レイヤーを選択すると青い線が引けます。
各レイヤーを選択して色トレス線を描画してください。「a」セルの「1」 をすべて原画トレスしましょう。
■6. [切り取り]と「レイヤー貼り付け」の使い方
[切り取り]と「レイヤー貼り付け」について説明します。
[切り取り]と「レイヤー貼り付け」を使用することで、別の色のレイヤーに線を移動することができます。
※「レイヤー貼り付け」は[転写]+[消去]のオートアクションです。
その前に、操作で使用する選択範囲ランチャーをカスタマイズしておきましょう。
選択範囲ランチャーとは、キャンバスに選択範囲を作成したときに表示されるランチャーの事です。
<選択範囲ランチャーのカスタム方法>
①選択範囲ランチャーの右端の、[選択範囲ランチャーの設定]をクリックします。
②追加したい項目を選択して、[追加]を押すとランチャーに追加されます。また、[削除]を押すとランチャーに追加されたコマンドを解除することができます。
日本アニメーションデジタル作画部では以下のようにランチャーをカスタマイズして使用しています。
③[コマンドバー]同様に、ランチャーのアイコンを右クリックして[アイコン設定]あるいは[サブツール設定]を選択すると、アイコン画像のカスタムも可能です。
(iPadでは、エッジキーボードか手持ちのキーボードの「Control」を押しながらクリックすることで同様の操作ができます。)
背景色を付けたり、アイコン設定するとより視覚的に分かりやすくなります。
※「レイヤー貼り付け」には配布用素材アイコンの「51_layer-paste」のアイコンが使用できます。[消去]には「50_delete」を設定しています。
④[コマンドバー]と同様に、[選択範囲ランチャーの設定]表示中はアイコンの順番をドラッグ&ドロップで変更できます。
<レイヤー間の線の移動>
ランチャーがカスタムできたら「切り取り」をしてみましょう。
今回は「Black」レイヤーに書いた線を「Red」に貼り付けます。
①[アニメーションセル]パレットで、切り取りたい線が描かれている「Black」レイヤーを選びます。
②[コマンドバー]の[選択範囲]ツールで、切り取りたい線を囲みます。
選択範囲を作成すると、下に選択範囲ランチャーが表示されます。
③選択範囲ランチャーから[切り取り]をクリックします。
囲んでいた部分が切り取られました。
④選択範囲を解除せず、貼り付けたい色のレイヤーを選択します。今回は黒色の線を赤くしたいので、「Red」レイヤーを選択します。
⑤ランチャーから「レイヤー貼り付け」をクリックします。(※「レイヤー貼り付け」はオートアクションです。)
「Red」レイヤーに、「Black」レイヤーで切り取りした線が貼り付けられました。
■7. 動画番号転記、裏塗り
動画番号や裏塗りは「Shadow」レイヤーに行います。
「Shadow」レイヤーには何色でも描画することができます。描画色を選ぶ際は、コマンドバーに登録した「Paintman」と互換性のある描画色から選びましょう。
【POINT】
「Shadow」レイヤーは下書きレイヤーに指定されているため、[アニメーションセル書き出し]時に[Paintman書き出し]にチェックを入れておくことで、「Paintman」でしか閲覧できない「外部用(編集不可)」という名前のレイヤーとして書き出されます。
画像は、Paintmanで書き出したデータを読み込んだものです。
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