自動彩色とグリザイユ画法で描くイラストテクニック!
はじめに
みなさん、こんにちは!
JAHANAです。
今回はCLIP STUDIO PAINTの自動彩色機能と、グリザイユ画法を組み合わせたイラストのテクニックを紹介します!
今回は頑張って動画を作ってみたので、よろしければそちらもどうぞ!
線画を用意しましょう
まずは自動彩色するための線画を用意しましょう!
過去に描いたものでもいいし、もちろん新規に描き下ろしたものでも構いません!
僕は今回、ポストアポカリプス&サイバーパンク風の少年を描きました。
もちろん、少年に持たせたい武器No.1(?)の鉄パイプも持たせましたよ!
線画ができたら、いよいよ自動彩色機能を使っていきましょう!
[全自動彩色]の使い方
まずは自動彩色機能の[全自動彩色]から使っていきます!
自動彩色機能を使うには、線画を参照レイヤーに設定しなければなりません。
灯台マークのボタンを忘れずに押しましょう!
次に編集メニューから、[自動彩色(先行プレビュー)]→[全自動彩色]を選択してください。
すると、線画レイヤーの上に全自動彩色されたラスターレイヤーが生成されます。
だいたい想定とは異なる色彩になりますが、あせらないで大丈夫です。
仕上げに使用するので、今のところはレイヤーを非表示にしておきます。
[ヒント画像を使って彩色]の使い方
今度は自動彩色機能の[ヒント画像を使って彩色]を使ってみましょう!
線画の下に、新規ラスターレイヤーを追加し、ヒントになる色を適当に塗っていきます。
場所によっては、ペンではなく塗りつぶしツールを使うほうが早いでしょう。
キャラの色だけでなく、背景の色も塗っていきます。
キャラクターに使用した色に近い、様々な色をリズムよく置いていきます。
こうすることで、自動彩色を実行した時、美しいグラデーションが生まれます。
ある程度色が塗れたら、編集メニューから[自動彩色(先行プレビュー)]→[ヒント画像を使って彩色]を選択します。
線画レイヤーの上に、ヒント画像によって彩色されたラスターレイヤーが生成されます。
なかなか面白い色彩になりましたね!
背景のグラデーションもかなり良い感じです!
このヒント彩色レイヤーも、今は使用しないので非表示にしておきましょう。
グリザイユ画法で影をつける
今回は自動彩色でできた色を、なるべくそのまま生かそうと思います。
そのぶん影に手間をかけて、イラストに深みを出していきましょう。
今回は、グリザイユ画法で陰影をつけていきたいと思います。
グリザイユ画法は、灰色で陰影をつけたレイヤーの上に、別レイヤーで色をのせていく方法です。
線画の下に新規ラスターレイヤーを追加して、人物と背景に影をつけていきましょう。
人物のやや斜め後ろの光源を想定して、このような影を塗ってみました。
作業時間は30分ほどです。
油彩平筆やガッシュ、オイルパステルなど、なるべくタッチが残るような筆を使うと自動彩色の色を重ねたとき見栄えがよくなります。
線画をなじませる
そのまま彩色作業へ移行してもよいのですが、せっかくなので線画を厚塗りのようになじませてみましょう。
線画の上に、新規ラスターレイヤーを追加します。
追加したら、クリッピングボタンを押します(灯台マークのボタンのすぐ左です)。
クリッピングすることで、線画からはみでることなく色を重ねることができます。
こうすることで、影が乱れるのを気にすることなく線をなじませていけます。
こちらも先ほどの作業と同じく、光の方向を意識しながら灰色を塗り分けていきます。
だいたい以下のように塗れたらOKです。
ヒント彩色レイヤーを使った色の調整
ここからいよいよ自動彩色で作成した2つのレイヤーを使って、仕上げの作業に入ります。
まずは、非表示にしていたヒント彩色レイヤーを表示させます。
そして、合成モードを[乗算]から、[焼き込みリニア]に変更します。
不透明度はお好みでも構いませんが、ここでは不透明度を55%に設定します。
次に色調補正レイヤーのトーンカーブを、ヒント彩色レイヤーの上に追加します。
トーンカーブをアドリブで操作して、好みの色合いになるよう調整していきます。
トーンカーブの調整は個人の好みによるところが大きいですが、僕は色と陰影にメリハリがつくように設定しました。
色どうしが補色の関係になるようにしたり、人物が浮き上がるように背景と明暗の差がつくように調整します。
わかりやすいように、調整したトーンカーブの画像を以下に示しておきます。
色味が複雑に変化して、かなりドラマチックな印象になりましたね!
これで完成…といきたいところですが、まだ全自動彩色したレイヤーが残っています。
今度は全自動彩色レイヤーを使って、ポップアートのリキテンシュタインのような効果を追加していきましょう!
全自動彩色レイヤーを色のついたハーフトーンに加工する
ここからはかなり込み入っているので、可能なら後で動画を確認してみてください!
それでは説明に入りたいと思います!
まずは先ほど非表示にしていた全自動彩色レイヤーを表示させます。
合成モードが[乗算]になっているので、[通常]に変更します。
そして、この全自動彩色レイヤーを、線画と影の間に移動させます。
移動させたら、全自動彩色レイヤーをコピーします。
全自動彩色レイヤーのコピーは、いったん非表示にします。
次に、下にあるコピー元のレイヤーをレイヤープロパティからトーン化します。
トーン線数は、ここでは20に設定しましょう。
黒のトーンがキャラクターにかかった状態になりました。
しかしこの状態では、色をトーンに反映できません。
まずはトーン化したレイヤーをラスタライズする必要があります。
ラスタライズする方法は、[レイヤー]メニュー→[ラスタライズ]を選択するか、レイヤーウィンドウでトーン化した全自動彩色レイヤーを選択した状態で右クリック→[ラスタライズ]を選択してください。
ラスタライズしたら、ふたたびレイヤープロパティから表現色を[カラー]→[グレー]に変更します。
そして、すぐ横にある黒い四角のボタン[■]を押して、描画色を黒のみにします。
次に、非表示にしていた全自動彩色レイヤーのコピーを表示させ、クリッピングボタンを押します。
そうすると、色のついたハーフトーンがキャラクターにかかった状態になります。
このままでも面白い表現だと思いますが、少しハーフトーンの主張が強く感じます。
ですので、トーン化したレイヤーの合成モードを[通常]から、[ソフトライト]に変更します。
うっすらとしたハーフトーンが、さりげなくオシャレだと思いませんか?
仕上げ
仕上げに、肌にかかったハーフトーンを消して、ハイライトや鉄パイプの汚れ、瞳の色などを追加しました。
これで完成とします!
まとめ
色塗りは自動彩色におまかせだったので、かなり作業が楽になりました!
特にヒントを使った自動彩色でできた背景のグラデーションは、かなり良くできたのではないでしょうか?
また、全自動彩色で作ったハーフトーンも、色の違いでドットの大きさにメリハリがつき、効果的にイラストを演出できたかと思います。
最後まで読んでくれて、どうもありがとう!
おつかれさまでした!
Comment