連続曲線(2次ベジェ)の使い方

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CLIP STUDIO PAINT Ver.1.9.9対応

 

ベジェ曲線は、「どれくらいのカーブを持つ曲線か」を何個かの制御点(と方向点)を使って作成する曲線です。

フリーハンドで描く曲線よりもなめらかな曲線を描きたいときなどに役立ちます。

 

CLIP STUDIO PAINTではベジェ曲線を作成する際に[2次ベジェ]と[3次ベジェ]が使用できます。

今回は[2次ベジェ]のしくみと使い方を紹介します。

 

 

[1]2次ベジェのしくみ

2次ベジェは複数の制御点と方向点で構成される曲線です。

 

制御点が2つの場合(①→②の順番にクリックで点を指定します)、線は始点①と②を最短で結ぶ線(つまり直線)が描画され、曲線にはなりません。

 

制御点が3つの場合(①→②→③の順番で制御点を指定しています)、①と③を結ぶ線を描きますが、②の制御点に影響をうけて線にカーブがかかります。

 

ここで重要なのは「線が通らない点(方向点)がある」ということです。

2次ベジェ曲線は、最低でも「2つの制御点と1つの方向点」で曲線が描画されます。

 

制御点が4つある場合は、始点の①と終点の④の制御点を結ぶ曲線が描画されます。

始点①と終点④が違う位置にある場合は、②と③の点はカーブを制御するための「方向点」になります。

 

[2次ベジェ]での方向点は、線を輪ゴムで引っ張る様子をイメージするといいでしょう。

ベジェ曲線は頭で考えていると少しややこしいので、どんな操作になるのか実際に使って試してみてください。

 

[2]2次ベジェの使い方

[ツール]パレットで[図形]ツールを、[サブツール]パレットで[連続曲線]ツールを選択します。

[ツールプロパティ]パレットの[曲線]オプションで[2次ベジェ]を選択します。

 

【POINT】

CLIP STUDIO PAINT Ver.1.5.5より曲線のプレビュー方法が、変わりました。描画中でも線の色や幅などが反映されます。

以前のような簡易表示に戻したい場合は、[ファイル]メニュー→[環境設定]ダイアログ→[ツール]→[図形系ツールで作成途中の線は簡易表示]にチェックを入れます。

 

 

 

■単純なカーブの描き方

 

[連続曲線]で単純なカーブを描いてみましょう。

 

①始点→②方向点→③終点の3点を指定します。

どんな曲線が描けるかのプレビューが表示されるので、参考にしながら指定します。

②の位置でクリックすると方向点が設定されます。

③の位置では[Enter]キーで終点を設定します。②と同じようにクリックしてしまうと、終点ではなく方向点として設定されるため、カーブの形状がプレビューとは変わってしまいます。

※終点は、[Alt]キーを押しながらダブルクリックする動作でも設定できます。

 

 

 

■角を作る

 

制御点を指定するときに[Alt]キーを押しながらクリックすると、角をつくることができます。[Alt]キーを押しながらクリックしたポイントは直線で結ばれます。

 

たとえば[連続曲線]の[2次ベジェ]では下図の終点(⑤)を始点と同じポイントに指定すると、すべての点が方向点になり、カーブを制御するために利用されるため、丸い形状の図形が描かれます。

 

ここで、最後(⑤)のポイントで[Alt]キーを押しながら指定すると、その部分だけ「角」になり、しずくのような形になります。

 

【POINT】

一番最初に指定するポイントは[Alt]キーを押しながら指定することはできません。

 

始点と終点のポイントが同じ場所にある場合、必要であれば終点を指定するときに[Alt]キーを押しながらクリックします。

 

[3]2次ベジェが得意な図形

2次ベジェを利用して描ける図形の描き方を紹介します。実践的に2次ベジェの使い方を試してみましょう。

 

・張りフキダシ

大声のフキダシであるような曲線の組み合わせ。このような図形も2次ベジェの方が素早く作成できます。

 

・複雑な形の角丸

角丸の図形を描きたいとき、角丸四角であれば[長方形]ツールの[角の丸さ]オプションを使って簡単に作成できますが、複雑な図形の角を丸くしたいときには、2次ベジェを活用するといいでしょう。

 

下図のように、カーブは3つのポイントを使い、角の部分の手前で[Alt]を押しながらクリックするポイントと、そのままクリックするポイントの組み合わせで指定していきます。

 

下図の星型のような複雑な図形を描くときは、先に下描きしておきます。

「カーブが始まる」ポイントと「カーブが終わる」ポイントを考えながら描いてみましょう。

 

[4]ベクターレイヤーで編集する

ベクターレイヤーで描かれた線であれば、[操作]ツールの[オブジェクト]で曲線を指定したり、方向点をドラッグして、あとから曲線の形状を自由に変更できます。

 

※ベクターレイヤーについて詳しくは、以下をご覧ください。

 

[オブジェクト]ツールでベクターレイヤーを選択すると[ツールプロパティ]パレットがこのような表示に切り替わります。

 

[変形方法]オプションで[制御点と拡縮回転]か[制御点の移動]を選んでおけば、2次ベジェで描いた曲線のカーブをあとから変更できます。

 

[オブジェクト]ツールで、描いたベクター線をクリックして選択すると方向点が表示されます。

この方向点をドラッグすることでカーブの再調整が可能です。

 

[オブジェクト]ツールで描画した線を選択すると、線の周囲にガイド線が表示されます。

ポインタをガイド線上に合わせてドラッグすると自由に移動できます。

また、上部のコントロールポイント(青丸部分)をドラッグすると、角度を変更できます。

選択された状態で[コピー][貼り付け]をすると線を複製することもできます。

 

ただし、ラスターレイヤーに描画した線はこのような編集はできません。

編集をしたい場合は必ずベクターレイヤーに描画しておくようにしましょう。

 

[5]定規として作成

2次ベジェ曲線は、[定規]ツールで作成することもできます。

[図形]ツール→[定規作成]から[曲線定規]を選びます。

[ツールプロパティ]の[曲線]オプションで[2次ベジェ]を指定すると、2次ベジェ曲線の定規が作成できます。

※[図形]ツールと同じ[連続曲線]というサブツールはありませんが、[曲線定規]で連続曲線が描けます。

 

[定規]の2次ベジェも、ベクターレイヤー上で描いた[連続曲線]と同様に[オブジェクト]サブツールであとから編集できます。

 

定規で曲線を作成すると、あとから好きなツールで曲線が描けるというメリットがあります。

[ペン]だけでなく[鉛筆]や[筆]、[水彩]ツールなど、線の強弱や濃淡などのタッチを表現したい場面で活用できます。

 

【POINT:曲線定規をグリッドにスナップする 】

[曲線定規]で定規を作成する場合、初期設定ではグリッドなどにスナップしないよう設定されています。

 

[ツールプロパティ]パレットの右下にある[サブツール詳細]パレット表示ボタンをクリックして、[サブツール詳細]パレットを表示、[補正]カテゴリの[スナップ可能]をONにすることによって、定規ツールでもグリッドなどにスナップできるようになります。

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