テキストレイヤーを維持したままPSD出力できる-CLIP STUDIO PAINT Ver.1.12.0-
CLIP STUDIO PAINT Ver.1.12.0から、[複製を保存]または[一括書き出し]でPhotoshop 形式(PSD/PSB)を指定すると、テキストレイヤーを維持した状態で書き出せるようになりました。
CLIP STUDIO PAINTで作成したコミックやWebtoon作品を、他の環境へPSD形式で受け渡す場合にテキストがラスタライズ(画像化)されないため、Photoshopでテキストを編集しやすくなります。
【POINT】
PSD/PSB出力した作品ファイルをCLIP STUDIO PAINTで開くと、テキストレイヤーがラスタライズされるためテキストを編集できません。
出力の流れ
テキストレイヤーを維持したPSDの出力は、[複製を保存]、または[一括書き出し]でのみ可能です。
[保存]や[別名で保存]では、テキストデータはラスタライズされます。
複製を保存
①[ファイル]メニュー→[複製を保存]→[psd…](またはpsb…) を選択します。
②[テキスト]にチェックを入れます。
③テキストレイヤーオプションで[テキストのみ]を選択して、[OK]をタップします。
一括書き出し
①[ファイル]メニュー→[複数ページの書き出し]→[ファイル形式]からPhotoshopファイル 形式を選択します。
②[画像を統合して書き出す]をオフにして[OK]をタップします。
③[psd書き出し設定]ダイアログで、[テキスト]にチェックを入れます。
④テキストレイヤーオプションで、[テキストのみ]を選択して[OK]をタップします。
テキストレイヤーオプション
テキストレイヤーの出力方法は、3種類から選択できます。
・レイヤー画像のみ:
テキストレイヤー、フキダシレイヤーは、一枚のラスターレイヤーとして Photoshopファイル 形式へ出力されます。
・レイヤー画像とテキスト:
テキストレイヤー、フキダシレイヤーがラスタライズされた一枚のラスターレイヤーの下に、非表示でテキストレイヤーが出力されます。
・テキストのみ:
テキストレイヤーの出力のみを行います。フキダシレイヤーは、フキダシ画像とテキストレイヤーに分かれて出力されます。
書き出されたPSDファイルのレイヤー構成
CLIP STUDIO PAINT上で1枚のテキストレイヤー上にテキストフレームが複数含まれる場合は、Photoshop形式ではテキストフレームごとにレイヤーが分かれ、同じレイヤーフォルダーに格納されます。
フキダシレイヤーの場合、フキダシはラスタライズされ、テキストレイヤーと分離します。
PSDファイルでは、テキストのフォント、文字色、文字サイズが維持されますが、一部維持できない情報があります。
CLIP STUDIO PAINTの機能であるフチ効果や、テキストに設定した[太字]、[ルビ]、[袋文字]などの設定は維持されません。
それらの効果はレイヤー画像として出力できます。
その他、書き出したPSDファイルと元のCLIPファイルを比較すると、以下のような違いがあります。
・[下線]、[取消線]は、描画位置や太さが変わることがあります。
・先頭行に[ルビ]が付いていた場合、Photoshopではルビが反映されないため、ルビのサイズ分描画位置がずれます。
・[フレームで折り返す]をオンにして入力されたテキストについて、Photoshopの段落フレームに収まらない場合、末尾行が非表示になることがあります。段落フレームを広げると表示されます。
・[フレームで折り返す]をオンにして入力されたテキストについて、ワードラップの違いにより、欧文の折り返し位置がずれます。
・[縦中横]を使用しているテキストについて、行からはみ出る分だけ描画位置がずれます。
Photoshopでファイルを開く
出力したPhotoshop形式のファイルをPhotoshopで初めて開く時、以下のように更新を求めるダイアログが表示されることがあります。※OS やバージョンによって異なります。
[更新]を選択して、開きます。
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