ウォーターマークを公開作品の保護に使用する

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ClipStudioOfficial

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Webで作品を公開すると、作品が無断で使用されてしまうリスクがあります。その対策として一般的なものがウォーターマークです。

作品にウォーターマークで模様やサイン、Sampleなどの文字を入れることによって、作品をそのまま使用されにくくなります。また、画像生成AIの追加学習に対しても、ウォーターマークの模様を反映させたり、模倣の精度を低下させたり、一定の効果を得られる場合があります。

 

ウォーターマークの付与方法

CLIP STUDIO PAINTでは、[画像を統合して書き出し]と[タイムラプスの書き出し]を実行する際に、作品にウォーターマークを追加してSNSなどに公開する形式に書き出せます。

 

1.書き出しメニューを選択

画像を書き出す場合は、 [ファイル]メニュー→[画像を統合して書き出し]の項目から目的のファイル形式を選択します。保存先を指定すると[書き出し設定]ダイアログが表示されます。

タイムラプスを書き出す場合は、[ファイル]メニュー→[タイムラプス]→[タイムラプスの書き出し]を選択します。

 

2.ウォーターマークの種類を選択する

[書き出し設定]ダイアログの下部にある①[ウォーターマーク]、②[ノイズパターン]のいずれか、または両方をオンにしてから、[ウォーターマーク設定]を押します。

 

①ウォーターマーク:作品に任意の画像をウォーターマークとして設定できます。

②ノイズパターン ※Ver.3.1以降:作品にノイズを設定できます。

 

3.ウォーターマークを設定する

[ウォーターマーク設定]ダイアログで、[ウォーターマーク]と[ノイズパターン]のそれぞれの効果のかかり具合を調整できます。

 

ウォーターマーク

[ファイル]や[フォトライブラリ]から任意の画像を読み込み、プレビュー画面に表示されるハンドルで配置や大きさ、角度を指定したり、画像の不透明度や合成モードを変更したりできます。

 

ノイズパターン

[強度]の値を上げると、ノイズが強くなります。変化を確認しながらスライダーで調整できます。

 

設定が決まったら、[OK]を押して[ウォーターマーク設定]ダイアログを閉じます。

 

4.画像・タイムラプスを書き出す

[書き出し設定]ダイアログで[OK]を押して書き出します。

[書き出しプレビュー]ダイアログが表示された場合は、画像を確認し[OK]を押します。

 

設定はアプリに保存されるため、別の作品を書き出す際にも同じ設定になります。

 

画像生成AIの追加学習対策

ウォーターマークは画像生成AIの追加学習に対しても効果がある場合があります。

ウォーターマークの色や、濃さ、形状に加え、画像生成時のプロンプトなどに影響を受けますが、ウォーターマークを活用することで、ウォーターマークの模様が反映されたり、模倣の精度を低下させたりできます。

 

追加学習とは:類似した作風やキャラクターのイラストを十数枚〜数十枚AIに学習させ、作風やキャラクターをAIが模倣して生成する技術。

ここでは、以下の3パターンのウォーターマーク(A:唐草模様、B:ストライプ、C:CLIP STUDIO PAINTロゴ)を以下の設定で使用しています。

 

ウォーターマークの設定

不透明度:20%

合成モード[通常]

タイリング[繰り返し]

タイリング方向[上下左右]

 

効果を確認するために使用したイラスト

同じ作者のイラストを15枚用意し、画像生成AIの追加学習を行いました。なお、これらの画像は当社内で新たに制作したもので、この検証のみに使用しました。

 

画像生成AIを使用して、プロンプト「sks style, 1girl, brown hair, masterpiece, best quality, portrait」で画像で生成すると、以下のような画像が生成されました。

 

ウォーターマークのパターン別の結果

 

なし

 

A

 

B

 

C

 

ウォーターマークによって、反映されている程度は異なりますが、生成された画像にウォーターマークの模様が反映されています。

 

ノイズパターンで対策する

[ノイズパターン]が付いた画像が追加学習に利用されると、AIが生成する画像の品質を低下させることが期待できます。基本的には、ノイズの強度の数値を大きく設定することで、より追加学習への抑制効果を高められます。

 

ウォーターマーク画像で使用した作者のイラストに、今度は[ノイズパターン]を付与して追加学習を行いました。

 

ノイズパターンの設定

ノイズの強度:なし、20、40、60

 

画像生成AIで画像のウォーターマークと同じプロンプトで生成すると、以下のような画像が生成されました。

 

ノイズの強度別の結果

 

なし

 

20

 

40

 

60

 

「なし」では、追加学習に使用したイラストの作風が模倣されていますが、ノイズの強度の数値を上げていくことで、生成結果の画質や品質の低下、構図が崩れることが確認できます。

 

ウォーターマークやノイズパターンの抑制効果は画像生成に使用されるAIや追加学習アルゴリズムによって異なります。そのため、すべての環境で期待する効果が得られることを保証するものではありません。

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