5.下塗り

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[1]塗り分け

塗り分けは、第2回で紹介した「ベタ塗りペン_QM」ブラシを使ってフチ取りをしてからバケツで塗りつぶしていきます。

https://tips.clip-studio.com/ja-jp/articles/1063


この工程でレイヤーを分けすぎると効率が悪くなるため、背景はある程度ざっくりとレイヤーを分け、メインの人物のみ細かく塗り分けていきます。


レイヤーを分けたら、レイヤーの[透明ピクセルをロック]しておきます。


▼[透明ピクセルをロック]は、透明ピクセルをロックしたいレイヤーを選択した状態で[レイヤー]パレット上部にある[透明ピクセルをロック]アイコンをクリックして設定します。[透明ピクセルをロック]は、レイヤーの描画されている部分以外をロック(保護)できるため、重ね塗りするときなどに描画部分からはみ出さずに作業することができます。


[2]配色を設定する

■1.大まかな配色プラン


配色を設定していきます。

今回は背景を寒色系にして、人物や人物の周りの背景を暖色系にしようと思います。

カラフルな配色を効果的に見せたい場合は、隣接するモチーフを色差の大きな色([カラーサークル]の離れた場所にある色)にすると認識しやすくなります。


塗り分けの状態から色を変更したいレイヤーを選択し、[塗りつぶし]ツールで塗ります。[透明ピクセルをロック]してあるので描画部分にだけ色が塗られます。人物の服や机などの色を再度調整しました。

また、全体のバランスを見るために自作の「エアブラシ」でおおまかな光や影なども描いていきます。



■2.線の色の変更


全体の配色に合わせて線の色を変更します。

線画をまとめた[レイヤーフォルダー]の上に作成したレイヤーを[塗りつぶし]ツールで茶色に塗りつぶし、[下のレイヤーでクリッピング]します。さらに茶色のレイヤーの不透明度を下げて61%にしました。線の色が黒から茶色に変わります。


▼[下のレイヤーでクリッピング]は、上のレイヤーが下のレイヤー(またはレイヤーフォルダー)の描画部分のみに表示される機能です。今回の場合は、茶色にベタ塗りをしたレイヤー(上)を線画レイヤーフォルダー(下)にクリッピングしたため、線画部分が茶色に塗られたように表示されます。


私はある程度下塗りの段階で塗りこんでいき、レイヤーを統合してさらに描き込んでいく方法で制作しています。

線画や下塗りをしなくても厚塗りで描くことはできますが、これらの工程をふまえた方が効率よく繊細に描くことができ、何度も色を塗って試すことができます。



■3.配色で気を付けていること


色は[カラーサークル]パレットから決めることが多いのですが、[カラーサークル] 中央にある四角い部分(HSV色空間)の下から1/3くらいの色や右辺の色は、なるべく使わないようにしています。

下から1/3部分の色を塗るときは、黒系の配色か、または最終的にメリハリを付けるために細かく陰を描いていく場合のみです。

この部分の色を使うと非常に重い印象の配色になりやすいのと、後の工程でレベル補正機能などを使って色を調整するときに、さらに色が濃くなってしまうからです。

また、青系や緑系は特に蛍光色になりやすいため、上端と右端は絶対に使用しないようにしています。


▼下図赤枠が主に使用するゾーン



■4.光源の設定


今回のイラストでは、キャラクターが使っている魔法をメインの光源に設定します。

そのため、頭上から光が当たっていることを意識して陰影を出していきます。

光の当たっている部分は黄味よりに、影の部分は水の色に寄った色調にすると自然な印象になります。

このとき、色を大幅に変えてしまうとモチーフ本来の色がわからなくなってしまうため、ほんの少し[カラーサークル]内を移動するイメージで設定します。


[3]色の調整

下塗りをひと通り終えましたが、画面がねむく(※ねむい:メリハリがなくぼやっとした状態)なってきているため、[色調補正レイヤー]の[明るさ・コントラスト]を全体にかけてメリハリを出し、人物付近に黄色く塗ったレイヤーを合成モード[オーバーレイ]で重ねて少し明度を上げました。

[オーバーレイ]などの合成モードは、色味や明度、コントラストなどを少しだけ変えたいときに使用しています。


次の彩色の工程で作業しやすいように、下塗りで使用したレイヤーを統合して各パーツごとにひとつのレイヤーにしていきます。

全体にかけた[色調補正レイヤー]なども複製して各パーツごとに振り分けてクリッピングし、統合します。


下塗りが終わった時点のレイヤー構成は下図のようになります。


次回からいよいよ彩色に入ります。

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