さまざまな手の描き方講座
[1]この講座について
イラストレーターのしぐれういさんによる「さまざまな手の描き方講座」です。
この講座では手の構造や指、爪の表現について解説をしています。手の構造を理解して、説得力のある自然な手を描けるようにしましょう!
最初に動画で講座全体の流れを把握してみましょう。
[2]手の構造
手はその形自体や動きのバリエーションにより、複雑に見てしまいがちです。そこで、大まかにグループわけして考えると手の形を考えやすくなり、描きやすくなります。
それでは手の構造を見ていきましょう。実際に自分の手を見ながらこの講座を読み進めると、より深く理解ができると思います。
まずは手全体を4つにわけて考えてみましょう。
手のパーツそれぞれの動きに合わせ、手を4つにわけました。
1. 親指
2. 親指の付け根
3. 親指以外の4本指
4. 手のひら
ここからは1~3のパーツがどのような動きをするのかを見ていきます。
※手のひらの説明は、手のひら自体を動かすことができないため省略しています。
■1. 親指
最初に親指ですが、親指は内側へ折る動きしかできません。
■2. 親指の付け根
親指の付け根の部分も手のひらの方へたたみ込むような動きしかできません。
ただ、青色になっている親指と、この水色の親指の付け根は、それぞれ動き方が違うので注意をしましょう。
■3. 親指以外の4本指
こちらは4本ともすべて同じ動きをします。
親指と親指以外の指は、同じ「指」であっても構造が違うということを理解すると、綺麗に手を描くことができます。
4本の指を内側に曲げるにあたり注意したいことは、各指の付け根から内側に曲がるのではなく、付け根の少し下、手のひらの部分から曲がるということです。
この4本の指は関節の部分から曲がるので手の平の部分から曲がります。
関節をデフォルメして描かなくても、関節の位置を意識することによって自然な手の動きを描くことができます。
また、指の付け根の位置にも気をつけましょう。
指の付け根の位置は、画像のように小さく山を描くような指の配置にすると「らしさ」がでます。
[3]パーツを意識して描いてみよう
手の全体を1つとして考えるのではなく、手を4つのパーツに分けて描いてみると描きやすいです。
まずこのようにアタリを描きます。次にそのアタリをベースに指や手の腹などを描いてくと描きやすいです。参考に自分の手を見て描くとよいでしょう。
この方法は様々な手の形に応用することができます。
例えば何かを持つ手、こちらに向かってきている手は以下の画像のように描くことができます。
[4]立体感のある手の描き方
絵柄によって手の描き方、デフォルメの仕方も変わってきますが、立体感を感じる手の描き方のコツを紹介します。
このイラストで赤い丸がついている部分は関節があるところです。
骨を感じられるよう少し固めに描きます。筆圧の強弱を利用して表現するのもよいでしょう。
緑のラインは関節と反対側肉付きがとても良いところを表しています。ふんわりと曲線で描くとふっくらした印象になり、指らしくなります。
また、肉がよせられてできるしわも描くと、よりリアルさや立体感を出すことができます。
[5] 指・爪の表現と関節
指や爪の表現や手を握った際の関節について解説していきます。
指の動きもまっすぐというわけではなく、関節ごとに多少動きが変わります。少し反っているところやふくらむところもあるので、よく観察してみましょう。
また、伸ばしている指だけでなく、折りたたんでいる他の指の角度にも気を付けましょう。
また、爪もさまざまな描き方があります。今回は5種類の爪の描写を紹介します。
①リアルな爪
リアルな描写は爪の側面と付け根の部分を描いてより本当の手に近い描写になっています。
②爪の付け根を描かない爪
爪を側面のみで表現します。リアルとデフォルメ中間的な描写です。
③デフォルメされた爪
漫画的な表現です。手を描く際に爪は描かない、というのも表現の方法の一つでしょう。
④角張った爪
爪先が角張った表現です。少し付け爪に見えます。
⑤丸みをおびた爪
爪先が丸くなった表現です。子どもの爪にも使える描写です。
自分の絵柄やキャラクターにはどの爪が一番合うか考えて描くと、より魅力が出てくるのではないでしょうか。
以上でさまざまな手の描き方講座は終了です。
指や付け根の可動範囲、手の構造を自分で把握してみると、自らの手の模写が非常にしやすくなります。
みなさんも積極的にカメラや鏡を使って自分の手を確認し、パーツごとにあたりを取り、骨や肉づきを意識して手を 描いてみましょう。
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【作者プロフィール:しぐれうい】
初めまして、しぐれういと申します。 普段は主に学生や若い女の子を描いております。 まだ未熟なものですが、少しでもみなさまのお役に立てたら幸いです。
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