ストックイラストを作ってみよう①
はじめに
CLIP STUDIO ASSETSで活躍されているハルマル*さんにストックイラストにチャレンジしていただきました!
年賀状素材に挑戦
素材のテーマは、ストックイラストの定番でもある『年賀状素材』です。
最初にストックイラストの用途や販売方法についてピクスタの方からレクチャーがあり、その後実際に制作していただきました。
■完成イラスト
クオリティが高く、ストックイラストには少なかったテイストなので差別化ができています。
これだけでも素晴らしいですが、ストックイラストでポイントになるのがバリエーションです!
1つの作品から、購入者の需要に応えられるような素材を派生させていくのが効率の良い制作方法です。
文字の無いパターン
年賀状の場合は、賀詞や添え書きを自分で書きたい購入者も多くいます。
これはメッセージカード系の素材や背景素材に共通しており、コピースペース(文字を書くスペース)は非常に重要な要素です。
今回の作品の場合は、背景テクスチャや色味を調整して雰囲気を変えていただいているため、良いバリエーションになっています。
単体カットイラスト
イラスト単体で成立する事が前提ですが、ストックイラストではセットになっている作品をパーツごとに単体で販売する事もよくあります。
上図の場合は、年賀状以外にも「うり坊」(猪のこども)のイラストを使いたい場合にも活用できますので、年やシーズンを問わずに売れる可能性があります。
落款(らっかん)
ストックイラストでは文字素材も人気です。
背景が透過されたPNG形式のデータで作成されていると、画像編集ソフトなどが得意でない方も扱いやすくなるため、購入機会が広がります。
まとめ
このようにストックイラストにおいては一枚の完成された作品だけでなく、「素材」として使えるイラストが求められています。
時間をかけて制作したイラストが売れる…というわけでもないところが面白いところでもあるかと思いますので、気になった方はぜひチャレンジしてみてください。
ハルマル*さんに、ストックイラストを作ってみた感想を伺いました
■ハルマル*さんプロフィール:
CLIP STUDIO PAINT、ComicStudio用の素材を作っています。
基本的にはモノクロ漫画用です。CLIP STUDIO ASSETS、BOOTHで販売中。
使っていただいている素材を紙面などで見つけるのがひそかに楽しみです。
別名義では電子書籍などで漫画を描いてます。スローペースすぎてコマの割りかたも忘れかけてますがなんとかやっています。
ー ストックイラストについては、以前からご存じでしたか?また、ストックイラストについてどのような印象をお持ちでしたでしょうか。
【ハルマル*】今回、ストックイラストにチャレンジすることになり、「ピクスタ」という名前に覚えがあるなと思って確認したら、だいぶ前に利用登録させていただいていました。
ピクスタの方からストックイラストについての説明を伺って、きっちりと作り込まれた作品というよりは、意外にシンプルな物のほうが好まれるということが印象的でした。
また、いろんなサイズの画像が用意されているため、漫画を描く身としては、資料として参考にしたい場合に写真画像をリーズナブルに利用できるのが便利だなと思いました。
ー 今回のストックイラスト用の素材を制作するときに気を付けたことなどを教えてください。
【ハルマル*】今回のイラストでは、小さいものがたくさん集まっているとかわいいかな?と思い、たくさんうり坊を描いてみました。
大まかなレイアウトは考えてから描き始めますが、細かい部分は描きながら考えて調整することがあるため、うり坊一匹一匹のレイヤーを分けて描いています。
レイヤーを分けておけば、あとからレイアウトを変更したり、単体で販売するときにも役立ちますよね。
ー ストックイラストを作るときに便利だと思うCLIP STUDIO PAINTの機能はありますか?
【ハルマル*】制作途中で筆やテクスチャが必要になったときにCLIP STUDIO ASSETSでだいたいなんでも揃うところが便利です。思っていた素材が見つからないときでも、近いものをカスタマイズしたりして理想に近いものが作れます。
あとは、[画像素材]レイヤーは便利です。今回のうり坊はそれぞれレイヤーを分けて描いていますが、それぞれを[画像素材]として[素材]パレットに登録してから使用すれば、キャンバス上で拡縮や回転を繰り返しても劣化しないため、自由にレイアウトを調整できます。
[画像素材]レイヤーは、タイリング機能で並べることもできるので、壁紙や包装紙用の画像も簡単に作れるんです。
ストックイラストは同じ素材を使いつつバージョン違いを作ると良いということなので、この機能はすごく役に立つんじゃないでしょうか。
CLIP STUDIO PAINTは、カラーだけでなく、モノクロやグレースケールも扱えますし、レイヤーマスクやベクターレイヤーもあるので、イラストから文字まで、どのようなテイストのストックイラストにも対応できると思います。
ー 今後、ストックイラストで作ってみたい素材はありますか?
【ハルマル*】ストックイラストを見ていると、挑戦したいテーマやテイストがたくさんありそうだと思いました。奥が深そうですね…。極めるもよし、目移りするもよしですが、やはり購入して使ってもらえるのが一番いいですね(笑)。
ピクスタとは
2006年にサービスを開始した広告素材(写真・イラスト・動画)を販売するサイトです。
プロでもアマチュアでも登録すれば投稿可能で、投稿された作品は販売に適しているか審査を経て販売開始となります。
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