デジタルで絵を描く手順-新規作成から書き出しまで-

853,787

ClipStudioOfficial

ClipStudioOfficial

CLIP STUDIO PAINT Ver.3.1.0対応

 

[1]新規キャンバスの作成

CLIP STUDIO PAINTを起動したら、はじめに絵を描くためのキャンバスを作成します。

 

1.上部コマンドバーの左にある[新規]をクリックします。

 

2.[作品の用途]から[イラスト]を選択し、[プリセット]から[UXGA(1600×1200)]を選択します。

※作成したいサイズが決まっている場合は、[キャンバス]の幅・高さ・解像度をそれぞれ入力してください。

 

3.[OK]をクリックすると、キャンバスが作成されます。

 

キャンバスを作成したら、さっそく線や絵を描いてみましょう。

描くために使用する機能は初期状態では画面左端に集められています。

 

①[ツール]パレット…ペン・鉛筆・筆などの道具(ツール)を選択します。

②[ツールスライダー]…ブラシサイズと不明度を選択できます。(Ver.3.1.0以降)

③[サブツール]パレット…①で選択した道具の種類(サブツール)を選択します。

④[ツールプロパティ]パレット…③で選択したサブツールのタッチなどの細かい調整ができます。

⑤[カラーサークル]パレット…色を選択できます。

 

【POINT】

スマートフォン版の場合、よく使うパレットはパレットバーに格納されています。詳しくは、以下のTIPSをご覧ください。

 

【POINT】

その他、画面上の各パレットの名称・位置について詳しくは、以下のTIPSをご覧ください。

 

また、アナログのラフや線画を取り込む場合は、以下のTIPSをご覧ください。

 

[2]絵を描く道具を選ぶ

CLIP STUDIO PAINTで絵を描くために、以下の2ステップで道具を選びます。

 

①の[ツール]パレットで道具を選ぶ

②の[サブツール]パレットからさらに詳しい道具の種類を選ぶ

 

※②の[サブツール]パレットは、①で選択したツールに合わせて表示される内容が変わります。

 

絵を描くときによく使用するツールは以下です。

サブツールパレットには様々なタッチのペンやブラシが収録されているため、自分の好みのツールを探してみてください。

 

[ペン]・[鉛筆]・[筆]・[エアブラシ]・[色混ぜ]・[消しゴム]

 

線を描くときに使用するサブツール

[鉛筆]ツール、[ペン]ツールには、線を描くのに向いたサブツールが収録されています。

線の強弱がつきやすいものや、ザラザラとしたアナログ風の質感のものなどがあります。

↑[鉛筆]ツールには、鉛筆やチョークなど、下絵やデッサンに使用できるサブツールが収録されています。

 

↑[ペン]ツールには、線画に適したアナログのつけペンのようなペンやマーカーが収録されています。

 

彩色に使用するサブツール

色を塗るときには、[筆]ツールや[エアブラシ]ツールを使用します。塗りながら混色できるブラシや塗り重ねが得意なブラシなど、水彩や厚塗り、丸筆や平筆などの特徴が設定されたサブツールがたくさん収録されています。描きたい絵に合わせて選択しましょう。

 

↑実際の紙の質感やにじみ、かすれ感を出すなら[筆]ツール→[厚塗り]グループがおすすめです。

 

色を混ぜる、ぼかすツール

なめらかな色の変化を作ったり、空の色などのグラデーションには[エアブラシ]ツール、[色混ぜ]ツールがおすすめです。

↑[エアブラシ]ツールは滑らかに色の変化を彩色できます。[色混ぜ]ツールは、塗った色の境目などをあとからなじませられます。

 

各ツールの特徴やカスタマイズ方法について詳しくは、次回「ブラシの調整とカスタマイズ」で紹介します。

 

【POINT】

初期収録されているペン・ブラシを使ってみて、線の濃淡や強弱が付きにくいと感じたら、[筆圧感知レベルの調整]で調整します。この筆圧設定は、ソフト全体に影響します。

※今のタッチが気に入っている場合は設定が変わってしまいますので、この手順を行わないようにしてください。

 

描きやすい設定にするためには、「普段の筆圧で意識的に筆圧に強弱をつける」ようにするのがポイントです。ダイアログの表示に従って調整してください。

 

[ファイル]メニュー→[筆圧感知レベルの調節]

 

調整してみて、気に入らない場合は、納得がいくまで何度か試してみるとよいでしょう。

 

また、ペン・ブラシの[ツールプロパティ]パレットでは、サブツールそれぞれに筆圧を設定することもできます。

 

[3]ブラシサイズを変更する

使用するブラシが決まったら、次にブラシサイズを調整します。ブラシサイズの変更は、[ブラシサイズ]パレット、[ツールプロパティ]パレット、[ツールスライダー]から行います。

↑[ブラシサイズ]パレットでは、目的のサイズのタイルをクリックすると、ブラシサイズを変更できます。[ツールプロパティ]パレットでは、スライダーの調整や数値の直接入力でブラシサイズを変更できます。[ツールスライダー]では、スライダーの位置を調整することでブラシサイズを変更できます。

※スマートフォン版の場合、エディットバーの[ブラシサイズ]で調整できます。

 

PCでキーボードが使える場合は、ショートカットキーを使って変更すると便利です。

 

ブラシサイズを小さくする [

ブラシサイズを大きくする ]

ブラシサイズを変更する Ctrl+Alt+ドラッグ

 

筆圧と傾き

多くのペン・ブラシには、筆圧を弱くするとブラシサイズが小さくなり、強くするとブラシサイズが大きくなるように設定されています。

また、[スケッチ]ツール→[鉛筆]や[筆]ツール→[水彩丸筆][水彩平筆]などは、ペンの傾きにブラシサイズが連動されるようになっているため、筆圧を強く描いたときよりも傾けたときの変化が大きくなります。

※筆圧・傾きは、それぞれ機能に対応したペンやペンタブレットなどの入力デバイスが必要です。

 

筆圧:強い ↔ 筆圧:弱い

 

傾き:通常 ↔ 傾き:ペンを傾けて描く

 

【POINT】

カーソルの形状は、初期状態ではブラシサイズが表示されていますが、以下のような表示に変更することも可能です。

 

[ファイル]メニュー→[環境設定]→[カーソル]から変更できます。

※macOS、タブレット版(iPad/android)では、[CLIP STUDIO PAINT]メニュー→[環境設定]→[カーソル]を選択します。

※スマートフォン版(スタジオモード)の場合、[メニュー]→[ファイル]→[画像を統合して書き出し]を選択します。

 

[4]色を選んでみよう

色を選ぶ方法はいくつかありますが、ここでは基本的な方法を紹介します。

 

 

 

■[カラーサークル]パレットで色を選択する

 

画面左下に表示されている[カラーサークル]パレットから色を選択できます。

①外側の円から色相を選びます。

②中央の四角形の領域から彩度と明度を調整します。

↑パレット右下のアイコンをクリックすると[HSV色空間][HLS色空間]を切り替えられます。

 

また、[カラーサークル]パレットの裏にはいくつかタブ化されたパレットがあります。

※タブが無い場合は[ウインドウ]メニューから選択して表示します。

 

 

 

■[カラーセット]パレットで色を選択する

 

シンプルに色を選択したい場合は、[カラーセット]パレットを使用します。

上部のプルダウンから、様々なカラーセットに切り替えられます。

 

 

 

■[カラースライダー]パレットで色を選択する

 

RGB、CMYKなどの数値で色を指定したい場合に便利なカラーパレットです。

 

【POINT】

タブレット版・スマートフォン版では、[カラーサークル]パレット、[カラーセット]パレットとも、アイコン化されて表示されているため、タップで表示します。

 

 

 

■[スポイト]ツールで色を取得する

 

塗り重ねでできた色を使用したい場合はキャンバスから色を取得する方法を使います。

[ツール]パレットにある[スポイト]ツールのカーソルを使用したい色に合わせてクリックすると、その部分の色を取得できます。

カーソルの周りにサークルが表示され、下部に現在の色、上部にこれから取得する色が表示されます。

 

ペンで[スポイト]ツールを使用する場合は、[ツールプロパティ]パレットでサークルの表示・非表示を設定できます。指で使用する場合は常にサークルが表示されます。

 

[スポイト]ツールは頻繁に使用するため、修飾キーやタッチジェスチャーを覚えましょう。

 

ペンで使用する場合:描画ツールを使用しているときに、キーボードの[Alt]キーを押すと、一時的にスポイトツールに切り替わります。

 

指で使用する場合:[指とペンで異なるツールを使用]に設定されているときには、指でキャンバス上を長押しするとタップした部分の色を取得できます。

 

 

 

■[カラーヒストリー]パレットから選択する

 

一度使った色を再度使いたい場合は、[カラーヒストリー]パレットに使用した色の履歴が残っています。色のタイルをクリックすると描画色に設定できます。

 

【POINT】※PC版のみ

[編集]メニュー→[画面の色を取得]を選択すると、WEBブラウザや他のアプリで表示した画像などから直接色を取得できます。

 

[5]取り消し、やり直し、消す

絵を描いていて、描画の一部分を修正したい場合は、[消しゴム]ツールを使用して消します。

用途に合わせて種類を選択します。

 

[POINT]透明色を使いこなそう!

CLIP STUDIO PAINTでは、消しゴムだけでなく、通常の描画系ツールの描画色を「透明」に設定することで、描画ツールのタッチをそのまま消しゴムにすることができます。

透明色は、[ツール]パレットの下部や、カラー系パレットにある市松模様のタイルで選択できます。

 

また、デジタルでは、描画自体の取り消しが簡単に行えます。上部コマンドバーのアイコンをクリックするか、またはショートカットキーを使います。

 

PCの場合:

取り消し ショートカットキー Ctrl+Z

やり直し ショートカットキー Ctrl+Y

 

タッチ操作できるデバイスの場合:※[指とペンで異なるツールを使用]に設定されているとき

取り消し 2本指でタップ

やり直し 3本指でタップ

 

[6]絵を描いてみよう

2~5で、絵を描くための機能の使い方を説明しました。あとはキャンバスに自由に描いてみてください。

はじめのうちは、アナログの画材や他のソフトの描き心地との違いに違和感があるかもしれませんが、使い続ければすぐに慣れます。新しいツールを楽しんでください。

 

ここで紹介したペンやブラシを使うだけでも絵は描けますが、下図のような作品を作るためには、レイヤーや選択範囲といったデジタル作画ならではの機能を使用すると、より効率的に絵を描くことができますし、表現の幅も広がります。

 

デジタルのお絵描きに慣れてきたら、ぜひ新しい機能にチャレンジしてみてください。

これらの機能について詳しくは「デジタル作画で覚えておきたいレイヤーの使い方」で解説しています。

 

[7]作品を保存する・書き出す

作品が完成したらデータを保存して、汎用画像形式に書き出します。

 

 

 

■作品を保存する

 

CLIP STUDIO FORMATファイルで保存しておくと、作品のレイヤー状態を保持したまま保存できます。

 

[ファイル]メニュー→[保存]を選択し、表示されるウィンドウで保存先を指定します。

このとき、ファイルの種類を「CLIP STUDIO FORMAT」や「Photoshopドキュメント」にします。

※Galaxy/Android/Chromebook版・iPhone版の場合、[Clip Studio]アプリ内に保存され、作品管理に表示されます。

 

【POINT】

psd形式で保存した場合もレイヤーが保持されます。ただし、ベクターレイヤー、テイストレイヤーなど一部の機能がラスタライズして保存されます。PSD形式で保存する場合は、先にCLIP STUDIO FORMATで保存してから[ファイル]メニュー→[複製を保存]することをおすすめします。

 

 

 

■作品を書き出す

 

完成したイラストを汎用形式の画像ファイルに書き出すには、[ファイル]メニュー→[画像を統合して書き出し]を選択します。SNSやWEBにアップする画像の場合は、jpgやpng形式で書き出すとよいでしょう。

※スマートフォン版(スタジオモード)の場合、[メニュー]→[ファイル]→[画像を統合して書き出し]を選択します。

 

保存先を選択して[ファイル名]を付けたら[保存]をクリックします。[書き出し設定]ダイアログで[OK]をクリックすると画像が保存されます。

※Galaxy/Android/Chromebook版の場合、[画像を統合してストレージへ書き出し]を選択することで、作品の保存先が選択できます。

 

[書き出し設定]ダイアログの項目について詳しくはこちらをご覧ください。

 

作品にウォーターマークを付けて書き出す(Ver.2.2以降)

詳しい使い方は以下をご覧ください。

コメント

新着

公式 新着